O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-3.永遠のアイ:オイルクーラーの製作

■2021年8月

 さて、オイルクーラーの製作である。製作開始から実に1年2ヵ月。夏前には完成させたいと思っていたが超絶単純作業の繰り返しなので「ちょっと作業しては心折れ」の繰り返しでそれはもう亀の歩みでした。空を見上げれば真夏の終焉を告げる入道雲

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放熱板の製作は図面を印刷した紙を銅板に張り付けて銅管を通す穴あけから。くり抜く円沿いに1mmのドリルで穴をあけていき中心部を切り出すという作業を延々と続けた。

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そしてリューターで穴を成型。通す銅管より少し小さ目に成型する。

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図面は両面テープで張り付けていたのでテープ剥がしがこれまた必死。

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最後はシンナーに漬け込んで拭き取っていく。銅板に直接図面を印刷できたらいいんだけどね。

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そして銅管貫通部をロウ付け(結局はんだ付けした)しやすくするため穴を打ち抜く治具を製作。

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治具を穴に押し込むと・・・、

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銅管が通る型が成型される。

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この作業を放熱板の枚数(22枚)繰り返す。

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何枚かは端っこが切れた。

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放熱板の側面を固定する板もハサミで切り出す。

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側面固定部を油圧プレスで型成型。下写真のようにバイスをコの字型の台座にし、鉄板を押し込んでコの字に成型していく。

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ペラペラの銅板なのでするするを押し込める。

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最後までぐいっと押し込むと・・・、

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側面固定板の成型完了。これを42回繰り返す。

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最後押し込む時に少し強め(2トンくらい)に圧をかけて見たら、バッコーンって音がしてバイスが落ちた。「えっ!何が起こったの?」 みるとバイスが割れてる。油圧プレス舐めてたな。

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しかたないので、木板材にネジで固定して暫定処置。まあこれでも使う分には問題なさそう。

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これでオイルクーラーの部品が全て完成なので、いよいよ組み立てに入る。そうそう、U字型に加工失敗してたけど、結局はU字型の部品を購入して対処することになった。

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側面の固定部の形状がフィットしないので、リューターで微修正。もうそれはそれは超絶単純作業の繰り返し。

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放熱板を差し込んでみると、加工精度の低さで側面の位置がバラバラ。

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しかたないので、ゲージを作って各放熱板の位置ずれ具合を計測する。

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そして位置ずれ具合が滑らかになるように並べ替える。

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だいぶましになったが、それでも結構ガタガタ。

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放熱板とエンジンの干渉がないかのフィットチェック。

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先端部の固定のための固定具を画用紙で型取り。

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ブックスタンド(たぶん鉄製)から固定具を切り出す。

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エンジン側にも固定のための穴をあける。今アイに搭載しているターボエンジンにも同じところに穴をあけている。

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最後のフィットチェック。

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それではロウ付けの開始である。

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銅ロウを使う。銅ロウは銀ロウに比べ金額も安く、フラックスを使わなくても大丈夫とのことで今回採用。銅どうしのロウ付けならわざわざ高価な銀ロウは使わなくてもいいとの判断。

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一番がっちりロウ付けしないといけないのはU字管部。ここはオイルの通り道であり、油圧がかかるのでがっちり漏れなくロウ付けする。

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放熱板のロウ付けはできるかなぁ~っと端材で練習してみた。

 

しかしながら薄い銅板は熱で激しく劣化してうまくできない。まあ放熱板は強度は必要なく、しっかり導熱すればいいのではんだ付けでテストしてみる。


銅ロウより簡単にできるし、金銭的にも楽だ。耐熱塗料での焼き付け処理にも耐えられるか試験してみる。

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耐熱塗装して、オーブンで10分焼き付け処理したが、はんだは溶けたりしないもよう。

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でもペンチで引っ張ると結構簡単に外れる。まあ導熱さえしてくれればいいよね。

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針金(たぶん鉄製)を銅ロウでロウ付けできるか試験。

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ぜんぜんロウ付けできてない。

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今度は100V 用の電線の銅線でやってみる。

 

銅線だとしっかりロウ付けできる。やっぱり銅どうしでないとうまくロウ付けできないようだ。

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固定具(元ブックスタンド)はくっつくかと試したが、玉になってまったくくっつかない。

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ということで本番である。U字管部の銅ロウ付けを実施。

 

思ったように銅ロウが流れてくれない。バーナーの火力が弱かったのか、バーナーの距離が適切ではなかったのか。それでもしつこく繰り返したらなんとか全体的にロウ付けできたと思う。そして固定金具は銅線を巻いて固定し、その銅線を銅ロウでロウ付けした。

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U字管の銅ロウ付けは部はしつこく炎で炙った結果、なんかボコボコになった。

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気密性のチェックを実施。オイルクーラーの片側をふさいで、反対側に空気入れで圧をかける。それを水のなかに入れて空気が漏れないかをチェック。2気圧くらいでは漏れがないことを確認。エンジン運転時はもっと圧がかかるだろうけど、我が家の設備ではこれくらいのチェックしかできない。あとは本番でのチェックになる。

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次は放熱板。まず端っこの放熱板を銅管にはんだ付けする。

 

はんだは銅ロウと比べあっという間に溶けていく。銅管にはんだ付けし、側面板をカシめて固定して、次の放熱板をまたはんだ付けする。この作業の繰り返し。銅管と放熱板のはんだ付けは銅管部をしっかり紙やすりで磨けばきれいに付けられる。フラックスとかは使わなくても大丈夫だった。

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はじめの1、2枚は加減がわからなかったが3枚目からは順調にはんだ付けできた。

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ひたすら単純作業を繰り替えす。

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そして22枚の放熱板の取付け完了。

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側面板はまだカシメて固定しているだけなので、ここもはんだ付けする。下写真のようにはんだを棒状に伸ばして、はんだ付けするところに1本1本おいていき、

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バーナーで炙って隙間に流し込む。これを上下反転してもう一度実施。そして反対面も同じように実施。

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まずまずうまくはんだが流れて隙間を埋めている感じだ。

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はんだは5セット用意していたが、途中で足らなくなり、さらに4本追加で購入。100均のはんだなので金銭的打撃は僅かである(*´з`)。

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最後は側面のカシメているところもはんだ付けする。細かい作業なので目線を合わせるため、机の上で作業できるように配置。

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カシメているところをはんだ付けしていく。火加減調整がいまいちで上出来という感じではないが、とりあえずはんだを流し込んだ。

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耐水ペーパーで表面をみがけば結構いい感じのできになった。

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そして耐熱塗装を塗布。放熱板の隙間もしっかり塗料が行き渡るようにあちこち角度を変えて塗布する。

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そして焼き付け処理。オーブンで20分くらい焼き付けていく。

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しかしところどころはんだがぼてっと垂れてきているところがある。はじめのはんだ付けで不必要な玉ができたとこだろうな。ぼってりしたはんだ付けは拭き取り、もう一度耐熱塗装を塗布した。

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側面部のはんだ付けも、まあまあかな。

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これでオイルクーラーの組み立ては完成である。

今後は実装だ。