■2020年10月
某クションで入手したサクションパイプやインタークーラーは内側がオイルでべっとり汚れている。これはブリーザーパイプからオイルが吸気側に回っているからだろう。下の写真はよそ様のアイのターボエンジン写真なのだが、すごく短いブリーザーホースでシリンダーヘッドとインテークが繋がっている。ここにはぜひオイルキャッチタンクを設置しなければと前々から考えていた。
オイルキャッチタンクなんて簡単な容器で作ればいいわと思い、使えそうな容器を家や100均で物色していたのだが、半年経過しても見つからない。だんだんとめんどくさくなってきて結局下記の製品を購入した。
アイのブリーザーホースはΦ12mmで(13かも)、こいつにはちょうど12mmのアダプタがついている。価格も手ごろ、大きさも手ごろなのでこれをチョイスしたのだが、ひとつ大きな欠点がある。それは重さ。口コミでもこの点についての指摘は多く、私的にもただのタンクにそんな重さがあるのは許せない。なにより取り付けステーが耐えられるのかという疑念があるので、購入までにものすごく長考した。しかし長考にも疲れたので、力づくで解決しようと思い購入した次第である。
まずは届いた製品の重さを確認。手に持つとずしりと手応えがあり重さは500g超え。この製品を単体で見るとヘビーディーティーで分解もしやすくかっこいい形なのだが、これを車載するのはどうしても抵抗がある。
なので削れるところをどんどん削って軽量化する。まずはカップ部を旋盤で掴んで、内側を芯出しを兼ねてぐるりと切削。
そして外周を切削。カップは5mmの厚さがあるのだが、これを2mmまで切削する。もっと切削できそうだがあまり無理はやめておく。
そしてカップを掴み直して底部も切削。これでカップ部は半分以下に軽量化できた。
次は上部パーツ。まずは上面を2mm切削。ディップスティックのネジ部を残す必要があるのであまり薄くはできない。
内側の不要な部分をドリルで肉抜き。
エンドミルで形状を整えるのだが、ボール盤+エンドミルはちょっと怖い。フライス盤を持っていれば相当攻めれるんだけどねぇ。
外側の関係ないところもどんどん削っていく。
だいぶ頑張ったが、形状が複雑なので半分までは軽量化できなかった。
ひたすら削った切りくず。
オイルキャッチタンクはコンデンサータンクの固定ボルト部にステーを作って取り付ける。
細かい仕上げ。バッフルのバリを面取する。
本体は黄色に塗装。車体は青で、エンジンは黒、カムカバーは赤とセンスは一切感じられない配色だが、どうせ見えない場所だし目立った色であれば作業性も上がると思う。今回初めてアクリル塗料を使った。一番安かったから。アクリル塗料って塗った後はしばらくビニールでラッピングしたみたいなゴム的な感じなんだな。数日経過して十分硬化すればラッカー系とあまり違いは感じないけどね。あとアルマイト処理が残っている淵部分などはちゃんと塗れていない感じで剥がれてきそう。
数日してほぼ乾燥したので組み立てていく。ホース接続口は一応ロックタイトを塗布しておく。
バッフルはちゃんと2重でケース状になっているんだな。この価格を考えれば十分すばらしい製品だと思う。
空気の流れはこんな感じ。エンジン側から吸い込むオイル飛沫をバッフルでキャッチしてオイルタンクに貯めていく。バッフルの中に金属たわしを入れておけば、オイル飛沫のインテーク側への吸い出しはより抑制されそう。
ディップスティックには手持ちのOリングを装着。
完成。ディップスティックは赤のままだけど、誰も気にしないし誰も見ない。固定ステーは適当なL金具で作ったけど、強度的にちょっと弱い?。重さと振動で曲がってこないか定期的にチェックしよう。
最終的な重さは312g。当初の500gからは40%の軽量化。本気出せば200gくらいまで削れそうだけど・・・(^^;)。
加工前後の比較。記載している重さはいずれもホース接続部やステーを含んだもの。
これでオイルキャッチタンクの軽量化は終了だぁ~~~! ・・・なんだけど、なぜか心は晴れない気持ち。こんな作業はエンジン換装後にゆっくりすればいいだろう、そんな事より早くエンジン換装を進めろ! と耳元で急かすもう一人の俺がいるのだ。でもね・・・、エンジン換装手順を考えてもすぐに壁に突き当たるんだよね。どうやってエンジンを降ろして、載せるのか。設備のない環境ではなかなかいい方法が出てこない。