O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-3.永遠のアイ:ホイールアライメント計測

■2022年10月

 密林さんをぶらぶらしていてちょっと気になるものを見つけた。キャンバー角調整ボルトがダブルモスバーガくらいの金額で出ていたのだ。2,000円以上購入で送料無料だったのでチェックだけしておいたのだが、その後密林さんで買い物ができたのでついでに購入した。中古と書いていたのでなんとなく一期一会的な気持ちもあった。

 

 初めに書いておくが、キャンバー角を付けるということには当初特に興味もなかった。機械は平行垂直に取り付けるのが本来であり、鬼キャンといわれるようなハの字のタイヤなど私の興味の範疇外である。そもそも、もしそんな改造でもしようものなら、妻から「私のアイちゃんをヤンキーにした!」とか言って絶対NGが出る。

 でも我らがアイはフロントタイヤの外側が極端に摩耗する。コーナーリング時にサスが沈んでタイヤが変形した状態でトレッド外側に過度に荷重が集中している感じでショルダー部まで摩耗している。アイに関係する記事を読んでいて、一時期からアイのキャンバー角がネガ側にすこし寝かされてハンドリングが向上したとの記事を読んだ。そういえばみん〇ラさんの情報などでもフロントの内側が摩耗するとの記事をよく見かける。うちのアイはキャンバーが寝かされる前の車体なので外側が摩耗するのだと思う。じゃあちょっとだけキャンバー角つけてタイヤの摩耗が内外でバランスするようにしてみようか、というのが今回の作戦である。

 手元に届いたキャンバー角調整ボルトはほぼ新品(微妙にサビがあるので中古かも)。 同製品のコメント欄を見ているとどうもネジ山の精度が悪そう。同一製品かは不明だが、ネジ山が固くてねじ込んでいったらネジ切れたとかの情報も見たので、さもありんという感じ。一応ダイスでネジ山を成形しておく。

 

 結構切りくずが出た。確かにネジ山の精度はちょっと問題あるかもしれない。

 

 ナット側には緩み止め防止が付いている。この辺はいい感じ。

 

 取り付ける前に現在のキャンバー角を測っておかなければ。ついでにトー角なんかも測れる計測器を作ろう、ということで手持ちの端材で適当な計測具を製作。

 

 結構使えそうな感じなので、塗装もして正式品として採用する。

 

 キャンバー角を測る時はホイールに垂直に取り付け、おもりをつるして下部の目盛りを読む。

 

 トー角を計測する時はホイールに水平に取り付け、前方から釘とスリットが一直線になる軸を測ってトー角を算出する。

 

 早速キャンバー角を計測してみる。しかしアイを停めている駐車場は左側へ向かって傾きがあるので全体的にオフセットがのる。またトー角計測には前方に広めの空間がいるのでここでの計測は無理だ。

 

 後日改めて計測し直す。アライメント計測に必要なもの一式は下写真の通り。

 

 近所に広くて平らでアライメント計測しててもあまり怪しまれない所がないか、グーグルアースで探した。はじめに埋め立て地にある水道局の公園に行ってみた。しかし意外に他の車が止まっていて、かつ地面に傾斜があったのでいまいち。その後、よく行くホームセンターの普段利用しない屋上の駐車場に行ってみた。この駐車場は利用者が少なくてあまり迷惑にはならなさそう。地面は雨水を流すためか意外と傾斜があるが、場所を選べばまずまず水平だ(前後方向には傾斜あり)。ここで本番計測する。まずはキャンバー角から。

 

次はトー角計測。計測方法を下図に簡単にまとめている。

 

 アイの車体軸前方10mに計測中心点を決め、なにか目印を置く。車体軸は十分離れた所から双眼鏡で観察し、フロントバンパーとリアタイヤの位置関係が左右対称になるように設定する。

 

 ホイールに輪ゴムで計測器を固定し、

 

 前方からホイールの向きを計測器で確認する。双眼鏡では奥のくぎが小さくて見えずらいので、もう少し倍率の高い望遠鏡などがあればなお良い(そこまでする気はない)

 

 計測した結果を下表に示す。フロントタイヤが左右とも左向いていたので、平均した値を()内に記す。ハンドルは一応まっすぐにして計測したが微妙にずれていたのかもしれない。

※トー角はmmで表す場合も多い。アイはタイヤ外径が569mmなので、トー角:θ [deg]とトー:α [mm]の換算は α=569*sinθ となる。0.2°=2.0mm、0.4°=3.97mm、0.6°=5.96mm となる。

 前タイヤのキャンバーは微妙にネガキャン。トー角はほぼゼロ、というかちょっと前広がりになっている(トーアウト)。まあこの計測器の計測精度も十分検証していないのだが、私が使う分には十分そうだ。今後キャンバー角調整ボルトで少しネガキャンにして、トー角もわずかに内向き(トーイン)に調整しよう。

 ※ちなみにフロントのトー角が微妙に左側に向いているのは実際そうなのかもしれない。後日確認したのだが、走行時は路面の状況によっては直進時微妙に右に切って走っていることがある。路面の状態によってはハンドルまっすぐで直進している時もあるんだけどね。ハンドルまっすぐでも微妙にタイヤは左を向いているのかもしれない。トー角調整時には左側(助手席側)のタイロッドを半回転程延ばす方向で調整してみよう。

 

 話変わってフロアジャッキ用のアダプタも製作。

 

 ダウンサス化により必要になったのだ。えっ? なぜダウンサスしたらアダプタが必要になるのか? 普通ダウンサスにしたら車体下の空間が狭くなるので、アダプタではなく背の低いジャッキとかが必要になる。しかしアイのリアサスはド・デオン式でジャッキポイントは車体ではなくサスペンション部分を持ち上げるのである。すると今までのように持ち上げても車体はダウンした分だけ下がってしまうので、車体下に十分な空間ができず馬がけができない。そのためアダプターが必要になるというわけ。端材で19mm厚と12mm厚のを製作した。ニス塗装したのは、将来この治具の使い道を忘れてゴミとして捨ててしまわないように。いや、裏にマジックでジャッキ用アダプタと書いておこう。

 

6-3.永遠のアイ:Eg警告灯対策その1(平滑コンデンサ)

■2022年10月

 アイのエンジン警告灯が時々点灯するようになって1年以上経過した。警告灯はセンサ関係の不具合なのだが、何のセンサか特定のためにはOBDⅡ通信による故障診断機能を使えるようにならないといけない。"OBD Info-scan"というアプリを購入してチャレンジしたこともあったが、通信はできるが故障診断情報は読めなかった。OBDⅡのダイアグノシスピンを短絡したりすれば読めるのではないかと思ったが、いろいろ試してもうまくいかないまま放置していた。

