■2022年5月
さあ運命の四日目。天気予報では10時くらいから雨。しかも結構しっかりと雨。この日の午後からは車を使う用時があるので絶対仕上げないといけない。というわけで朝の6時に起床。まずはキャリパーをオーブンに入れる(焼き付け処理30分)。
そしてブレーキピストンを研磨する。ピストン研磨は前日でもよかったのだが、ちょっとでもサビるのがいやだったので組み込む直前に研磨する。旋盤でくわえて・・・
耐水ペーパーの#1000番からはじめ#1500、#2000で研磨して最後にラビングコンパウンドで研磨。
新品以上にぴかぴかになりました。
そしてチーン!と片側のキャリパーが焼きあがる。
ブレーキピストンを組み付ける。
ピストンにグリスを少し塗布して、
薄く塗り広げる。
ダストブーツを先端に被せて
キャリパー側にもグリースを薄く塗り、シールを嵌める。
そしてダストブーツを嵌める。ピストンを入れた状態ではダストブーツは嵌らないので、まずはダストブーツだけ嵌めてからピストンを入れる。
ゆっくりやさしくピストンを押し込んでいき、
ピストン装着完了。
ダストブーツが変にヨレてないか全周確認。
ブリーダープラグをつけてキャリパー組み立て完了。
気に入らなかった鋳造跡も見えなくなり美しくなった。
取り付けたら見えない裏面もきれい。
唯一残念なのが塗装時に置いた所。塗装が剥がれたというより下地の段ボールが張り付いたんだと思うのできれいに削れば美しくなるはず。でも時間ないのでこのまま。
並べて記念撮影。
そうこうしている内にチーンとサポートとシムが焼き上がりました。
ブレーキピンのグリスは以前購入していたドライブシャフト用を使う。ドライブシャフト用なので大きな負荷も大丈夫だろうし、ゴム部への悪影響もないはず。
ぱっぱと組み立て完了。
今回購入したミヤコ製TP-80のピンブーツは結構形が違ったので心配していたが、まあゴムなので多少形が違っても問題はない感じ。
それではキャリパー組付け開始。この時点で朝の8時ごろ。前日の天気予報では10時くらいから雨だったが、今朝の天気予報では9時ころから雨。あと1時間。ギリギリかと思いながら駐車場に荷物運んだのだが、その時点でぱらっと顔に雨が・・・。いや、それは一瞬だったが空はどんよりいつ本降りになってもおかしくない様子。慌てるな! ささっと作業すれば1時間もかからないはずだ(しかし悲劇は起きるのでした)。
キャリパーサポートを組み付けパッドを取り付ける。サポートボルトの締付トルクは100±10Nmなんだけど、手持ちのトルクレンチ(300Nm)ではメモリを読めない方向だし、長すぎてタイヤハウジングが邪魔でうまく扱えない。とりあえずメガネで手感覚で締める。でもぜったい強めに締めていると思う。いや、もしかして弱めかも。 ああ・・・、やっぱり「カチッ」とするトルクレンチほしい。いや実は持ってはいるんだけど、調整中(というか挫折中)でしてまだ実戦投入できるレベルにはありません・・・。
キャリパーを組み付ける。ブレーキホースはビニール袋でぐるぐるにしているのだが、中にはたっぷりフルードが溜まってる。マスターシリンダーを見たらすっからかん。やっぱりフルードは全部袋の中に流れ落ちてるようだ。フルードがキャリパーにつかないように慎重に作業し、ブレーキホースをキャリパーに組み付ける。フルードは塗装を傷めるのでせっかく塗装したキャリパーの色が剥げては悲しいからね。
ん・・・、なんか写真おかしくない? ブリーダープラグの向き・・・。
そう、ここから悲劇が。雨が降る前に作業終わって後はエア抜き、という段階まで来たのだが、なんかエア抜きができない。何度やっても踏みごたえが出ない。あれー、なんで? とキャリパー部を確認するとブリーダープラグが下向きになってる。
「ああ・・・('Д') 」と嘆いていたら雨が本降り。もう写真なんか撮っている場合ではない。次の写真がこれ。
作業を終え全身びちょぬれで帰って来て・・・、見ろ! 作業服がごみのようだ。
降りしきる雨のなか、左右のキャリパーを付け替えてエア抜きしてとほんと泣きそうだった。ブレーキフルードは一滴もアスファルトにもこぼさず、もちろんキャリパーにもつかないように気を使っていたのだが、もうそんなこと言ってられなかった。左右キャリパー交換の時はフルード駄々洩れ、キャリパーに駄々掛かり・・・。エア抜きのため室内も結構濡れた。何より気がかりなのはフルード補充時に雨がフルード液に混ざらなかったかだ。そこだけはかなり気を付けたが、数滴入ったかもしれない。それってまずいよね。それでもなんとか作業を仕上げ、昼の用事には車を使えるようにした。
