6-2.アイのターボ化_24(圧縮比の計測)
■2020年5月
シリンダーヘッドも組み上がったので、圧縮比を計測してみる。まずはシリンダーヘッドの燃焼室容量の計測から。薄いアクリル板を燃焼室より少し大きい円形に切り取り、端に10mmほどの穴をあける。これを燃焼室に蓋しておもしを置いて密閉する。ヘッドは少し傾けて置き、オイルを注入した時に穴からエアが抜けるようにしておく。そしてシリンダーでオイルを注入し、注入したオイル量を計測するというもの。
この時はタペットも組み込んでいたので必然的にカムも取り付けている。カムなしでヘッドを逆さまにするとタペットが落ちちゃうもんね。タペットを外しておけばいいんだけどタペット調整した後なので場所がわからなくなるのが怖くて、タペットはつけたまま計測した。ここで注意する点としては、カムを取り付けると3気筒全てのバルブが閉じた状態にはならないことだ。アイの場合は1気筒のカム山をタペットから反対方向にすると、残りの2気筒はわずかながらバルブを押した状態になる。燃焼室容量を計測する時は、計測気筒のカム山をタペットから反対方向に回わしてやる必要がある。
念のため3回計測したが、2番燃焼室は3回とも差があるねぇ。計測がヘタなのだろうけど。計測後半は要領を得てうまくなっているとして、適当荷重平均して、21.4cc、21.4cc、21.6ccとした。3番だけ0.2cc大きいけど、この段階でまたバルブばらしてとか燃焼室の研磨とか考えられないので、このままいく。
※実はこの計測時にカム山を回転させていたか記憶があやふや。もしも3番のカム山がタペットと反対方向のまま1~3番を計測していたとすれば燃焼室容量の差の説明がつく。1番と2番はわずかにバルブが出ている状態なので、その分燃焼室容量が小さくなったと考えると。バルブ隙間については粘性の高い油なのでほとんど漏れないから。
次はピストントップの容量計測。上死点ではピストン上端はヘッド面より上にくるので、上死点から5mm下の位置で計測する。
この時もシリンダーは少し傾けて、オイル注入時にエアーが抜けるようにしておく。
ピストン側の容量は3回とも、3気筒とも完全に一致。ガスケットの厚さは0.5mm、内径は66.5mmなので、ここから圧縮比を計算する。1気筒は220ccで計算。
このエンジンの本来の圧縮比は8.8なんだけど、計測結果は思ったよりも低い。バルブ表面やピストントップの文字を削ったり、表面を磨いたりしているので圧縮比が下がるのはその通りだけど、せいぜい8.5くらいかと思ってた。そもそもこの計測方法で合っているのか?100均のシリンダーの精度もちゃんと計測してないしね。3番の気筒だけ数値が異なるけど、これは見なかったことにしよう。これから修正するなんて考えただけでも気が滅入る。
※後日追記:圧縮比の計算って間違えてるかな? ピストン径が65.4mm、ストロークが65.4mmなので、ストローク容積は219.7cc。燃焼室容積が26.34ccなら
圧縮比=(219.7+26.34)/26.34=9.34になる。同様に2番:9.34 3番:9.28 だよね。こっちが本来の計算方法と思うので、つまり圧縮比が上がってる。ほんまかな~。上がる要因なんてないはずだけど。まあ今回は深く追求するのはやめとく。
ちなみにNAエンジンは圧縮比が10.8。もしも今動いているNAエンジンをターボエンジンとして復活させる場合、圧縮比を8.8に下げるために燃焼室容量を6ccほど広げてやればいい。例えばピストン表面を薄く一様に削るとすれば、削る厚さは1.78mmになる。思ったよりも削る必要があるなぁ。まあ燃焼室側とピストントップを両方削れば、許容強度を保ちながら圧縮比8.8化はできそうだよね。無理せず圧縮比9.0くらいでも大丈夫だよね。変に削って燃焼室の形状が変わって性能ダウンとかもありそう。まあNAエンジンのターボ化復活なんてやるとも思えんけどね。