 ここ最近、警告灯の点灯がかなり頻発してきた。チョイノリで2回出ることもあった。エンジンを切って電源をOFFにして再始動すると直るのでWindowsの再起動みたいなもの)だましだまし使ってきたが、夏場はちょっと問題がある。エンジンを切ってもしばらくエンジンクーリングファンが回っているのだ(2分くらい)。これが停まってからの再始動でないとECUのリセットができないので、安全な所で車を停める必要がある。夏場ということで症状が出やすいのかもしれないが、この前は高速道路で出た阪神高速ね)。幸いすぐにSAだったのでそこに止めて再始動したのだが、何十kmもSAがない高速だとかなり悲惨なことになる。

 もうあきらめてディーラーで故障診断情報だけでも見てもらおうかと思っていたのだが、その前に一つ試したいことがある。この車にはブースト計の所に水温油温などを表示するLEDをつけているのだが、そのコントローラーが走行中たまにリセットされるのだ。おそらく電圧低下でPICがリセットされるのだと思う。ということは電圧が不安定ということだ。センサ系の異常に起因(すると思われる)警告灯の点灯は、瞬間的な電圧低下でセンサが異常に低い(もしくは高い)計測値を出すことにより一時的にECUが”センサ異常”と判断しているのではないかと考えた。エンジンECU内部の電圧安定化のための電解コンデンサは10年ほどが寿命と言われている。そこに起因する不具合であるならECU内の電解コンデンサ交換すれば治るのではないか。そうでなくてもとにかく電解コンデンサの交換は遠からず必要だろう。

 でもECUコンデンサ交換は丁寧に時間をかけて処置したいので、その前に軽く電圧安定化がエンジン警告灯点灯に関係があるのか評価したい。電圧ラインにコンデンサを並列接続するのならばすぐにできる(つまり平滑コンデンサの実装)

 ということでジャンク箱から部品を探す。電源やアンプなどを捨てる時に電源まわりの基盤などを取っておいたやつだ。容量の大きそうなコンデンサの載った基盤を漁る。

 

 そしてコンデンサーを外す。200V耐圧とか不必要にスペックの高いものが多いが、まあテストだからなんでもいい。フィルムコンデンサなどは容量は少ないが、一応色々な周波数に対応したほうがいいかなと使ってみる。残りの基盤は使いそうな部品はなさそうなのですぐにゴミ箱へ。

 

 端材でケースを作り、使えそうなコンデンサを収納する。合計静電容量は10,120μFほど。安全のため15Aヒューズも接続している。一応放熱も考えケースには穴をあけている。

 

 この即席コンデンサユニットが車に悪影響を与えては元も子もないので、一応基本仕様だけ計測しておく。まずは漏れ電流。12Vを印加して電流がどれくらい流れるかを確認。自動車でいう暗電流に相当する。計測結果は8.5μA。自動車の暗電流は~30mAほどらしいので、それの1/1000以下なので問題ないだろう。

 

 自然放電速度も測っておく。コンデンサに12Vを印加した状態から自然放電での電圧低下の時間を測るのである。まず12V状態でストップウォッチ開始。

 

 30分経過して10Vほどに低下。まあこんなもんか。

 

 ヒューズ部は太くなりすぎて収縮チューブが使えなかったので絶縁テープでグルグルまき。まあテスト品だから細かい出来は気にしない。

 

 早速自動車に取付。せっかくテスターとか持っていったのでついでにアイの暗電流も測ろう。バッテリーのマイナス端子とケーブル側にテスターの各端子をあてて・・・

 

 バッテリーとケーブルを外す。これでテスター経由で暗電流が流れる。我が家のアイの暗電流は7.1mAだね。まあCDオーディオしか電装品ないのでこれくらいかな。この時うかつに閉ループを外すとオーディオの設定やら時計がリセットされるので注意ね。

 

 バッテリーを端に寄せて固定すると横に結構な空間ができるので、ここにコンデンサーユニットを設置する。

 

 この空間に置くだけで特に固定はしない。まあテストだから。

 

 結構安定しているので問題はなさそう。

 

 あとはケーブルを適当な長さでカットし、先端を輪っかにしてはんだ処理し、バッテリー端子に固定して完成。ただし注意点として、コンデンサーが放電している状態で接続すると突入電流でヒューズが切れるので、抵抗でゆっくりチャージして電圧をバッテリと同じにしてから接続する。

 

 これで作業終了。エンジンをかけて近所を走ってみたがとくに問題はなさそうなのでこれでしばらく様子を見る。これでエンジン警告灯が点灯しなくなれば電圧不安定が不具合原因と特定できる。

 世の中にはコンデンサーチューンということ言葉があるが私はこういう話は基本信じない。まあ電装系が弱っていてスパーク電流が十分供給されない車だとかなら効果はあると思うが、コンデンサを搭載したからといって走りが良くなるとかはないだろう(オーディオにはありね)。他にもマグネットチューンとかアルミホイールチューンとかね。でも愛車をいじる気持ちは大切で、痘痕も靨みたいなものだからちょっとした気分転換とかいう理由ではありだと思う。というか車をいじっているということ自体を楽しんでいるわけであり、万人に評価される結果を得ることが目的というわけでもないのだからね。でね、今回コンデンサーを付けたらなんか低速でのレスポンスが上がったというか滑らかになった気がした。もうそれはプラシーボ効果で間違いないんだけど、なんかそうあってほしい願望がまじっている感じだと思う。

 ※アルミホイールチューンはトヨタもやってたね。静電気を大気に放電して走りがスムーズになるとかなんとか。まあ理解できなくはないけど、街中を走る車で静電気による違いなどは体感できるとは思えない。

 

 もしコンデンサユニット搭載が有効ということになれば、どういう設計で搭載すべきだろうか。制御系電圧の安定化ということであればバッテリー位置での並列接続よりも、制御装置に近い側で接続したほうが効果があると思う。しかしそうするとキーOFFでコンデンサの電圧もOFFになる。制御電圧の安定化や暗電流を減らすという点、またコンデンサの寿命という点ではメリットであるのだが、そうするとキーON時に突入電流で制御系のヒューズが切れちゃう。それを回避するにはチャージ回路などを組み込む必要がある。また未来にチャージ回路に不具合が起きるとヒューズが切れて動かなくなるし、第三者が修理するシチュエーションになるといろいろめんどいことが起こる。そういうことを考えるとバッテリー直付けがいろいろ不安が少ないのだと結論づけた。暗電流の点では今回のユニットでは無視できるレベル(1/1000以下)だし、寿命という点では10,000μFが5個で1000円ほどで売っているので定期的(5年毎くらい?)に交換すればいいしあまり問題にはならないと思う。制御電圧の安定化という点では、各ECUコンデンサ交換が本命だと思うしね。

