O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-3.赤外カットフィルタと光害カットフィルタ

 ■2014年11月頃

赤道儀、望遠鏡など撮影環境が整ってきたので次はカメラの改造の検討を始める。星野撮影のきっかけは持ち合わせの機材でとったオリオン星雲が思いのほか良く撮れたというものであり、さらに歴史を紐解けば学生時代に撮った(だいぶしょぼい)オリオン星雲写真の人生をかけたリベンジなのかもしれない(大げさ・・・^_^;。
  まずは赤外カットフィルタ(IRカットフィルタ)をはずしてHα輝線(656nm)を写すことを目標とする。EOSのIRカットフィルタの透過率は下図である(EOS kiss digital Nのものであるが、まあ似た特性だろう)。

 

  Hα輝線の透過率は25%程度であり、このフィルタをはずせばHα輝線の星雲はより鮮やかに映る。手始めに一代目のジャンクEOSのIRカットフィルタをはずしてみた。

 

左手にIRカットフィルタのついたCMOSユニット

 

 IRカットフィルタはネジで簡単に外れる。はずしただけでは像の合焦位置が前方に移動するため通常レンズでは無限遠にピントが合わなくなる。対策としては同じ厚さの透明フィルタを入れたりするのだが、手持ちの望遠鏡や500mmのレンズではピント位置に余裕があるので、まずはフィルタをはずすだけで考える。

  分解はめんどいがフィルタをはずすだけなら特に問題はなさそうだ・・・が、はずしただけだと赤外領域の光により赤かぶりをしてしまうので、もう少し波長の長い部分は適切にカットしたほうがいい(らしい)。また市街地からの撮影になるので、光害もカットしたい。それに適したフィルタを調査する。フィルタを入れたら通常レンズで無限遠に合うかもね。
※このIRカット(&色補正)フィルタサイズは26.9×19.4mm、厚さ2.7mm。同じサイズの光害カットフィルタと交換するのが一番美しいのだけどね。
※手持ちのカメラのフィルタ(SkyLight)Φ52mmの厚さを測ると2.5mm。これをカットして入れるのも手だな。

■候補1
型番:Astronomik L-Filter UV-IR Blocker Clip-Filter for Canon EOS
価格:75ドル(約8000円)
※下記写真はEOSのDシリーズと思われる。kissシリーズと間違わないように。

 

候補2

サイトロンジャパン社
LPR-N フィルタ キヤノンEOS用(Light Pollution Reduction-Nebula Filter)
価格:13,800円

 

追記:これに決定したので、グラフをまとめたものを記載する。

 

IR改造したEOSではHα(656nm)、SⅡ(672nm)がよく写ることが期待できそうである。


■候補3
IDAS社 
LPS-P2(Light Pollution Suppression P2)
価格:16,000円+8,600円(アダプタ)
LPS-D1(Light Pollution Suppression P2)
価格:16,000円+8,600円(アダプタ)
※P2とD1は特性は似ているが長波長側のカットラインが異なり、P2は700nm、D1はSⅡ(672nm)がぎりぎりとなる。D1の方が赤かぶりが少ないとのこと。


 
 
■候補4
型番:Astronomik EOS Clip-Filter CLS
価格:18,000円


■結論
金銭的理由により候補1か2、4だな。
市街地との理由で"光害カットをやってる感"のある候補2か4で進めよう。

■追記
  オリオン星雲など結構満足する写真が撮れたのだが、また色々欲が出てきた。Kenko MC R1という赤色のみのフィルタとLPR-Nを組み合わせるとHα専用のフィルタとなることを知った。下図がそれ。

 
このMC R1フィルタはLPR-Nよりずっと安価であり、次のアップグレードには検討に値する。これで何をしたいかというと、海辺での撮影から、ベランダでの撮影に戻りたいのです。長時間露光が増えてくるとベランダからがいいよね。・・・ね!。