O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_26(チェーンカバー、カムカバー、オイルパン組付け)

6-2.アイのターボ化_26(チェーンカバー、カムカバー、オイルパン組付け)

■2020年5月

 カバー類の組付け。カムカバーやオイルパンなどの組付ければエンジンとしてほぼ形になる。まずはウォーターポンプ。シール部を観察するが特別水漏れはなさそうなので、このまま再使用。ウォーターポンプは交換すると1.5万ほどする。ベアリングやシール類の交換だけできれば安上がりなのだが、そういうリペアは三菱さんは想定していないようで、ベアリング類の単品販売はしていないみたい。ベアリング類だけの交換だときっと2~3千円で済むよね。ベアリングだけなら汎用品を探せそうだけど、シール部の部品を探すのは難しそう。

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まずはオイルシール(ウォーターシールか)のパッキンがはまる溝のクリーニング。

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そして耐熱黒スプレー。シール部への影響がわからないので、焼付処理はなし。数年先に、焼付処理の有無や塗料の種類でどう違ってくるか比較しよう。

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ウォーターポンプの取付ボルトも頭を平らに削る。

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M6ボルトの頭の高さがかなり低くなるけど、注意して締めれば問題はないでしょう。

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クランク軸のシールをカムチェーンケースに取り付ける。整備解説書によると、このオイルシールは組み立てた後に特殊工具を使って打ち込むのだけど、そんなモノは持っていないので、先に取り付ける。でもこれが原因で後にトラブルが発生するんだけどね。

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クーラント通路のOリングも取り付ける。使用前後でOリングの様子を比較すると、弾性はかなりなくなっているが、カチカチという感じではない。またOリングは取付時に裏返したら落ちちゃうんじゃないかと思っていたが、3か所ある出っ張りが溝に挟まって落ちない構造になっている。色々考えられているなぁと感心。

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そして今回初登場の液体ガスケット。このままでは使いにくいのでシリコンシーラントの先端部をカットして取り付ける。

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軽くねじ込めばしっかり固定される。あったまいいねー。

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 この液体ガスケットは初めて使うので、いまいち要領を得ない。塗布後3分してから取り付けるようにとの指示がある。少し時間が経過すればゴム状に粘度が上がるので、それから組み上げるほうがいいということだね。でも三菱の整備解説書にはスリーボンド1217G相当品との指示があり、塗布後3分以内に組み上げるようにと書いている。う~ん、どうしたらいいんだろう。とりあえずどちらの要件も満たすように塗布後3分で組み上げることにする。どれくらい塗布すればいいのかもよくわからないんだけど、Oリング部にはみ出さないように書いているので、それくらいを目安に塗布。まずはカムチェーンケースから。

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中央のクーラント流路。こんなふうに液体パッキンを塗布するようにとの指示。Oリングの横の穴2つ(ボルト固定部)の塗布はこれでいいんかなと心配になる。

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こっちのOリングは丁寧に溝が刻まれていて、液体パッキンがOリングと接触しないように考えられている。

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塗布後3分経過したので、チェーンケースを組み上げようと思ったけど、クランク軸がオイルシールにうまく挿入しない。あまり時間が経過するとパッキンが固まってしまうとあせって手で叩いたら、変な手応え。見てみるとオイルシールのバネが外れてる。泣きそう。

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慌ててケースを外し、竹串3本を使ってバネをもとの場所に戻すのだけど、時間はどんどん過ぎていく。たぶん10~15分くらいは経過した。もう一回液体パッキンを塗布しなおしたほうがいいのかな、とも思ったがめんどくさくなって組付けた。クランク軸をオイルシールに挿入する時は、指で丁寧にオイルシールとクランク軸のアタリ誘導してやれば大丈夫だ。そしてボルトを締めていくと液体パッキンが隙間からはみ出てくる。なんとなく大丈夫そうだけど、この液体パッキンの処理は失敗だったかもしれない。エンジンが動き始めれば、ここのオイル漏れには注意しておこう。

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次はカムカバーである。スパークプラグホールシールを取り付ける。このエンジンはスパークプラグ部にオイルがたまっており、ここのシールが機能していなかった。新旧で比較すると、ゴムの弾性感がまったく違う。

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新品を3つ取付る。

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カムカバーにパッキンを取り付けるのがちょっと難しい。他の車種だと、パッキンの溝が深くて、パッキンをセットすればひっくり返しても落ちてこないが、アイの場合、溝がほとんどないのである。整備解説書によれば、液体パッキンを接着剤替りに使うとのこと。4か所塗るようにと書いているが、それではちょっと不安なので、16カ所ほど塗った。