6-4.永遠のアイ:シフトゲートスライダーの交換

■2022年9月

 車で近所に出かけたとある日、帰ってきてエンジンを止めてふと見るとシフトレバー周辺に溜まっているホコリが気になった。何の気なしにティッシュで拭いた。翌日、妻が車に乗る用事から帰って来てプリプリ怒っている。「なんかシフトレバーの所がバキバキなんですけど  (`^´)  。」 車を見に行くと、シフトゲートのスライダーが割れてバキバキ音がしている。すぐになんとかするようにとの命令が下る。早速もの〇ろうで部品を購入。3500円以上購入しないと送料無料にならないので、リアブレーキーシューやスタビリンクブッシュなども併せて購入。シフトゲートスライダーは619円でした(型番2420A017)。

 

 たぶんプラ部分が劣化していて弾力がなくなっており、ティッシュで拭いた時に弱い所が割れたんだと思う。早速とりつける。

 

 センターコンソールを外す。まずはサイドブレーキ下のカバーをパカっと外し、中のネジを外す。またセンターコンソール後端のネジも外す。

 

 前方左右はクリップで固定されている。

 

 このクリップが曲者。たぶん中心部を引き出せば外れるのだろうけど、どうやって引き出すの?精密ドライバーを差し込んでテコの原理で引き出そうとしたけど全然無理。

 

 まあゆっくり考えれば方法もあるのだろうが、暑いし遠いし(家から160m)、ゆっくり検討している余力もないので、マイナスドライバでクリップを破壊。周辺を養生すればいいんだけどそんな余裕なし。今後作業時は必ずマスキングテープを持っていこう。

 

 取り外したクリップを帰ってから観察。やっぱり中心部を引き出すんだよね。なんか専用工具とかあるかもしれないが、組む時は適当に合うクリップを使おう。

※後で調べたら真ん中を押したら外れるとの情報あり。引っ張れなかったら押してみようってことだな。

 

 センターコンソールが外れました。クリップ2か所と木ネジ2か所外すだけです。

 

 前方のネジも外したんだけど、外す必要はありませんでした。

 

 センターコンソールの裏側。

 

 シフトレバーはT/Mの変速レバーをワイヤー経由で動かすのだが、それ以外にも2本ワイヤーが繋がっている。

 

 説明書を確認すると、キーインターロックとシフトロックのケーブルだ。修理していると、こういう調整箇所の知識が自然と蓄積されるよね。キーインターロックはキーを回さないとシフトがPから動かない、シフトロックはブレーキを踏まなければPから動かない。この機能は安全のためのインターロックだけど、最悪なくても車を動かす分には問題ないはずだ。これ関係のトラブルが発生したら部品交換でなく、部品を外すだけという選択肢もありかもね。いや、妻が乗ることを考えたらやっぱり必要か。

 

 シフトゲートカバーは4ヶ所の爪を外せば取り外せる。こういう爪もプラスチックが劣化しているので、油断するとポキッと折れるので慎重に作業する。

 

 シフトゲートカバーが外れました。

 

 バキバキのスライダー。一番細い所が割れたと思っていたが、違うのかな?

 

 シフトゲートカバーを見ると普段手が届かないところにホコリが溜まっている。せっかくの機会なのできれいにしておく。

 

 組付けはいたって簡単。スライダーを載せてカバーをはめ込むだけ。自動車の組み立ては大量生産のため徹底的に簡素化されているのが良くわかる。パカパカ嵌めていく所が多い。クリップなんかはその典型だよね。アイをいじるまで自動車がレゴ感覚で組み立てられているとは思ってなかった。

 

 組み立てはあっという間。

 

 クリップは手持ちの9mmのがぴったり。というかちょっとギリギリすぎて叩き込んだので、本来は8mmかもね。オリジナルのはもうゴミ箱の中なので確認できず。

 

 シフトレバーまわりがきれいに戻りました。

 

 なんかプリプリ怒りながらの妻の要請だったので大急ぎで作業したのに、修理後はなんのコメントも無し  ( `ー´)ノ。 まあいいけどね (*´з`)  。

 

6-4.永遠のアイ:オイル交換とNAエンジンへの追い油

■2022年9月

 暑さが少し和らいだのでエンジンオイル交換をしよう。必要なものを準備しているとオイル缶に前回交換時の廃油が残ったまま。廃油はモスボール保存のためNAエンジンに入れている。エンジン箱を机の下から引き出して、まずは軽くクランキングする。スパークプラグは外していて、そこにオイルを満たしていたのだが、今回クランキングすると、オイルがあふれてきた。数か月放置していたのだが、まだ燃焼室内にオイルが残っているんだ。というかもしかしてクランク側も既にオイルがいっぱいなのかもしれない。

 

 あふれたオイルを拭き取って再び燃焼室をオイルで満たす。残りのオイルはフィラーキャップ部からエンジン内へ投入。

 

 そして再びカバーして机の下に戻す。

 

 今回はフィルター交換はなしでオイル交換のみ。作業時間最短記録を目指して作業する。フィルター交換なしだと3.3Lのオイルでちょうどよい感じ(レベルゲージ7割)

 

 まずエンジンルームを開き、フィラーキャップを外す。

 

 車体下にダンボールと廃油受けを置いてドレンコックを開く。

 

 オイルを抜いている最中に一旦家に戻り新油を持ってくる。この時点で30分経過している。20L缶からジョッキにオイルを移すのとか結構めんどい。20L缶にもコックつけて、ジョッキを下に置いてコックひねるだけのシステムを取り入れたい気もするが、年に3回しか使わないしねぇ・・・。

 

 コックを閉じて、新油を充填。

 

 廃油を缶に戻し、油汚れを拭き取って自宅に持ち帰り作業終了。

 

 全作業には45分かかった。もう少し早くできるかと思ったけどこれ以上は早くは無理っぽい。オイル交換作業だけならドレンをひねる(10秒)、ジョッキでオイル注ぐ(60秒)くらいなんだけど、物を出したり汚れ拭いたり片づけたり移動したりということに時間がかかる。20L缶にして今回で4回目。まだ2回分残っている。バイク時代を含めてもこんなに頻繁にオイル交換したことはない。精魂込めてOHしたエンジンということもあるが、とにかく20L缶のコスパが大きい(一回1000円)。今後はオイルは20L缶以外は考えられない。しかし難点は重さと大きさ。ジョッキに注ぐ時は変な体勢での作業がしんどい。また油断するとオイルがこぼれて掃除の手間も増える。

