O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-3.ROKKOR MD 50mm F 1:1.4の分解(現実逃避)

■2021年5月

 最近自動車の整備疲れが出てきた。エンジン載せ替えた直後はアイに対する愛着が異常に高まっていたこともあり、細かいメンテやユーザー車検もその勢いで乗り切ったのだが、その勢いに陰りが出てきた。自動車の整備って半分趣味だけど半分は生活の一部なので純趣味とは言えないのが原因だと思う。自動車を使う日に動かないという事態はあってはならず、気の向くままにいじるということができないので、半分は仕事のようなものだからね。このように心が少し疲れた状態で部屋の中を見渡すと昔作りかけていたプラネタリウム試作機が目についた。一時プラネタリウム作りに熱中した時があり、ブログを始めた時にプラネタリウムの項目も用意している(なにもアップしていないけど)。そのプラネタリウムのレンズのカビカビ具合がますます進行していたのが目についたというわけ。

 ちなみに試作機は下写真のようなもの。高輝度LEDを光源とし、ディスクルーペの両凸レンズを3枚使ってコンデンサーレンズにして、その先にカメラ用の50mmを配置している。光源からの光をコンデンサーレンズで一点に集光するように設計し、その途中に恒星原盤を配置して、先端に対物レンズを配置。対物レンズの焦点位置(焦点距離)をコンデンサーレンズで集光した点と一致させれば、対物レンズから半径方向に均一に恒星原盤の映像が投影される。

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恒星原盤は黒のフィルムに緑色5Wレーザーを顕微鏡の接眼レンズで一点に集光して穴をあけている。如何に小さい穴があけられるかがプラネタリウムの性能を決める。

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この試作機では穴のサイズは100μmほど。大平さんのギガスターは200nmらしい。

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ついでに我が家で活躍している家庭用プラネタリウムホームスターも紹介しておく。大平貴之氏の監修した製品。少し前に大平貴之氏の話はテレビでも取り上げられており、彼にはずいぶんと刺激を受けた。

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以前実施した断熱リフォームでは寝室の天井をプラネタリウム投影に適したようにシーリングライトを外したり、側面の断熱材を三角形に加工したりしている。

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投影時の様子は下写真。寝る時にはいつもプラネタリウムを投影していた(最近は月に1回程度)。

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話にまとまりがなくなってきたが、とにかくカビカビのレンズをクリーニングしてみようという話である。そのレンズとはMD ROKKOR の50mm。ハードオフで500円くらいで買ったやつ。始める前はブログに掲載するつもりはなく写真なども撮ってなかったので前半は借り物画像です。

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レンズの仕様

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レンズ構成。前玉ユニットの半分くらいに蜘蛛の巣状のカビがあり、見ているだけで不愉快になるレベル。このまま放置していると腐海に呑み込まれそうな気がしたので、とにかくクリーニングしなくちゃ っと思った次第です。

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でも身心ともに充実した状態ではなく、カニ目レンチを使ったらレンズにキズを付けて一発でやる気がなくなるという雰囲気だったが、それでも無意味な趣味時間を過ごしたくて強引に作業続行。下の写真の状態までは問題なく進んだのだが、前玉ユニットはこれ以上は分解できそうにない。

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前玉の最後尾のレンズ面をレンズクリーナーで拭くと蜘蛛の巣状のカビがきれいさっぱりなくなった。ほかの面のカビも拭いてみたい、レンズがダメになっても、とにかくこの蜘蛛の巣状のカビがきれいに拭けるのか試してみたい。そういう気持ちが押さえきれなくなり、カッターで無理やり前玉ユニットを分解。外れたレンズを拭いてみたら全部が跡形もなくきれいに拭けた。この辺りで正気を取り戻し写真を撮り始めた。

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前玉ユニットの構造だが、下写真のようにプラ製(ナイロンか?)でできており、縁でレンズを押さえている。この縁とレンズの間にカッターを差し込み縁を少しずつ立てていくとレンズが外れる。カッターで切るのではなく差し込んで縁を立てていく感じ。なのでカッターのような刃が無い工具のほうがよりうまくいくと思う。

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縁をぐるりと一周立て終わってもレンズだけ抜くのは難しい。吸盤をレンズに張り付けて引っ張ればうまくいくと思う。私の場合はあれこれ考える精神状況になかったので、カッターの刃を差し込んでてこの原理で無理やり外したので、レンズ側面が傷だらけになった。

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組み立てる時はこの縁をはんだごてで軽く熱しながら縁をレンズを押さえる方向に曲げていけばうまくレンズを固定できると思う。

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前玉ユニットの3番目のレンズも同じようにはずしたのだが、あまりにも強引に外したので、縁もレンズ側面も傷だらけになった。今から思えば、まず1番目のレンズを外せばよかった。そうすれば2番目のレンズも同時に外せるので、3番目のレンズを前からもアクセスできるので、3番目のレンズは外さずに前後からクリーニングできる。どうしても外したい場合は、縁をかるく立てて3番目のレンズを前から後ろ方向に押してやれば傷もつけずに外せたと思う。まあ前玉ユニットの構造がわかっただけでも収穫があったと思う。

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1段目レンズ

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2段目レンズ

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3段目レンズ。レンズ側面が傷だらけ (*´Д`)。

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3段目レンズを前から見ると側面のキズがものすごく目立つ。スミ塗りすればいける?

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前玉ユニットを仮組してみる。蜘蛛の巣状のカビは見事きれいになった。でも3段目レンズの側面の傷が・・・ 。

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組み立て時にはこの縁をはんだごてで熱してレンズを固定していけば復活しそう。

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3段目レンズの固定縁部はだいぶ悲惨な状況。

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後玉ユニットはほもともときれい。

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後から見ても少しゴミがある程度。これをカニ目レンチで分解したい気持ちもあるが、絶対レンズ傷つけるので今回はやめとく。

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分解時は慎重のかけらもない状態で進めたので、小さな部品の行方不明があった。露出調整リングのボールが行方不明。たぶん直径1mmほどのもの。気が付いたのはだいぶ後なので、今頃は掃除機で吸ってゴミ箱の中だと思う。

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前玉ユニットの分解とクリーニングはできたので、とりあえず満足である。3段目レンズのスミ塗りをちゃんとして上手に組み立てればまだ使えそうなので、身心の状態が整っている時にでも組み立てよう。とりあえず梱包して今回の作業は終了。

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