■2024年5月
ボア径拡大加工はまずドリルで大雑把に径拡大して、仕上げは旋盤でルーター研磨する。JW-CADでボア径Φ63mmになるようにΦ3mmの穴をいっぱい描く(最終径Φ64mm)。
そしてポンチで中心を叩いていく。ちゃんと中心を射抜けるようにルーペで拡大して慎重にポンチする。
ここをΦ3mmドリルでどんどん穴あけ。
ディスクローターは鋳鉄なので結構簡単に穴があく。
そして鋳鉄なので脆い。下写真の状態で内側をペンチで掴んでグイグイすると簡単にもげる。加工は楽でいいけど、ディスクローターにクラックが入りやすいというのが良くわかる。
裏側の文字もルーターで大雑把に削っておく。
ボール盤と砥石でボア内側を粗削り。
粗く面取りもしておく。
そして旋盤の出番である。ディスクを旋盤の四つ爪チャックに固定する時は芯出し(というか面出し)をきちんとしないとディスク面が波打ってしまいNGとなる。ではどれくらいの精度で面出しすればいいのか? 整備基準書によれば限度値が0.06mm(60/1000 mm)とある。感覚的には0.01~0.02mmくらいには収めたい。
ディスク面の振れを計測するのに2/1000mmのダイヤルゲージを使用。下写真の矢印の範囲内に収まれば限度値内ということになる。
四つ爪チャックで軽く掴み、まずはディスクの外周を計測して芯出しする。それからディスク面を計測し、金づちで軽く叩いて面を出していく。ちまちま調整をがんばったがディスク面自体がけっこう凸凹で(鋳鉄だから?)速い周期で針が振れる。最終的には25/1000mmくらいの振れに収まった感じ。まあこれくらいでええかな? 本当はハブ面に対して芯出し(面出し)しないといけないんだけど、ちょっとそれは難しいので、ディスク面基準での面出しとしている。
ではボア内周部の研磨だ。
旋盤用ルーターで少しずつ削っていく。
ボア内周を削っていくと偏心しているので研磨音が途切れ途切れなのだが、研磨が進むにつれ徐々に連続音に変わってくる。
研磨が進み、ドリル跡が徐々に見えなくなってくる。
目標の内径まで研磨。ドリル跡は完全になくなる。ハブ軸を嵌め込んでぴったりなのを確認。ヨシヨシ ('ω')ノ
ルーターを45° 傾けて内側の面取りに移行。ハブ軸の内エッジと干渉するので面取りは大き目に削る。
ディスク外周部も研磨。砥石が結構消耗するかと思ったが思ったより摩耗は少ない。
ディスクローター外周部の研磨の様子。騒音も少ないので年末の夜中に作業してた。
こんな感じで2023年は暮れていきました。