 現在はペール缶はベランダに置いているが、下写真の位置にペール缶や自動車部品などを収納できるストッカーをつくりたい。ペール缶の注ぎ口にはコックをとりつけ、オイル交換時はペール缶をストッカーの上に横向きに置いて、コックをひねるだけでジョッキにオイル移動できるようなシステムを考えている。

 

※ターボエンジンに換装後のオイル交換
     銘柄                粘度   API規格        種類        :交換時期      使用期間   使用距離   総走行距離(Egは+3万)
Castrol GTX       10W-30 API:SL/CF  鉱物油        :2020年11月     5ヶ月     2,600km     69,000km
QUAKER STATE     5W-30  API:SN      部分合成油 :2021年 4月      4ヶ月     1,800km     71,600km
日産 SN SPECIAL  5W-30  API:SN       部分合成油 :2021年 8月     4ヶ月     1,700km     73,393km
日産 SN SPECIAL  5W-30  API:SN       部分合成油 :2021年12月    5ヶ月     2,370km     75,100km

日産 SN SPECIAL  5W-30  API:SN       部分合成油 :2022年 5月     4ヶ月     1,900km     77,470km

日産 SN SPECIAL  5W-30  API:SN       部分合成油 :2022年 9月                                    79,300km

 

 

 

6-6.永遠のアイ:対向ピストンキャリパーへの野望

■2022年9月

 FブレーキのOHを終えて新たな野望が芽生えた。というかかなり前からそれについては検討していた。対向ピストンキャリパーである。思い起こせば対向ピストンキャリパーへの執着は学生時代までさかのぼる。当時私はGPz250というバイクに乗っていた。Z250FTの次モデルで駆動チェーンの替わりにベルトドライブが使われてやつだ。こいつのFブレーキは片押し式のダブルディスク。ちょっとタッチが甘いのでブレーキホースを金属メッシュのテフロンのやつに替えたらすごくいい感じだった。でも友人のバイクはみんな対向ピストンキャリパー。当時から対向ピストンにはあこがれがあったので、今回の検討は若き頃の宿題の見直しといったところだ。

 さてアイへの対向ピストンキャリパーの取付けなのだが、結論から言ってしまうとかなり難しいと思う。ちょっと検討してすぐに断念したという感じ。コルトスピードさんから6ポッドとかが出ているけど、これは庶民とは別の世界線の製品なのでここでは検討範囲外。

 一般車両の中古の対向ピストンキャリパーを(安く)入手して取り付けるという作戦なのだが、まず空間的に取り付けが難しいのだ。ディスクローター面とホイールの間の空間は片押し式の爪は収まるけど、対向ピストンキャリパーのピストン部はとても収まりそうもない。無理してホイールスペーサー(もしくはワイトレ)を付ければ取付けは可能かもしれないが、ホイールがフェンダーよりはみ出るだろう(ハミタイ)。まあそれでも一通り調べた。トヨタのアリストやアルテッツァなどが安く入手できる。またインプレッサフェアレディZなどのもそこそこの価格で入手可能だ。でもサイズ的にいずれもリア用の2ポッドになる。フロント用の4ポッドなど絶対的寸法がデカすぎる。

 さて冷静に仕様を詰めてみる。アイのフロントブレーキはディスク外径が215mm、ピストン径がΦ51.02mm。それに比べ調査した車のリア用キャリパーはピストン径がΦ40mm程とだいたいが小さい。一般的にはブレーキ制動力はピストン断面積とディスク径に比例する。ディスクは有効径で評価すべきだがここでは外径を使って簡単に計算比較してみる。ディスクローターは頑張れば外径270mmくらいのが収まると思うので、

 ノーマルブレーキ:改造ブレーキ  =  215*51.02^2:270*40^2  =  100: 77

とディスク径を270まで拡大しても制動力は77%程度まで低下する。しかしこれ以上ディスクローター径の拡大は難しいし、4potキャリパー化も難しい。無理やり納得するには、キャリパーの剛性アップで制動力が10%アップし、パッドもいいのを使えばさらに10%アップすると考えようか(無理のある納得論理)。まあ個人的には今の制動力で不満もないし、ちょっとくらい制動力が落ちてもいいかなとも思っている。最低限は車検で合格できる制動力が得られればいい。とにかく対向ピストンキャリパーを付けたいのである。

 とまあこんな感じで妄想をつらつらと巡らせていた。そしていろんな車種のキャリパーを調べた。できればアイのナックルにポン付けできるのがいいよね。キャリパー固定ボルトは12cmの間隔だからそれと同じサイズのはないかなと調べたりもしていた。残念ながらそのサイズのキャリパーは見つけられなかったが、ある車種のキャリパーが心を打った。セルシオのリア用のキャリパーである。これはモノブロックキャリパー。うぉ! モノブロック? しかも結構安い。 そしてキャリパー固定方法がラジアル方向の固定。つまりブラケットの設計自由度が高いということだ。それまでは妄想を巡らせるだけだったが、このキャリパーを手に取って見たくなった。モノブロックってどんな感じ? モノブロックのキャリパーを実物で見たことない。取り付けるか否かは置いておいて、とりあえずオブジェとしてゲットしようか? 

 そういう感じで数か月、某オクをウォッチした。ごく初期にセルシオのリアキャリパーが6,000円で出ていた。この時はまだ本気で購入する気がなかったので「ふ~ん、結構安く出ているね」とか思っていた。すると落札者なしで値引き再出品。「うわ、まだ安くなるんか?」とか思って見ていたら、再び落札者なし。そしてさらに値引きして出品。この時に「なんかこの出会いは一期一会ではないか? 今落札しなければ永遠にこういう機会は訪れないのかも」とよくわからない焦燥感に苛まれる。商品は結構きれいで、パッドも十分残っている。アイに取り付けるかどうかは置いておいて、この品はゲットしなければ!と思って入札。しかし今まで2回流れたオークションなのに、この時だけ対抗馬が出てきた。終了間際、死力を尽くした撃ち合いをはじめたのだが、どんどん値が上がって行き、6,000円を超えてまだ上がる。なぜ2回目の時(お流れになった時)入札しなかったんだと自身を責めたが後の祭り。「いや、どうせアイに取付はできないだろうから、使わない部品を入手する必要はない。限られたリソース(お小遣い)は有効に使わなければ。」と心に言い訳を並べてこの時は潔く撤退した。しかしその後、悔しさがじわじわ出てきて、「やっぱりモノブロックキャリパーをこの手で持ちたい。」ということでその後、入手する事を決めてウォッチを繰り返した。

