6-2.アイのターボ化_17(バルブシートカット)
■2020年3月
啓翁桜の満開宣言がでました。今年は開花から満開まであっというまだった気がする。開花から満開まで8日。まあ去年も9日だったので同じような感じなのだけどね。
吸排気バルブを抜いてバルブシートを見たとき、ちょっとあたり面の幅が広いとは思ったが全体的にはきれいだったので、シートカットは不要かなと思った。しかしシートカットは学生時代のリベンジ(積み残し)なのでやらないわけにはいかない。まずはバルブシートカッターの入手からだ。バルブシートのあたり面の幅は2mm程。規定値は1.1~1.5mmなので、内側をちょっとカットすればいいだけのような気がする。あたり面はすり合わせでちょっと修正すれば良さそうな感じなので、節約のため内側部のカッターだけ買おうかなとか貧乏性な考えが一時支配的だった。でも大陸性のものはセットで購入しても十分安い。精度などはあまり期待できそうにないが、セットを持っている方が気分が上がるし~ということで下記の品を購入。これで諭吉さんに届かないほどの金額。学生時代にもこの金額で入手できるのであれば買っていたよね。
中身はこんな感じ。
シャフト部がサビサビだったり、カッターサイズがちょっと違ったりとか問題はあるが、この金額ならすべてがOKだ。
これを購入したのは半年ほど前。とりあえずシャフト部のサビを落としてグリースを塗って保存していた。
カッターはシートリング内側カット用の30°超硬刃、あたり面カット用の45°超硬刃とダイヤモンド刃、そしてシートリング外側カット用の58°超硬刃がある。
いよいよシートリングカットである。まずは内側のカットから始める。
シャフトに刃を取り付けるのだが、刃抜き用のボルトが全然締めつけらない。ネジのクリアランスが少なすぎる感じなので、コンパウンドを塗ってぐりぐり回してなじませた。また刃により、ワッシャの枚数を調整しないと刃が抜けなくなる。
おまけにテーパー部のかみ合わせが甘く刃が空回りする。テーパー部をできるだけ滑らかに研磨してなんとか使えるレベルになった。
イザ! シートカット。
私にとっては歴史的作業なので、何度も録画記録した。
シャリシャリと簡単に削れていく。シートリングって想像以上に柔らかい素材なんだな。くるくるとカールした切削屑だ。内側のカットが終了した様子。
カット前/後の比較。うむ、こうやってみると当たり面(45°)も結構虫食いが出ているな。
続けて45°のあたり面だ。軽く研磨すればいい程度なので、ダイヤモンド刃を使おうと思ったのだけど、よくよく見ると目が結構粗い。試しにちょっと削ってみると、ジャリジャリという手応えで、周方向の傷がどんどんできていく感じ。
超硬刃のほうが気持ちよく削れそうなので、ダイヤモンド刃ではなく、超硬刃で削った。まずはかる~く切削し、あたり面の虫食いの様子を確認する。
虫食いの様子がよくわかる。虫食いがなくなるまでカットし、バルブフェースの接触面の位置を光明丹で確認する。バルブを青棒でぴかぴかにしているため、光明丹がはじかれて接触面が正確にわからないが、あたり位置はまあいいんじゃないかな。
排気バルブのシート外側と吸気バルブの45°、58°はカッターの径が大きすぎるので、カーター外周をリューターで削る。
リューターでの外周研磨時に、排気バルブの58°カッターの刃が1枚、ボロッとモゲた。うわ~~~。まあ刃が5枚あるのでなんとかなるかな。
道具がそろった所でシートカットを続ける。45°、58°はほんとにかる~く削るだけですぐに完了する。
58°のカット面がちょっと見にくいので、青マジックを塗ってからカットすると見やすくなる。なんとなくコツはつかめた。まずは45°の面を虫食いが無くなるまでカットし、それからシートリングを青マジックで塗り、30°、58°をカットすると、あたり面の様子が見やすくカットしやすいようだ。
コツを掴んでしまえばバルブシートカットはものすごく短時間で完了する。今回はドキドキハラハラしてカットしたのだが、すべて終了するのに1時間くらい。次回からは20分もあれば作業は完了しそう。
後はバルブすり合わせをすれば、シリンダーヘッドの組み立てだ。あっ、そのためにはバルブステムシールを外さなくちゃ。それと新品のステムシールも入手急がないとね。