キャリパーは分解時から「右、左」とマジックで書き込み、左右を間違えないように注意していた。いったいいつ左右が入れ替わったのだろう。撮影写真で検証すると4枚前のリアトランクに部品工具一式並べているところまでは間違いがなかった。左キャリパー、右キャリパーとメモを置いているのも合っている。つまりリアトランクに配置したキャリパーを取り付ける時に、「右キャリパーだから右ね」とか言いながら左につけていたということ。ぽつぽつ雨の降る中「考えるよりまず動け」という感じで作業を急いでいたのもあるし、メモに(運転席側)、(助手席側)を記述していなかったというのも原因だろう。雨の中で大慌てで作業したら、「右」って本能的に車を前から見て右だよねと思って動いたのだと思う。
翌日もう一度エア抜きとキャリパーのクリーニング(フルードを拭き取る)を実施。エンジン換装後にエア抜き用のワンウェイバルブを入手していた。雨の中使い勝手を評価する余裕もなかったが、翌日の作業ではその有用性を堪能した。
ワンウェイバルブをセットしているとエア抜きが断然楽だ。それまでは二人で作業して「踏んでー」「離してー」と何度も掛け声をかけていたが、ワンウェイバルブをセットすれば、どんどんブレーキを踏んでいくだけでいい。途中マスターシリンダーのフルード量が減ってきたら継ぎ足してとかは必要だけどブレーキフルードの交換がとにかく楽だ。これは2年に一回、いや1年に一回でも交換していける。
キャリパーのクリーニングで思いのほか役立ったのが車に積んでたウェットクロス。妻が積んでいたんだけど私は今回初めて使った。車に積んでおくとパッと使えて便利だ。
ちらりと黄色のキャリパーが見えるのはとても気に入った。赤か黄色で悩んだけど、やっぱり黄色で正解でしたな。しかしちょっと気がかりも。まだ装着していなけど、コルトスピードのダウンサスを入手しているんだった。色は赤。黄色のキャリパーに赤のサス。うわ~、センス悪~~~(ToT)/~~~。 まあサスはしゃがまなければ見えないと思うけどね。
ブーツ類は念のため保存しておく。次の交換の時にはサイズ確認くらいには役に立つだろう。グリスは半分くらい残っている(サランラップで密閉保存)。
雨の翌日にディスクローターを見るとやっぱりサビていた。今まで気にすることなかったが手塩にかけてメンテすると自然と気になる。でもエッジ部の赤サビ転換防錆剤を塗布した所はサビてない。頻繁に赤サビ転換防錆剤を塗布すればエッジ部のサビによる浸食はある程度抑制できるかもしれない。
しばらく走行した後のディスクの様子。こうやって見ると外周部と内周部の腐食具合が良くわかる。現在のディスクの接触面積は7割くらいしかないのがはっきりわかる。やっぱりディスク研磨したいね。肝心のブレーキタッチははじめは滑空感があったが数日乗ってパッドのあたりが出てきたら非常に良くなった。ブレーキの引きずり感などもまったく感じなくなった。今回はブレーキパッドグリスは使っていない。密林さんで安く入手できるのだが、まとめ買いしないと送料がかかる。かなり前からほしいものリストにチェックしていたのだが、結局今回まで購入できていない。でもブレーキ鳴きは発生していないしまあなくてもいい感じ。
今回活躍したミニジャッキを手直しする。ゴム板をボンドで貼り付けていたのだけど、フロントロアアームはエッジ部で支えるので、エッジが木材に食い込んだ。またゴム板のボンドもはがれた。
ボンドでは粘着力が不足気味なので、今度は余っているブチルテープで試す。
ロアアームを支えるアダプタも作ろう。ロワアームの支える所は下写真のようになっているので、中央部を支えるように木材を加工する。
塗料も塗って完成。
このミニジャッキは結構使い勝手良かったのでもう一個作りたい。今までは重いフロアジャッキと大きなジャッキスタンドを駐車場に持っていくことを考えるだけでやる気がそがれていたが、ミニジャッキなら手軽にフロント、リヤの馬がけができる。自動車整備を頻繁に実施するには、とにかくお手軽に作業にかかれる環境構築が大事だ。