 そして入手したのが下写真。今度はディスクローターまで込みで4,800円。また送料も営業店留めという制約はあったものの安かった。まあディスクローターはもちろんアイには使えないけど、まあいろいろ勉強するにはいいと思う。

 

 ナックルは別件で前に購入していた。これで実装可能かいろいろ検討する。

購入前、写真からおおよその大きさを紙に描いて検討していたのだが、実物はそれより一回り大きかった。

 

 写真でみるとよくわからないが、少なくともアイの片押し式のと比べるとぼってりと巨大だ。

 

 ナックルのディスク位置とキャリパーの位置を合わせてみる。キャリパーの外側のピストン部の出っ張りがホイールと思いっきり干渉する。

 

 ディスクローターからキャリパー先端までは約60mm。現在のアイはディスクローターとホイールまでは40mmほどなので、少なくとも20mmの出っ張りをワイトレなどで作らなければならない。

 

 ナックルとキャリパーの接続イメージ。

 

 キャリパーのボルト向きがラジアル方向なので、サポートの設計自由度は高そう。

 

 これはセルシオのディスクローター。厚さは16mm。

 

 キャリパー側の受け幅は20.6mm。

 

 取付ボルト間ピッチは90mm。

 

 一か所ゴムが充填しているところがある。これ何?

 

 精密ドライバなどでこのゴムをむしり取ると、中から六角棒レンチのプラグが出てきた。モノブロックキャリパーだからブレーキラインはこういうプラグで塞いだ箇所があるのだね。

 

 セルシオのリアブレーキとアイのフロントブレーキを大きさを合わせて並べる。うん、相当大きさ違う。

 

 セルシオのブレーキ廻りの情報。

 

 おっと、夕日がきれいだ。夏場は電柱群に太陽は沈むのだけど、無電柱化が進めばまた違った風景になるよね。まあこの辺の無電柱化は実現は難しそうだけど。

 

 セルシオのキャリパーをぐるぐる見回す。

 

 

 

 

 

 

 

 このキャリパーの取付けは力づくでやればできそうな気もしてきた。しかしキャリパーとアルミホイールの干渉を回避するためには20mmくらいのホイールスペーサー(ワイトレ)が必要だし、そうするとフェンダーからタイヤがはみ出る(ハミタイ)。車検を通すためにはオーバーフェンダーとか考えないといけない。車検対応のオーバーフェンダーとは力任せにフェンダーを加工して検査官にばれないように加工することである。そこまでするの? という疑問も出てくる。何よりちゃんと必要な制動力が出るのか不安であるし、20mm(もしかしたら25mm)のホイールスペーサーとかつけて安全上問題ないのかとかいろいろ考えないといけないことがある。

 今のFブレーキのパッドは1枚、残厚2mmほどのがあるので、近い将来パッドを替える必要がある。またディスクローターも研磨するとか、なにかしら手を入れなければならない。どうせ労力かけるなら一気に対向ピストン化という気持ちもあるのだが、ここまで大がかりな加工に手を染める覚悟があるのかは疑問である。来年の3月に車検があるので、まじめに考えるのはそれ以後ということかな。2mm厚のパッドもあと半年ならもつと思うしね。

 しかしながらこんな必要性の低い(ない)ことしている状況ではないんだけどね。ばきばきのヒビが入っているリヤタイヤの交換を早くしないと。というかそのためのタイヤチェンジャーを作らなければならないのだ。9月に入って暑さも少し和らいだようなので、そろそろがんばらねばと思ってます。安全が第一ですからね。

 

 ダウンサスにしたので、前後からの写真も撮影。

          ※ツノみたいなアンテナがいい。シャアザクみたいで。

 後ろからの写真はバンパー下部を黒に塗りつぶしてみた。バンパー下部は無い方がかっこいい気もするが、カットしてもでっかいマフラーが丸見えで逆にかっこ悪い。ここをデフューザーっぽく加工して、マフラーももっと目立たないものにしたらかっこいいかもと妄想している。しかしあくまで上品に優雅に仕上げないと妻からヤンキーみたいと罵りを受けることとなる。

 

 

おまけ:雨の日にベランダの前の電線(15mの距離)にハトがとまっていたのでズームで激写。雨にうたれて大変そうだったが、彼らにしてみればそれが日常なのだろう。

 

6-3.永遠のアイ:ダウンサス取付(後サス交換編)

■2022年8月

 暑い・・・。とにかく暑い。夏場は自動車いじりはかなりきびしい。まあでもリアサスの交換だけでもやってしまおうと暑い中がんばりました。

 

 リアをジャッキアップしスタンドにセット。

 

 リアサスのバネ交換はラテラルロッドを外し、ダンパー下部のボルトを外せば外れるはずと記憶している。エンジン交換時はたしかこうやって外した記憶がある。

 

 しかし結構手こずる。ダンパーを外しても、左側のドライブシャフトとスイングアームが干渉してバネが外れるほど十分な隙間があかないのだ。あれこれやってても暑くて頭がぼーっとしてきて最後は力ずく。ハブを足で押し下げて無理やり隙間を開け、バネをぐいぐい引っ張ればなんとか外れました。右側(運転席側)は結構あっさり外れた。

 

 フロントのサスはノーマルと比べ特段短いという感じではなかったが、リアは結構短く、ダウンサスということを実感する。

 

 サスを嵌めるのもちょっと手こずる。バネ上部のゴムシートはバネから外し車体側に嵌めておいたほうが取付けやすい。ハブ部を足で押し下げバネを握力で多少縮めてはめ込む。

 

 バネを嵌めたらバネの切り端の位置を調整してダンパーのボルトを締め直す。

 

 バンプラバーのカットは今回は見送り。乗ってみてバンプタッチが気になるようならカットするけど、たぶん普通に乗っている限りバンプタッチはしないと思う。

 

 ラテラルロッドのボルト取付時に位置が合わない。横からタイヤを押したりしたが一人だと難しい。どうしたらいいんかなと悩んだんだけど・・・

 

 タイヤレバーの先端を差し込んでてこの要領で調整できる。位置を調整して反対側からボルトを通せば簡単にボルトの差込ができました。

 

