O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-3.永遠のアイ:ハブベアリングOH & 組み立て

■2024年8月

 フロントにもロングハブボルトを付けようか検討している。ホイールスペーサーは5mmであればキャリパーとホイールの干渉は回避できそうなのだが、5mm厚ならロングハブボルト不要かな・・・、と思っている。でもパンクなどの緊急時に他のホイールを装着しなければならなくなったら、もっと厚いスペーサーが必要になる。そんな事態まで考えるべきか否か。ハブボルトは長い方が短いを兼ねるが、逆にスペーサーを外したら袋ナットが底付きしてちゃんと締めれないとかもね。とりあえず袋ナットの底までの余裕を確認していおこう。貫通ナットを用意し、ホイールスペーサーの有無での締め込み具合を比較する。

 

 まずノーマルハブボルトにホイールスペーサーなしで貫通ナットを締める。ボルト部がナット端から2.5mm程出っ張る。

 

 次にノーマルハブボルト+5mm厚スペーサーで試すと、ボルト頂上が2.5mm程奥で締まる。

 

 ノーマルハブボルトと貫通ナット、袋ナットを並べて見比べるが、10mmロングボルトにしても、スペーサーなしでホイールはちゃんと締められそうだ(底付きしない)。そういうことで10mmロングハブボルトを採用することで決定。

 

 某オクでワイトレを入手。ワイトレを加工してハブリング付きのスペーサーを製作する作戦である。ジャンク品と書かれたワイトレが出品されていたが、ハブ径は書かれていなかった。アイのフロントハブ径は56mmなので、質問で聞いたら「たぶん56mm」との返事だったので落札。なんかおまけで7㎜のスペーサーも付けれてくれた。ありがたい。でも到着したワイトレのハブ径は57mm。ん~~~、残念!

 

 油圧プレスでボルトを抜いていく。この作業中に油圧プレスがおかしくなった。OHして復活したが、Oリングの切れ端が逆止弁に挟まっていた(別記事に掲載)。

 

 以前ハブにポンチしてた所にM8タップを切る。これはホイールスペーサーとディスクローターを固定するために使う。

 

 ジャンクで入手したタップハンドルが活躍しました。

 

 M8タップ切り完了。タイヤ交換時などの、スペーサーやディスクローターが外れて隙間にゴミやらを噛み込むのがいやなので、M8ネジで固定しておく作戦。他車ではもともとディスクローターとハブはボルトで固定されているのが多い。

 

 ロングハブボルトはリヤで使っているのと同じのと購入。

 

 というか探してもアイに合うロングハブボルトはこの製品しか見当たらない(下写真はリヤ交換時に購入したボルト)。

 

 ロングハブボルトが届いたのでハブに組み付けていく。

 

 ディスクローターを嵌めた様子。

 

 そして20mmスペーサーを嵌めた様子。実機には5mm厚に加工して使う予定。

 

 それではハブベアリングのOH&組み立てを行う。まずは保護用の画用紙を外して、

 

 インナーレースを外す。専用治具があると作業がサクサク進む。

 

 インナーレース外れました。

 

 Cクリップを外す。Cクリップ外し専用のプライヤーで掴むのはいいのだが、Cクリップがサビやら汚れやらですんなり外れない。プライヤーで掴んだままぐりぐりしてCクリップを外そうとしたら、何度もパチンとプライヤーが外れ、だんだんとプライヤーの掴み部が舐めてきた。あっかーん! せっかく専用プライヤー作ったのに。サビ等で固着したCクリップを外す時は、プライヤーで掴んで精密ドライバーを差し込んで外していくほうが良さそう。精密ドライバー差し込み部が多少傷つくけどまあしゃあないよね。

 

 Cクリップ外れました。

 

 Cクリップ専用プライヤーの舐めた掴み部。

 

 ベアリングボールを取り外す。精密ドライバでボールをテコ原理で内側に押し出せば簡単に外れる。そしてグリスシールを外す。これを外すとボール保持器を取り出せるので古いグリス拭き取りがやりやすい。

 

 シール引き抜き治具をシール内側でこう組み立てて、

 

 板をつけてネジを締めこんでいくと、

 

 シール外れます。いいですねぇ、専用治具は。

 

 シールが外れると、ボール保持器も外せます。

 

 ハブベアリングの外すべき部品の取り外し完了。後はきれいにして組んでいく。

 

 ボール保持器がないとアウターレースに残った古いグリスを思いっきり拭ける。これが気持ちいい。前はパーツクリーナーで洗い流すしかなかったからね。

 

 では組み立て。ボール保持器を入れてシールを打ち込む。

 

 打ち込み治具をセットし、

 

 しっかり押さえて位置がずれないようにして

 

 M10ボルトナットで締め込んでいく。

 

 シール打ち込みOKです ('ω')ノ 専用治具って・・・以下略

 

 Cクリップ用プライヤーの舐めた反対側を加工。こんどは舐めにくい形状にした。

 

 しかしなんかCクリップをがっちりつかめない。たぶんCクリップ側も舐めてるから掴みにくいんだ。次の機会があればCクリップも研磨してしっかり掴めるように加工しよう。

 

 多少掴みにくっても慎重にすれば問題なく嵌められる。

 

 ボールを入れてハブグリスを塗布。前回のOHの時は専用グリスが無かったので手持ちグリス使ったが、やっと専用グリス(MP-DX)を充填できた。やっぱり長く使うのなら専用でないとなんとなく不安だよね。

 

 インナーレースを組み付ける。

 

 さっさかさー、とボルトナットを締めて、

 

 はい組付け完了。

 

 ではハブ軸の組付けだ。とハブ軸を手に持って眺めていると、ハブボルトが一本斜めになっているように見える。スコヤを当ててみるとやっぱり斜めってる。もう一度油圧プレスで押し込んだ。

 

 ハブ軸の組付けは、今までハブナットの締付で行っていたが、今回は油圧プレスで組んでみる。塩ビ管では強度不足かなと不安はあるがいけそうにも思えるので。

 

 塩ビ管で内側のインナーレースを保持し、

 

 油圧プレスでハブ軸を押し込んでいく。

 

 うん、結構余裕で組み立てできました。このやりかたが正しい手順だよね。

 

 最後にハブナットを締め付ける。締付トルクは144~190Nm。

 

 分解前にマーキングした位置まで締める。締付トルクも規定値範囲内でした。

 

 割ピンを付ける。

 

 同様の手順で反対側のハブベアリングもOH&組み立て。

 

 ハブキャップを打ち込んで、

 

 塗装して完了。

 

 作業中、すぐ隣でちゅん太郎がずっとちゅんちゅんさえずっている。座っての作業では向こうからこちらが見えないが、立ち上がると2mの距離で目と目が合う。目が合うと一目散に逃げていくが、目が合わないと警戒はするが逃げていかない。