O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_15(バルブフェース面の偏芯計測)

6-2.アイのターボ化_15(バルブフェース面の偏芯計測)

■2020年3月

 バルブフェースの研磨は終了したが、はたしてちゃんと研磨できているのか甚だ疑問である。見た目はため息がでるほど美しくできたが、フェース面が偏芯していて圧縮漏れでもしているのではないかと心配でたまらない。ではどうするか?やっぱり(ある程度)ちゃんと計測しなくちゃね。ということで、いろいろ準備をしました。

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まずはM字ブロックもどきを大きいナットで作り、バルブの芯押しセンターも用意。

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M字ブロックもどきは手作業での製作なので精度は適当だが、まあなんとかなるかな。

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写真のように芯押しセンターにバルブ中心を押し付け、右方向への動きを制限しつつ、バルブをまわす。まずは軸部の偏芯から計測。

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動画でも撮っておいたが、まあここは振れないよね。数ミクロン程度の振れ。

そしてバルブフェイス面の偏芯計測。この時バルブ傘の中心を芯押しセンターとちゃんと合わさないといけない。センターがずれているとバルブ回転させると、傘部のうねりに合わせてバルブが左右に動くのでフェース面が偏芯しているように見える。何度かトライしてバルブ偏芯が最小になる時にセンターが合っていると判断した。

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角度を替えて撮影。

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計測の様子の動画。これはフェース面偏芯の最も小さいバルブ。偏芯は数ミクロン。

何度も計測を繰り返したのだが、再現性はまあまあだった。数本は30ミクロン以上の偏芯があったので再研磨した。計測時に偏芯のプラス側とマイナス側の角度にマーキングして、旋盤に咥える。そして軸をあわせてからフェース面の偏芯を計測し、計測時と同じ偏芯をすれば、ちゃんと芯が出ているということになる。でもそうならない場合がほとんどで、何度もチャックで掴み直して計測時と同じ偏芯になるところを見つけて再び研磨した。

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下の表が偏芯計測結果。1回目の研磨後の計測では5、7、8、10、12番のバルブの偏芯が大きいので不合格。8番の1回目と2回目の偏芯は45ミクロンと大きいのだが、3回目、4回目と計測したら19ミクロン程度になった。これは芯押しセンターが中心からずれていての計測ミスと思う。3回目、4回目が本来の偏芯と考える。

 それでは再研磨だ。初めに7番のバルブの再研磨したんだけど、計測結果はほとんど変わっていない。泣きそう。次に8番のバルブを再研磨したら結構いい感じで芯が出ている。10番を再研磨したら劇的に芯が出た。12番もまずまずの結果。調子に乗って7番を3度目の研磨実施。でも結果はほとんど変わらず。なんかもう心が折れた。最後に吸気バルブである5番も2回目の研磨したんだけど、結果は悪くなった。折れた心はここでご臨終。これくらいの偏芯はバルブステムのガタで吸収してくれると信じてフェース研磨は終了にした。

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バルブのすり合わせ後の圧縮漏れテストで不具合が出たらもう一度研磨するということで、今回の研磨作業はおしまい。