 ボルト山がかなり出っ張るので、ここにはアンチシーズを塗布しておいた。前回のエンジン載せ替え時もここにグリースを塗布しておいたのだが、その効果でネジ山はきれいだった。今回は新たに入手したアンチシーズを使う。

 

 クローフットレンチを使うとトルクレンチが使える。

 

 クローフットレンチを使うと1G状態での本締めが簡単にできるのがすばらしい。

 

 作業中タイヤのひび割れを見てはたと気が付いた。ダウンサスとかして遊んでいる暇があればタイヤを早く替えてくれ。もうほんと限界だよね。

 

 ダウンサスを取り付け少し走ってからダウン具合を計測。車軸からフェンダーアーチまでを測っているが、前が12~13mm、後ろが20~25mmのダウンだった。左下がりの駐車場で計測したので、水平な場所で測れば数値はちょっと変わると思う。

 

 気になっていたバネの色が目立つか確認すると前後とも意識してみなければほとんど気が付かないレベル。妻に「ヤンキーみたい!」と怒られることはなさそう。

 

 ノーマル時との比較写真。ダウン量は少ないけどまあジャストフィットかなという感じ。せっかく暑い中がんばって作業したので、もう少し下がってほしかったという気持ちもあるけど、少なくとも後ろから見て腰高感とかは感じなくなった。

 

もう少し比較しやすくするため、車軸位置を合わせてダウンサス前後で比較する動画を作成してみた。

 

 この動画でみると結構ダウンしている気もするが、日光のあたり加減で車体が上下している風に見えるだけかもしれない。買い物に行った時に広い駐車場で記念撮影。ダウンサスでぐっと引き締まったスタイルになったと思う。うん、満足。

 

 ダウンサス化による乗り心地の変化だけど、正直よくわからない。もともと段差でバタバタする足だったが、それが大きくなったような気もするが、逆にサスが良く動いている気もする。各部のグリスアップの効果もあるのかもしれないが、少なくとも乗り心地が悪くなったという感じはない。コーナーリングではより重心が下がった動きをするようになった気もするが、それは気持ちの問題という気もする。

 

※後日追記:最低地上高はフロントのジャッキポイントで14cm、リヤのサスアーム支点で13cm。車検は9cmなのでまだまだ余裕です。

 

 ベランダで後片付けをしていたらLNGタンカーが通っていた。なかなかの迫力だ。

 

 この風景もそのうちに建物が建って見れなくなるだろう。 おねがい、ずっと空地のままでいてください(無理筋願い)。

 

6-3.永遠のアイ:ダウンサス取付(右F取付け編)

■2022年7月

 左Fサスを組み付けたら続けて右Fサスだ。お隣の車に迷惑かけないように駐車の向きを180°反転して作業にかかる。タイヤを外してロワーアームのボルトを緩めようししたのだが緩まない。前後とも380mmのスピナーハンドルがしなって折れそうなほど力をかけても緩まない。延長管を付けてもゆるまない。ええっ~~~ ! どーしよ? (*´Д`) 

とりあえずネジ山にCRCを噴いてロワーアームは放置し、ナックル部から分離した。

※半日後に再チャレンジしてなんとかゆるんだ。CRC浸透が効いたのか無理くり力ずく作戦で緩めた。こういう時こそインパクトレンチ使いたかったが、電源ないし近所迷惑だし。

 

 ストラットとナックルのセットを自宅に持ち帰りバネ交換。

 

 こっちのシャフト先端の抜け止めナットは白っぽく腐食しており簡単に緩みそうもない。ここもインパクトレンチで緩めるのだが、シャフトの供回りを防ぐため木材でシャフトを固定する。このナットは下手にインパクトレンチ使うとダンパー内のネジを緩めてしまう可能性があるらしく慎重に作業する。※整備解説書ではインパクト使用はダメよと書いているけど、他に方法がないからやむなし。

 

 ナットの緩みを確認したらそのままバネの圧縮のための治具を適当に組む。今後何度も同じ作業をするのならもっとちゃんとしたスプリングコンプレッサーを作るのだが、もうサス交換しないと思うので適当。

 

 バネを圧縮したら抜け止めナットを外すのだが、ネジ山が腐食でやられておりなかなか外れない。インパクトレンチで緩めたり締めたりを繰り返してなんとか外せた。

 

 ストラットはサビを落とし#400ペーパーで軽く研磨して黒スプレー。

 

 ネジ山の腐食部はカッターでちまちま削り落としきれいにする。

 

 先端の六角穴(6mm)はほとんど役に立っていない気がする。

 

 そして組み直し。

 

 組付けが終わってシャフト固定している木材外そうとしたら、バネが圧縮しているので抜けなくなった。結局ノミで木材を削って外した。

 

 左サスの組み立て時はすごくあわただしかったのでゆっくり眺めている暇がなかったので、組みあがった右ストラットをゆっくり観察。

 

 さあ組付けだ。まずはディスクローターに赤サビ転換防錆剤を塗布する。2~3か月毎に塗布すればけっこういい状態を維持できそうだ。アルミホイールをつけた時はほんとサビサビだったが、アルミホイール化でローターが丸見えになってからは頑張って手入れしている。

 

 キャリパーサポートは今まで手感覚で締めてたけど、ハンドルを切ればトルクレンチが使えることに気が付いた。

 

 ヘッドライト下の汚れなんかも雑巾で拭き取る。

 

 サス組付けついでにブレーキパッドグリスを塗布。初めて使うのでいまいち量がわからない。少なめに薄く塗って使うと意識していたが、そのちょっとが良くわからない。

 

 薄く塗り広げたら結構べったりしてしまった。多すぎた感じだな。

 

 ピストン接触側はピストンの形状に丸く塗る。

 

 そしてキャリパー固定。ハンドル切ればボルト締めもやりやすいね。

 

 最後スタンドにハブ部を載せて1G締め。

 

 これで前のダウンサス化完了。しかし組み上げて見た感想は、「ほんとにダウンしている?」というもの。真横から撮影してノーマル時と比較する。うん、まあたしかに(ちょっと)ダウンしているな。

 

 前タイヤ部だけ拡大比較。フェンダーの円弧の中心とタイヤ中心が一致した感じ。

 

 リアタイヤは簡単なので一気に作業しようかと思ったが、なんか結構疲れた。とにかく暑いので車いじってても楽しくないということが判明。リアはその内、気分が高まったら交換しよう。

 

6-3.永遠のアイ:ボールジョイント&タイロッドエンドのグリスアップとブーツ交換

■2022年7月

 サス交換のついでにボールジョイントとタイロッドエンドのグリスアップとブーツ交換を実施。車検前のスタビリンクブーツ交換時にこれらのブーツ類を購入していたが、いままで作業できずにいたので、今回のサス交換はいいタイミングでした。まずはボールジョイントのブーツを外す。マイナスドライバーを差し込んでぐりぐりするとブーツが外れる。

