■2015年11月
オートガイドに向けたハードウェア製作も残すところ制御装置のみとなった。これまでの赤道儀は一軸駆動で、秋月電子のステッピングモータドライバを改造して使用していたが、今回新たに二軸制御用の制御装置を製作する。まず全体システム構成を示す。
制御装置周辺に書いている数字はIO数であるり、モータ制御に4x2、シャッターに1、シリアル通信用に2の合計11点。18pinのPICのIOは16で、発振子を使う場合は14となり余裕は2点。
赤道儀制御基板の回路が上図となる。CADで書けばいいのだが、使い方を習得する元気がないので、OpenOffice Drawでちまちま書いた。
そしてちまちまはんだ付けした回路が下写真。
さて難航したのがUSB-シリアル変換。
そして次の難関。ケースに収めるためにUSBとシリアルのコネクタを取り外し、リード線をはんだ付けするのだが・・・、シリアルコネクタをはずす時に集中力が途切れ基板のパターン部を一部剥がしてしまった。そのため極細のICの足にリード線をはんだ付けという曲芸に挑むこととなった。ちょっと失敗すれば隣の足とも短絡してしまう・・・。震える手で”ちょびっとはんだ付け”成功。しかし非常に脆い感じ。その周辺をエポキシで固めて何とか補強。
そしてケースに収め一通り完成。
うむ、手作り感満載のいい画である。
操作アプリはPlaris Controllerと命名。あれ、ちょっとつづり間違えてない? ・・・そう、本当はPolaris Controllerとしたつもりだったのだが、VBのプロジェクトファイル作成時に間違えたようだ。しばらくしてから気がついたのだが、プロジェクト名の変更方法がわからなかったので、このまま行く。そしてオートガイダーはGAGP1(ありがとう天文我楽苦多工房さん)。試験時はちょっと風が強く、一時RAが振られているが他はまあ合格(というか私的には満点)。
はやく望遠鏡を載せて撮影したい・・・と気がはやるが梅雨に突入し天候に恵まれない。
・・・しばらく梅雨日が続き、オートガイド撮影試験はお預け。なので黙々とソフト制作となる。ソフト作成はだらだらと目標もなく続けられるので、いいような悪いような・・・。でもおかげでだいぶ雰囲気が出てきた。まだ雑だがこんな感じ。
■2015年7月24日
いったいいつになったら梅雨明けがくるんだ・・・(怒。
まあ、しかしながらベランダ活動を封印されたおかげでソフトウェアの開発がどんどん進んでいる。現在の開発状況はこんな感じ。いつのまにかWindows10へのお誘いが来ている。
なんとなくガイドは出来ているようだが、やはりRAモータが非力で脱調している。上記のGAGP1の画面では偏差がほとんどなく(1dotほど)制御できているのだが、現状では4dotほどの偏差がある。まあ、GAGP1の撮影時は赤道儀にガイドカメラだけ載せている状態だったが、今回はビクセンの1000mm反射鏡を載せての試験なので駆動系にかかる負荷はずいぶん増えているのだろう。1000mmでのオートガイドの項目にも記しているが、どうもこのフルセットでは赤経駆動が不足しているようだ。まだまだ頭の痛い課題が出てきてうれしいね。いや、なげやりではなく・・・。
赤経用モータと赤緯用モータを交換した。赤緯用モータの方が巻き線抵抗が小さく(68Ω)、トルクが大きいのだ。寸法もこちらの方が小さい。赤経用モータは180Ωで寸法が大きい。サイズ的な理由でトルクの大きいモータを赤緯側に取り付けていたのだが、取り付け部分を改造して、トルクの大きい方を赤緯に取り付けた。それで試験した結果がこれ。
タイトロープを何とか渡りきり、通信系の動作確認。一応の動作は確認できた。
うむ、手作り感満載のいい画である。
これで制御装置のハードウェアは完成。
ソフトについてはあまり書くことはないが、おまけでちょっと記述。オートガイドの制御系は試行錯誤はあったが、程なくして動くようにはなった。そしてつづけて自動導入部の作成にかかった。
