O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

1-2.二代目ホームシアター製作のおさらい

■2015年6月

  最近は天体撮影に夢中だったのだが、梅雨により屋外活動(主にベランダ)は閉店状態。週末はホームシアターで映画鑑賞でもしようと久しぶりにレンタルビデオに足を運んだ。数年前甥っ子に薦められた「言の葉の庭に」というアニメ作品が目的なのだが、貸し出し中であった。がっくし。じゃあ頭をからっぽにして見れるSFでも・・・。選択肢は旧作の100円品だが、ぎっちりならんだ背表紙ばかり見ていると集中力が途切れて・・・。最後は適当に「ロスト・ヴォイジャー」というのを選択。あまり面白くなさそうだが、中途半端に名前を知っている作品だと「おもしろくないのでは?」という先入観があってねぇ。
  さて本題に戻ると、梅雨ということもありこのブログを見直していると、二代目ホームシアターの収納ケースについて記録していないことに気がついた。少し時間が遡るが製作記を記す。HID化などTW20がメインに記録しているので、MB70X(二代目)について再編集する。
製作記のざっくりとした項目
 1.分解と内部構造
 2.HIDランプ改造と外部電源インターフェース
 3.75Wバラスト
 4.映像評価
 5.筐体製作
          となる。

■2014年4月頃
まずはプロジェクターのケース分解

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次に制御基板をはずす。

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 手前左半分がランプ、手前の右半分が光学系。奥が電源。中央付近にある基板の上にDMDが載っている。DMDはデジタルマイクロミラーデバイスの略で、要は画素の1dotに相当する鏡を動かして、画素の点灯・消灯を制御するものである。高速でON/OFFを繰り返し、ON/OFFの比率を変えると明るさが変わる。それだけでは単色しか表現できないため、光源とDMDの間にカラーホイールを入れて、3原色(またはそれ以上)を作り出しているのだ。
もうすこしばらしてみよう。次に電源を取り外す

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 基本的にこれだけのパーツでプロジェクターを構成できるのかぁ。思ったよりシンプルだな。
電源は大きく分けて、メイン基板駆動用と光源駆動用になる。光源は自動車用HIDランプを代用するため、元の光源用電源は必要なくなる。HIDランプは自動車用のバラストに接続し、外部12V電源(自動車のバッテリ電圧と同じね)で駆動する。その外部12V電源はプロジェクターに制御させる必要がある。なぜって、プロジェクターが止まっていて、12V電源が動作していると、冷却ファンが動かないままランプの温度は上昇して壊れてしまうので。
 そこで光源のON/OFFの指令を外部に取り出す。回路図など手に入らないので回路を眺め回し、下記コネクタがメイン基板⇔光源電源の入出力と判明。メイン基板からはランプ点灯指令が2種類、光源電源のFB状態を1つリターンしている。コネクタの奥に見えるのがフォトカプラ。これを取り外して外部電源側に配置すればいけそうだ。

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 光源点灯指令と電気回路は下記の通り。二種類の指令の役割分担は明確ではないが、指令A(青チャート)を光源用の外部電源ON/OFF指令として使う。指令B(赤チャート)はおそらく初期点灯時の動作に関係するものと思われる。

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 ヤフオクゲット時には切れていたランプに、自動車用75W(6000K)のHIDランプを耐火パテで接着した。

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■2014年10月頃
光学系はこのようになっている。

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反射鏡の拡大。このネジで光軸調整をするようだ。

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光学系の画素表示能力を確認。下記の画像をPC出力でプロジェクターに映す。小さい点は1dotになる。上が元画像、下がプロジェクター投影映像。

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赤色が緑、青に比べ下に映る。なるほど、これは反射鏡による調整が必要なのだろう。・・・と理解したのは組み立てたあと。また分解する元気はしばらくは出てこないので光軸調整はしばらく後にしよう。

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ちなみにこれが反射鏡。左の光源から来た光が反射鏡で奥のDMDに投影される。それが反射して手前の対物レンズに出力されるわけだが、DMDの手前に凸レンズがある。ここを通る時にRGBの屈折率の違いで上下方向に色が分かれるのだろう。

 

自動車用のバラスト。プロジェクターの光源用電源に相当する。

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映像評価の風景。

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■2014年12月頃
筐体の製作を開始
冷却空気の通路を考え筐体の形状を決定する。
DLPプロジェクターは構造上、投影方向がかなり上方に向くので、転地を反転しかつやや上向きに設置することになる。

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全体を組み立てたらこんな感じ。かっこいいぞ(^^)!

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ぎりぎりサイズのケースを作ったので、電源用の100Vコネクタも出っ張って、取り付けられないので廃止し、はんだで直づけに変更。

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光源用電源のON/OFF指令用をフォトカプラ受けにし、外部へ出力する。これで外部光源用12VをON/OFFする。

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操作パネルを筐体全面で操作できるように、各SWの接点を延長する。
きたない(笑。

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この信号線をコネクタ受けして外部へ。

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操作パネルはジャンクPCのマザーボード基盤から切り出して使う。ここにSWを接着。

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これを筐体全面に取り付ける。裏側もきたない(笑。

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SWボタンは金属のダボ(かな?)を流用。みた目ちょっと高級に見える。が、操作によってはポロッっとすぐに取れ、どっかに転がっていく (^^;

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操作ボタンの配分はこの通り。

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本来はこれだけの機能があるのだが、自動同期調整やオートフォーカスは使わないので実装しない。キーストン補正やズーム/フォーカスは爪楊枝を穴に差し込んでボタンを押すようにしている(赤三角)。頻繁につかうボタンは金属SWで実装している(赤丸)。

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筐体をニスでペイントし、装置一式を取り付け。

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天板を取り付けるとこんな感じとなる。うむ、かっこいい。

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これをクロークに設置。初代よりだいぶ美しい仕上がりとなった。
二代目プロジェクターが完成したのは2015年3月であった。

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