 

 ボールジョイント部にはまだ結構グリスが残っている。

 

 ブーツもまだまだ使えそう。

 

 古いグリスを拭き取ってまじまじと観察。ボールジョイント部はガタもなくしっかりしている。

 

 ドライブシャフト用のグリスでグリスアップ。ボールジョイントをぐりぐり動かしながらグリスを塗りこんでいく。

 

 そして新品のブーツを取り付ける。打ち込みには塩ビ管を使用(内径を40.6mmに切削したやつ)。

 

 次はタイロッドエンド。

 

 このブーツには金属製の枠が嵌っている。隙間にマイナスドライバーを叩き込んでこじると外れる。

 

 こっちのグリースは真っ黒タイプでまだまだしっとりしている。リチウムグリースかな。私がメンテする前の車検でグリスアップとかしているのかもと整備手帳を見直すと、2019年3月の車検時にボールジョイント部、タイロッドエンド部、スタビリンクのグリスアップとブーツ交換していた。今回はメンテする必要はなかったかもしれないが、自分で実施しておくと色々把握できるしサス交換のついででもあったし実施して良かったと思う。

 

 グリスはボールジョイントと同じで、ドライブシャフト用に購入したのを使用。しかしドライブシャフトのグリスアップはいつになるのやら。

 

 グリスを拭き取って様子を確認。なるほどタイロッドエンドはハンドルのステア方向の動きのためにジョイント部の動きは1次元的な感じなのね。

 

 軸をぐりぐり動かしながらグリスを塗りこんでいく。

 

 そして塩ビ管で打ち込む。この塩ビ管はもともとエンジンオイルのジョッキ口として製作したのだが、寸法的にこれらのブーツの打ち込みにピッタリだったので流用している。

 

 ブーツの打ち込み終了。こういう打撃作業は駐車場ではやりにくい(近所迷惑)ので、自宅に持って帰っての作業が正解でした。

 

 とにかく暑いのでなかなか自動車をいじる気力が出ない。でも右側のダウンサスも組付けないといけないのでもう少しがんばろう。

 

6-3.永遠のアイ:ダウンサス取付(左F取付け編)

■2022年7月

 フロントのサスを組み付ける。まずは工具一式を机の上にならべ湯舟で何日も手順をシミュレーションする。隣には高級車が駐車しているので、反対側を片輪づつの作業となる。

 

 まずはヘッドライトを外してアッパーマウントへのアクセス空間を確保。

 

 ABSユニットがここにあるのだが、固定金具がサビサビ。以前に赤サビ転換防錆剤を塗布したのだが、ヘッドライトを付けたままだと隅っこに筆が届かなかった。ヘッドライトを外すとアクセスできるのね。でも今回はそこまで余裕はないので、次回ヘッドライトを外した時に赤サビ転換防錆剤を塗布しよう。

 

 タイロッドエンドを取り外すのだが、アライメント調整とかめんどくさいので、タイロッド、固定ナット、タイロッドエンドにマジックでマーキングしておく。

 

 そしてクローフットレンチの出番。前回苦労して緩めていたからか、クローフットレンチの威力かは判断できないがあっさりと緩む。

 

 そしてタイロッドエンドプーラーで外す。かなづちで叩いて外している方も多いが、すぐ隣にマンションがあるので近所迷惑な音は出せないのでプーラーに頼る。

 

 ロックナットは回さないようにマスキングテープで固定して、タイロッドエンドをくるくる回して外す。

 

 ナックルについているABSセンサーも外す。

 

 ナックルのサビが付着しているのできれいに拭きとり、ウエスで包んで保護しておく。

 

 キャリパーとホースの固定金具を外して、紐でぶら下げておく。

 

 スタビリンクの上側を外す。

 

 あとはアッパーマウントの固定ナットとロワーアームのボルト2本外せばストラットとナックル、ロワーアームが一体で外せる。

 

 タイヤハウジングに何もなくなりすごくすっきり。

 

 ハウジング内のシャシ部にシャーシブラックを塗布したいけど余力なし。

 

 以前フロントフードを再塗装した時にお隣さんから「盗難にあったのかとびっくりした」と言われたので、不要な心配をかけないように外したヘッドライト部にカバーして、”修理中です。ご迷惑おかけします” と書いておいた。 海賊船長みたいで逆にあやしいという意見もある。

 

 フロントまわりの部品を家に持ち帰って分解していく。ボールジョイントのナットを緩めるのだが、部品になると固定できず緩めるのが難しい。バイスにメガネ固定して延長管つけても緩まない。ここは最終兵器の出番しかない。

 

 初登場のインパクトレンチで一発。我が家の最強兵器です。

 

 購入してから使ったことなかったのだけど今回初実戦。イザという時に必要だろうと長い間ウォッチして落札したのだが、今回これが無かったら苦しかったと思う。

 

 ボールジョイント部はタガネを軽く打ち込めばスルりと外れる。

 

 もっとも難易度が高いと思われるシャフト先端のナットを緩める。

 

 6mmの六角棒レンチをバイスで固定し、17mmの貫通型ソケットで緩めるのだが・・・。六角棒レンチが折れそうで緩められない。いや、そう簡単に六角棒レンチは折れないだろう、と思うのだが怖くてこれ以上力をかけられない。

 

 結局インパクトレンチで緩めた。インパクトレンチはダンパー内部のナットも緩めてしまう可能性があるので、基本は使わないようにとの指示がある。しかし他に手がないのでダダダダダッっと緩めた。ここで油断して緩め切ってしまうとバネがバョーンと飛び出て大惨事となるので最大限の注意を払って緩めるだけにする。ナットが緩んだのを確認してからバネを圧縮していく。しかし即席のスプリングコンプレッサーはちょっと変な方向に力が加わるとパッキーンと割れた。うん、想定はしていた。木目の向き間違えたよね。

 

 とりあえず紐で縛っていろいろ誤魔化しながらバネを圧縮してナットを外した。

 

 ストラット上部の部品を順に並べて記録撮影。

 

 バネの長さはノーマルとコルトスピードではほとんど変わらない。バネの太さも両方Φ9mm。これでダウンサスになるんかなと疑問。

 

 ロワーアームは#400の耐水ペーパーで軽く研磨して黒スプレーしておく。

 