ばら星雲にチャレンジした時に痛感したのだが、目で見えない対象を撮るのは困難を極める。撮影のためには対象周辺の明るい星を視野に入れて、そこからは自動導入にしなければ”楽しい撮影”とはならない。自動導入といっても、モーターが非力なのでゆっくりしか動かない。のであまり遠くのターゲットに向けるのは実用的ではなく、1~3度程度の範囲だろう。
ソフトはとにかくやればできると思っていたが途中でメモリが足りません・・・とコンパイルできなくなった。PICのプログラム容量ってこんなものか!? その後は如何に簡単な構造で自動導入を実現できるかと設計を見直し、メモリ消費の少ないコードの書き方も研究し、ぎりぎりメモリに収まる形で完成した。
今後はWindows側の操作ソフトの拡充に力を入れていく。目標としては星空を描画し、マウスドラッグで位置を操作。そして目標となる星をクリックで選んでいけるようなものをと考えている(ちょっとハードル高そう)。
書き忘れていたが(いやすでに以前書いたかな?)、GAGP1と赤道儀のインターフェースは本来USB-IOなのだが、これをシリアルに置き換えるのにもっとも労力を使った。USB-IOとのインターフェース用のDLLと同じ名前で同じ関数で構成されたDLLを作成した。その中ではUSB-IOに指令を出す代わりにシリアルで指令を出すようにしている。18pinPICのIOの少なさゆえに苦肉の策である。
オートガイドの試験撮影の結果を記す。
ソフトについてはあまり書くことはないが、おまけでちょっと記述。オートガイドの制御系は試行錯誤はあったが、程なくして動くようにはなった。そしてつづけて自動導入部の作成にかかった。
ばら星雲にチャレンジした時に痛感したのだが、目で見えない対象を撮るのは困難を極める。撮影のためには対象周辺の明るい星を視野に入れて、そこからは自動導入にしなければ”楽しい撮影”とはならない。自動導入といっても、モーターが非力なのでゆっくりしか動かない。のであまり遠くのターゲットに向けるのは実用的ではなく、1~3度程度の範囲だろう。
ソフトはとにかくやればできると思っていたが途中でメモリが足りません・・・とコンパイルできなくなった。PICのプログラム容量ってこんなものか!? その後は如何に簡単な構造で自動導入を実現できるかと設計を見直し、メモリ消費の少ないコードの書き方も研究し、ぎりぎりメモリに収まる形で完成した。
今後はWindows側の操作ソフトの拡充に力を入れていく。目標としては星空を描画し、マウスドラッグで位置を操作。そして目標となる星をクリックで選んでいけるようなものをと考えている(ちょっとハードル高そう)。
書き忘れていたが(いやすでに以前書いたかな?)、GAGP1と赤道儀のインターフェースは本来USB-IOなのだが、これをシリアルに置き換えるのにもっとも労力を使った。USB-IOとのインターフェース用のDLLと同じ名前で同じ関数で構成されたDLLを作成した。その中ではUSB-IOに指令を出す代わりにシリアルで指令を出すようにしている。18pinPICのIOの少なさゆえに苦肉の策である。
オートガイドの試験撮影の結果を記す。
操作アプリはPlaris Controllerと命名。あれ、ちょっとつづり間違えてない? ・・・そう、本当はPolaris Controllerとしたつもりだったのだが、VBのプロジェクトファイル作成時に間違えたようだ。しばらくしてから気がついたのだが、プロジェクト名の変更方法がわからなかったので、このまま行く。そしてオートガイダーはGAGP1(ありがとう天文我楽苦多工房さん)。試験時はちょっと風が強く、一時RAが振られているが他はまあ合格(というか私的には満点)。
はやく望遠鏡を載せて撮影したい・・・と気がはやるが梅雨に突入し天候に恵まれない。
・・・しばらく梅雨日が続き、オートガイド撮影試験はお預け。なので黙々とソフト制作となる。ソフト作成はだらだらと目標もなく続けられるので、いいような悪いような・・・。でもおかげでだいぶ雰囲気が出てきた。まだ雑だがこんな感じ。