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そしてパッキンを取り付ける。うまく接着しているようだけど、あまり時間が経過したらパッキンが固まって接着力が落ちそうなので、手早く組み付ける。

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ヘッド側の一か所に位置決めのために寸切りボルトをつけておく。

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カムカバーの組付け完了。

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オイルパンはまだ取り付けていないので、エンジンは直立している。この状態だとエンジンを持ち上げやすいので、体重計で重さを測ると38.5kgだ。この重さ、この形状なら一人で持ち運びができる。

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今後のエンジン移動時や、降ろしたNAエンジン保管用にエンジンを垂直に置ける台座を製作しよう。

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オイルパンを垂直に置けるように木枠を製作。

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PCVバルブプレートをシリンダーに組み付ける。PCVバルブは単体ではちゃんと動作していたけど、いろいろ不安なので新品を購入。またPCVバルブプレートを外した時に中から謎の赤い棒が出てきたのだが、この正体は結局わからずじまいだ。当初はPCVバルブの部品が取れたものかと思っていたが、新品のPCVバルブと見比べても、こんな棒は見当たらない。

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プレートの取付も液体ガスケット。液体ガスケットは塗布後に指先で塗り広げようとしてもうまくいかなかったが、塗布時に先端を少し振りながら擦りつけていけばいい感じで塗布できる。また私のイメージではやや多めと思えるくらい(下の写真)が適量のもよう。エンジン組み立て風景の動画などもよく見るのだが、だいたいはチューブ先端からΦ2mm程の円柱形でしぼりだして塗っていくだけだ。三菱アイの整備解説書でもそう。そしてすぐに接合する。でもこのホルスのガスケットはちょっと性質が違うようだ。接合面に塗りつけていく感じ。だからチューブ先端は円錐形になっていない(する必要がない)のかもしれない。でも私が採用した先端に円錐カバーを取り付ける方法は使いやすいので今後もこれを使用していく。

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2回目の液体ガスケットの塗布はうまくいった。

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あれ~? ピストンがある。ええ~~~、組み込むの忘れてたぁーーー?

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・・・な訳はありません。

実はターボ車用のピストン&コンロッドを1台分某クションで落札したのだ。

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理由を書けば長くなるけどせっかくなので書く。某クションでこれを見たときは、「なつかしー、これをちまちまクリーニングしたなぁ~」っという程度の反応。出品開始価格は漱石さん二人。これがどれくらいで落札されるのか興味がありウォッチだけしていた。毎日入札はないかと見ているうちに、ピストンをちまちまクリーニングしていた頃がすごく懐かしくなってきた。机の上にピストンが転がってて、気が向いた時にちまちま汚れを落とすのって、楽しかったな~っと追憶にふけっていた。それだけなら入札まではしないけど、突然やり残した作業に気が付いた。コンロッドの研磨である。意味もなくコンロッドを磨きたかったのだ。きっとこの気持ちはこれから先の人生で大きくなる一方だろう。でも当時(数か月前ね)の私ではピストンピンを外すこともできなかった。将来プレスを入手して、ピストンピンを外してコンロッドをぴかぴかに磨くんだ~ってな夢を見てしまったので、入札してしまいました。今動いているNAエンジンにこいつを組み込むのもありかもね。NAとターボ車ではピストンの形が違うと思うのだが、いつかNAエンジンをばらしてピストン比較できればと考えている。

次はオイルパン。エンジンをひっくり返して取り付ける。綺麗に塗装したカムカバーなどを保護するために毛布を敷いて慎重にひっくり返す。

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スティフィナープレート(クランク補強板)の組付けから。

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オイルパンに液体ガスケットを塗布して

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オイルパンの組付け終了。

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ちょろっと液体パッキンがはみ出るくらいがちょうどいいんだよね。液体パッキンの扱いにもだいぶ慣れてきた。

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そして直立台座に設置。見事に直立した。コンパネで周囲を箱状にすれば一人で持ち上げられるし、自動車への搭載も大丈夫そう。車載角度(45°)に比べ占有面積もコンパクトになるし部屋のオブジェとしても大丈夫そう(笑)。

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あれ、なんか変に隙間が空いている。そうそう、ここにはオイルシールケースが取り付くんだけど、これ再利用できないか悩んでいてそのまま部品購入してなかったとこだ。でっかいサイズのオイルシールで、部品代が3000円以上もするので躊躇してなかなか部品発注できなかったのだ。まあここは後からでも組付けられると思うのでそのうちに購入しよう。

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これでエンジンは大まかに組みあがった。後は補機類などを取り付ければ完成だな。今で全行程の7~8割くらいかな。