 さあバネの組み込みだ。コンプレッサーの爪部を木目の向きを変えて作り直し、土台側は井桁で組み直す。これで強度的には十分そうだけど、それでもバネを圧縮していくと冷や汗がでる。安全のためゴーグルは必須で、もしバネが飛び出ても被害がでないような向きで作業を進める。

 

 なんとか抜け止めナットを締め付けた。

 

 抜け止めナットの締付は44±5Nmなのだが、そのトルクで締めようとしても、六角棒レンチがしなって折れそうで怖い。トルクレンチが動作するまで締付できなかった。車載後に車上で増し締めして誤魔化そう。

 ※後日談:締付不足より過多のほうが精神衛生上よろしいのでインパクトレンチで軽く締めたほうが良さそう。その場合、シャフト部を固定する方法を考える。

 

 それでは車に取り付けだ。組付けはOH作業の中で一番楽だよね。組み立てるだけだから。ロワーアームの前側固定ボルトは1G状態で締めるのでここでは仮止め。後は関係ないのでこの状態で本締め。

 

 タイロッドエンドもマーキングに従って元と同じ状態で締める。

 

 そしてハブをスタンドで支えて1G状態とし、前側のロワーアームボルトを本締め。

 

 これで片輪作業終了。

 

6-3.永遠のアイ:ダウンサス取付(準備編)

■2022年7月

 ここ最近の自動車いじりは不具合対策がほとんどだ。しかも妻からのクレーム対応という側面もあり、高いモチベーションで臨みにくいものが多かった。ここらで「必要にかられて」ではなく、「やりたいから」との理由で自動車をいじりたい。でなければ自動車いじりが楽しくなくなってしまいそうで怖い。よし!ダウンサスの取付けだ。去年の12月に購入したのに今まで取り付ける余力がなく部屋の隅で眠っていた。だって交換する強制力がまったくなかったからね。妻から「はやくシャコタンにしてほしい」とか言われたらすぐに作業しただろうけど、そんなこと言うはずもない。いや最悪「私のアイちゃんがヤンキーみたいになった」と怒られそうな案件である。うん、妻にはダウンサスのことは一切話さないでおこう。たぶんつけても気が付かないだろうし。

 そうと決まったら準備である。まずは工具を揃える所からになる。前からほしかったクローフットレンチセットを購入した。タイロッドエンドを緩める時にこれがあると助かる。手持ちの工具で工夫すれば緩められるけど、家から遠い月極め駐車場であれこれやっている余裕はあまりないのだ。また22mmのもあるので、O2センサにも使える。これがあるとトルクレンチが使える範囲もぐっと広がるしね。

 

 他の製品では12mmがなく11mmがある製品もある。アイをいじっていると12mmを使うことは多いが11mmはほとんど使ったことがないので、12mmがある方を選んだ。

 

 堅牢な感じがいいですな。

 

 トルクレンチにはこんな感じで取り付ける。取り付ける角度により印加するトルクが変わるので、できるだけ90°の角度で取り付けて使うのが簡単。まっすぐに取り付けると実際の締付トルクが大きくなるけど90°だとトルクレンチの設定と実際の締付トルクが同一になる。

 

 新たな工具を入手したら収納場所を考えなければならない。取付棒はおしゃれなんだけど、不要な場所をとるので普段は使わない。とにかく収納容積を小さくする方法を考える。

 

 こんな方法もありだな。いやこう組み合わせればもっと容積減るかな、とかいろいろ考えてたらめんどくさくなってきたので、とりあえず取付け棒にセットして暫定収納している。

 

 ベアリング用のグリスも購入。ボールベアリングには何がいいのかよくわからなかったのだが、ボールベアリングの絵も描いているし、耐熱温度は -20~160℃と広いのでこれを選んだ。

 

 次に旋盤による17mmロングソケットの加工。フロントサスの上部は抜け止めのため17mmのナットで締められている。そしてサスのシャフトの供回りをロックするため、シャフトには6mmの六角穴があけられている。そのため貫通型でメガネレンチなどで回せる17㎜ナットのロングソケットが必要になる。手持ちの17mmロングソケットは9.5sqのタイプなので、終端部を17mmの六角形に加工して使う作戦。

 

 旋盤に垂直架台を付けて六角形に切削していく。六角形の加工はプーラーの加工で経験がある。

 

 加工完了。

 

 17mmのメガネがぴったり。すばらしい!

 

 防錆のため黒スプレーを塗布しておく。

 

 駐車場に行ってちゃんとはまるか確認。うん、問題ありません。

 

 ついでにバネを圧縮する治具についても検討。バネを圧縮する工具も売っているが、たぶん人生で一度しか使わないものを購入するのもねぇ。

 

 ダウンサスを机の上に置く時が来た。えっ、置いてどうするって ?  置いておくのです。そしてお風呂に入る前に眺めておくと湯舟の中で作業上の問題点や対策が自然と考えられるという訳です。

 

 バネを圧縮する工具を製作する。M10の全ネジボルトを買ってきて、バネを掴む爪を木片でつくる。木だとバネの塗装を傷めにくいという気づかいでもある。

 

 こんな感じで圧縮できるかな?

 

 とりあえずこれで必要工具が揃った。

 

 ノーマルの車高を確認しておく。フェンダーの上弦から車軸までの距離を測るのだが、駐車場が左下がりなのでちょっと傾いた状態での計測となる。

 

※以降雑談です。

 

 アイの走行距離がそろそろ77,777kmだ。その瞬間を撮ろうと思っていたが残念ながら妻が乗っている時に節目を迎えてしまったようだ。残念!

 

 近所のスーパーでカプチーノを発見。アイをいじるようになってから他の車にも興味が出てきた。スーパーカー世代の私はフロントエンジン車にはほぼ興味はなかったのだが、むちゃくちゃかっこいいS30を見てからロングノーズショートデッキのFR車への関心が高くなった。BMWのZ4やZ3なんかが手が届く価格なのでアイの身に何かあったら上位候補だと思っている。それ以上の候補がカプチーノフロントミッドシップの”ただ走ること”しか考えていない、居住空間のことなんてほぼ考えていない割り切った設計にものすごく心惹かれる。

 

 カプチーノは昔も見たことあるけど、好きになってから実車カプチーノを見たのは初めてだ。話には聞いていたが、確かにその小ささにあきれてしまう。まあ左右の車が大きなワンボックスなので小ささが際立っているというのもあるだろうけどね。

 

 でも今はカプチーノはタマ数は少ないし値段も相当上がってて、BMW Z3とかのほうが確実に安いもんだからアイに何かあってもカプチーノオーナーは無理だろうなと思っている。