この画面でマウス操作して対象の天体を選択し自動導入する。特にカメラフレームを描画することで、カメラの角度を事前に把握できるようにする。オリオン星雲を撮る場合、下のようにフレームアングルを確認することとなる。
いったいいつになったら梅雨明けがくるんだ・・・(怒。
まあ、しかしながらベランダ活動を封印されたおかげでソフトウェアの開発がどんどん進んでいる。現在の開発状況はこんな感じ。いつのまにかWindows10へのお誘いが来ている。
導入ソフトとしてはほぼ完成。シャッター制御も実装した。フォーマットはほとんどIntTimerのぱく○(もうしわけありません、天文我楽苦多工房さん)。
恒星データはNASA からヒッパルコス星表を入手した。その際にはpablo foussinさんのページを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
しかし驚いた。恒星のデータ数は11万超え。全部描画すると見難いし重いしで、6.5等星以上明るい星を抽出して使っている。それでも9千以上。そんな数のデータが簡単に入手できるとは。さすがネット社会。当初はMEGASTARの大平貴之のページで入手したデータを使う予定だったが確か3千くらいだった。 そのデータに星雲や銀河のデータをWikiで調べて手作業で追加。表示はいい加減だが(上図のように楕円で表示)場所と大きさがわかるので役には立ちそう。
さて、実は・・・。ちょっと梅雨のせいで(おかげでだな)、さらにソフト開発が進み、オートガイド機能も本ソフトに実装できそうなのである。オートガイドの撮影チェックした時に、いくつものアプリを使うのはかなり非効率と実感した。なので、できれば本アプリだけで完結したい。シャッター制御を組み込んだのもそのため。しかし画像処理を組み込むのはちょっと敷居が高い・・・と躊躇していたのだが、openCVというソフトを試してみたら思いのほか順調に進んだので実装を決意。もうひとつの理由としてGAGP1にはガイドカメラの角度調整機能がないため、撮影には結構なストレスとなっていたことが上げられる。何しろ手作り適当ガイド筒なので、角度調整しようとカメラ部を回転させるとピントもずれてしまうので大変。
ガイドソフトの開発状況は
①webカメラの画像取り込み
②対象星周辺のトリミング(座標は事前にマウスクリックで指定)
③画像をRA方向に回転(回転角度は事前にキャリブレーション)
④星像重心計算用に前回重心まわりにトリミング
⑤画像の二値化&重心計算
まで確認している。下図が確認画面。
恒星データはNASA からヒッパルコス星表を入手した。その際にはpablo foussinさんのページを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
しかし驚いた。恒星のデータ数は11万超え。全部描画すると見難いし重いしで、6.5等星以上明るい星を抽出して使っている。それでも9千以上。そんな数のデータが簡単に入手できるとは。さすがネット社会。当初はMEGASTARの大平貴之のページで入手したデータを使う予定だったが確か3千くらいだった。 そのデータに星雲や銀河のデータをWikiで調べて手作業で追加。表示はいい加減だが(上図のように楕円で表示)場所と大きさがわかるので役には立ちそう。
さて、実は・・・。ちょっと梅雨のせいで(おかげでだな)、さらにソフト開発が進み、オートガイド機能も本ソフトに実装できそうなのである。オートガイドの撮影チェックした時に、いくつものアプリを使うのはかなり非効率と実感した。なので、できれば本アプリだけで完結したい。シャッター制御を組み込んだのもそのため。しかし画像処理を組み込むのはちょっと敷居が高い・・・と躊躇していたのだが、openCVというソフトを試してみたら思いのほか順調に進んだので実装を決意。もうひとつの理由としてGAGP1にはガイドカメラの角度調整機能がないため、撮影には結構なストレスとなっていたことが上げられる。何しろ手作り適当ガイド筒なので、角度調整しようとカメラ部を回転させるとピントもずれてしまうので大変。
