6-2.アイのターボ化_08(吸排気バルブの取り外しとエキマニの加工)
■2019年9月
エンジン最後の大物、シリンダーヘッドのOHに入る。まずは吸排気バルブを外すところから。昔250ccのバイクをばらしてた時は、腕力だけで外していたが、今回はちゃんと外そう。といってもバルブスプリングコンプレッサーを買うというわけではなく、DIYである。適当なサイズの水道管を買ってきて、ボール盤で楕円にくり抜く。
そして端面を旋盤で平面に加工。バルブを押す部分の完成。
アーム部は2x4の端材で作る。
M12ボルトの頭をちょっと加工して完成。
不格好に大きいけど、ちゃんと機能する。
ボルトを締めこんでいくとバルブコッターが外れました。ただバルブリテーナーとの合わせ面がずれやすいのが失敗点。バルブリテーナーにかっちりはまる形にすれば良かった。またバルブヘッド側も位置ずれしやすい。バルブ押し部は直径25mmほどの円柱の木材を接着しているのだが、バルブヘッドはくぼんでいるので、押し部の先端を凸形状にすれば位置ずれしにくかっただろう。次の機会があれば(たぶん無いけど)改良しよう。
取り外した吸気バルブ。シリンダーヘッドとバルブスプリングの間にはバルブスプリングシートという薄い台座があるのだけど、それはバルブステムシールを外さないと取れないので写真には写っていない。
バルブスプリングの向きは上下があると思っていたが、上下さかさにしたものを見比べても特に違いは見られない。不等ピッチでリテーナー側のピッチが広くなっていると思っていたが、アイはそうでもないみたい。整備解説書にも特に記述は無かったし。たぶん高回転型エンジンではないからだろう。もしくは”軽”だから。
バルブの場所を間違えないように収納ボックスを製作。
抜いたバルブを観察する。まずは吸気バルブ。結構カーボンがついているが、バルブフェースは結構綺麗。段付き摩耗もほとんど感じないし、虫食いも少ない。
こちらは排気バルブ。バルブヘッドに謎の数字(もちろん意味があるのだろうけど)。
カーボンは吸気バルブよりもカチカチ。
吸排気ポートの状態。吸気ポートは小さいスクレーパーで軽くカーボンを落としている。
排気ポートの出口側。
リューター+金属ブラシでポート内のカーボンをきれいに落とした。ポート研磨とかやりたいけど、そこまでするつもりはなかった。でもポート内に鋳造の跡があまりにも美しくないのでこのへんだけ削ろうかな。
組み立ての一環で排気周りのパーツに耐熱塗装する。
シリンダーに塗ったのと同じやつを筆でぺたぺた塗って、オーブンで焼き付け処理。
ポート研磨を軽く始めた。まずは接続部の段差をなくす加工からと思い、エキマニとシリンダーヘッドの合わせ面を確認したのだけど、穴のサイズ自体かなり違う。これは段差をなくす処理はちょっと無理そうだ。
穴の位置ずれがないか確認してみよう。シリンダーヘッドの形状を紙に転写して切り出し、エキマニ接合部と合わせてみる。こうしてみると位置ずれはないね。
エキマニの方が穴径が2~3mm小さい。
エキマニは溶接して組み立てているので、内側はあまり削れないのでエッジ部を削って丸味をつける程度とした。
次は抜いたバルブのカーボン落としと表面研磨をしよう。