■2021年2月
両頭グラインダーがほしくてもう何年も某オクをウォッチしてきた。しかし希望価格での入手ができず掃除機改造刃物研ぎ器なども製作していたが、今回ついにゲット。1コイン+銅貨2枚で、直接受け取りで手に入れた。

私が欲しいのはただ単に安いやつというわけではない。ちょっとオーバーホールしてベアリングなどを交換すれば新品と同じレベルの性能を発揮するやつである。というのも中途半端にちゃんと動く品だと、オーバーホールするのに躊躇してしまう。動いているのに下手にいじって壊してしまうというのがもっとも悔やまれる結果だ。でも格安でかつ修理必須の品だと躊躇なくオーバーホールできる。

今回の品はそういう意味で微妙だ。電源を入れると一応ちゃんと動くのだ。ベアリングから「ガーーー」って音が鳴っているけどまあ使えなくもない。でも塗装ははげはげでやっぱりちゃんと手入れしたい。
そういうわけで「タッタカター」とばらし始める。

ケースを中央で割ればいいはずなんだけど結構固い。よく見たら一か所イモネジがあった。これを緩めてもやっぱり固い。マイナスドライバーでこじるようにしてケース分解した。

中身はまったくきれいな状態。

回転子にはフィンがついている。でも外部との通風穴とかはないので、内部で空気を攪拌しているだけなのかな?

軸端は結構サビている。

ケースから軸がなかなか抜けず、ケースを片手でもって軸を金づちで叩いて外しました。軽く数回たたけば軸はスコっと抜けて・・・。

フローリングに穴をあけました(ToT)/~~~ 少し考えればわかりそうなのにね。

ケースからベアリングを抜き取るのだけど、どうすればいい? なんか一か所黒い物体がベアリングを押さえつけてる。これでベアリングを固定しているのかな?と思い、ドライバーで触ってみるとゴムみたい。ベアリングの防振とかの役目かな?

せっかくなので丁寧に作業しよう。ボルトの端材の先端を少し加工して治具を製作。

この治具+金づちでベアリングを抜きました。結構あっさり抜けたので、特段こんな治具は必要なかった感じだけどね。

保護ケースを固定しているネジがすごく固い。木材で土台を作り、ドライバをスパナで挟んで緩めたが、1本はネジ頭をなめてしまった。

しかたがないので、リューターでネジ頭に切り欠きを入れて、

タガネで叩いてゆるめた。

ベアリングは6202ZZ。ついでにボール盤のモーターのベアリングとブレーキのエア抜き用のワンウェイバルブも購入。ものたろうは3500円以上の買い物でないと送料が無料にならないからね。

きれいにして組み立てていく。軸端のサビなどもきれいに落とす。

ベアリングを抜く時は結構固かったので、新品のベアリングを傷めないためにあまりカンカン叩きたくない。よし、焼き嵌めだ。まだ人生で一度も経験したことがない作業だが、勉強のためにも一度やってみよう。空き缶でコップを作り、マシーンオイルを入れてコンロで熱する。

ちょっと目を離したらモクモクと白煙をあげてた。

ベアリングが冷めないように作業を急ぐ。モーター軸にはめてみるが、スコーンとは嵌らなかった。金属棒でベアリングの内側をコンコン叩くとすんなり嵌った。

モーター軸の両側にベアリングを装着。

そしてケースにはめていく。この時もバーナーでケースのベアリングを保持しているあたりを熱してから入れる。

たぶん熱さなくても入ると思うけど、少しでもベアリングを傷めないため熱した方がよさそうだ。

反対側も同じように熱してからケース合体。表面を軽くやすりを掛けて黒スプレー。

さて動作確認。
うんうん、滑らかにまわるね~ ('ω')ノ
他の部品をつけてほぼ完成。右側の砥石抑え板は鉄板から切り出して製作した。
砥石をつけた状態での動作確認。
回転慣性が大きくなったので、回転音に迫力がでた。
右側の刃物台も適当な端材で製作して、グラインダーのオーバーホール完了!

さっそくバイトの研磨テスト。

マンションのベランダで刃物研ぎは音量的に大丈夫か不安だったけど、研磨音は思ったより小さかった。昼間の短時間の作業なら近所迷惑にはならない感じ(たぶんね)。
バイトはサクサクと研磨できる。削り粉が結構でるので室内作業は無理っぽい。

新しい道具を入手したのだから、新しい収納場所を用意してやる必要がある。グラインダー用には丈夫な段ボール箱を製作した。側面は段ボール2枚重ね、縁部分は3枚重ねのしっかりした箱を製作。

蓋も丈夫なつくり。この箱の製作日数は4日。といっても実作業時間は2時間くらい。段ボールを木工ボンドで接着しておもしをおいて乾燥させて、という作業を繰り返していると時間がかかるのだ。

そしてもう一つの大物計測具。ストレートエッジである。こいつも2年くらいオークションをチェックしていてやっと入手。一葉さんと漱石二人。

旋盤のベッドの補強作業や、定盤の修正に使う予定。エンジンヘッドの合わせ面の検査もできる。

さらにボアゲージも入手。内グリの製作精度を上げるには必須の計測具だ。

ダイヤルゲージと合体させて使うシリンダーゲージも候補に挙がっていたのだが、シリンダーゲージだと基準ゲージが必要だし、収納場所も取るので、安価でコンパクトなボアゲージを選択。さっそく収納場所を用意。工具や計測具が並んでいるのは美しい。

使い方は下写真のようにボアゲージを内径にはめて軸端のネジで固定。そしてボアゲージを抜き取り、ノギスやマイクロゲージで計測する。

これらの工具が活躍するのはまだ先になりそう。