ガイドソフトの開発状況は
①webカメラの画像取り込み
②対象星周辺のトリミング(座標は事前にマウスクリックで指定)
③画像をRA方向に回転(回転角度は事前にキャリブレーション)
④星像重心計算用に前回重心まわりにトリミング
⑤画像の二値化&重心計算
まで確認している。下図が確認画面。
OpenCVはC++用だが、C#やVBからでも使えるように関数コールパッケージされてOpenCVSharpというものが用意されている。ただし、VBから使っているサンプルが少なく、初期導入には苦労した。しかし一定の情報が集まると後は順調に進み、基礎部分はほぼできた。これから整理し、自作アプリに実装していく。
■2015年7月28日
また台風が来た(12号)。晴れない。というわけでだらだらソフト作成を続ける。雲間が切れた夜に画像を記録。星像重心処理やガイド制御の動作確認に使うためである。複数フレームの合成機能を確認時に驚いた。
もとも画像がこれ。
そして8フレーム合成したものがこちら。
小さい画像ではわかり難いが拡大して見比べると(画像の右下にマウスを合わせると拡大する)、なんかすごい。こんなに星が写るのか。300円で買ったwebカメラで。なんだか感動。科学の勝利だね。・・・とかなんとか感動に浸ったのは小一時間。他にも取った画像を見比べて悦に浸っていたのだが、はたと気づいた。他の画像でもまったく同じ位置に星が輝いている。つまり背景に写っているのは星ではなく、CMOSのノイズ。まあ・・・めげるな。失うものは何も無い。
■2015年8月2日
やっと晴れたので早速オートガイドの実機試験を実施。上記からソフト開発もかなり進み、想定していた機能はほぼ実装。実機試験で使い勝手を詰めていく。
■2015年7月28日
また台風が来た(12号)。晴れない。というわけでだらだらソフト作成を続ける。雲間が切れた夜に画像を記録。星像重心処理やガイド制御の動作確認に使うためである。複数フレームの合成機能を確認時に驚いた。
もとも画像がこれ。
そして8フレーム合成したものがこちら。
小さい画像ではわかり難いが拡大して見比べると(画像の右下にマウスを合わせると拡大する)、なんかすごい。こんなに星が写るのか。300円で買ったwebカメラで。なんだか感動。科学の勝利だね。・・・とかなんとか感動に浸ったのは小一時間。他にも取った画像を見比べて悦に浸っていたのだが、はたと気づいた。他の画像でもまったく同じ位置に星が輝いている。つまり背景に写っているのは星ではなく、CMOSのノイズ。まあ・・・めげるな。失うものは何も無い。
■2015年8月2日
やっと晴れたので早速オートガイドの実機試験を実施。上記からソフト開発もかなり進み、想定していた機能はほぼ実装。実機試験で使い勝手を詰めていく。
上はガイド時の画面。右下の星表というボタンを押すと、オートガイドの画面が、星表画面(下)に切り替わる。
なんとなくガイドは出来ているようだが、やはりRAモータが非力で脱調している。上記のGAGP1の画面では偏差がほとんどなく(1dotほど)制御できているのだが、現状では4dotほどの偏差がある。まあ、GAGP1の撮影時は赤道儀にガイドカメラだけ載せている状態だったが、今回はビクセンの1000mm反射鏡を載せての試験なので駆動系にかかる負荷はずいぶん増えているのだろう。1000mmでのオートガイドの項目にも記しているが、どうもこのフルセットでは赤経駆動が不足しているようだ。まだまだ頭の痛い課題が出てきてうれしいね。いや、なげやりではなく・・・。
赤経用モータと赤緯用モータを交換した。赤緯用モータの方が巻き線抵抗が小さく(68Ω)、トルクが大きいのだ。寸法もこちらの方が小さい。赤経用モータは180Ωで寸法が大きい。サイズ的な理由でトルクの大きいモータを赤緯側に取り付けていたのだが、取り付け部分を改造して、トルクの大きい方を赤緯に取り付けた。それで試験した結果がこれ。