O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-4.オートガイドへの道その4(1000m望遠鏡で撮影チャレンジ)

■2015年11月2日

  オートガイド環境がほぼ整い、いざ撮影チャレンジ!・・・と気持ちははやるが、どっぶりと梅雨空に覆われた日々が続く。仕方ないので操作系のアプリケーション開発をぐだぐだと続ける。
  ・・・と思っていたら台風10号が通り過ぎ、一瞬星空が広がった。あわてて散らかっていた機材をベランダに出し、オートガイドのテストを行った。フルセットで試してみると色々と不具合が浮き彫りになる。まず、ガイド鏡のガイドスコープがあまりにもへにゃへにゃである。少し触ると軸がずれガイド星の導入が困難になる。また、今回は主鏡は対象物を狙わず、適当な方向で背景星の流れ具合だけを評価したのだが、主鏡で対象星を狙うには、ガイド鏡の取り付けが雲台では心もとない。微動できるタイプが必須となる(やっぱりね)。
 撮影結果を以下に示す。まずは天頂付近でのガイド動作確認。

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カメラ EOSkissD(IR改/日時:2015年7月15日/月齢:0日(新月)/空透明度:60%/撮影場所 ベランダ
撮影内容 天頂付近 / フィルター LPR-N
撮影条件 バルブ 60sec / ISO 1600 / レンズ VIXEN 1000mm直焦点 /オートガイド

 

60秒くらいだとそれほど流れない。次に300秒にチャレンジ。ISO1600では白っぽくなるのでISO800に落として撮影。

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カメラ EOSkissD(IR改/日時:2015年7月15日/月齢:0日(新月)/空透明度:60%/撮影場所 ベランダ
撮影内容 天頂付近 / フィルター LPR-N
撮影条件 バルブ 60sec / ISO 1600 / レンズ VIXEN 1000mm直焦点 /オートガイド

 

まあ流れているが、システムチェックと考えれば70点くらいはあげてもいいかな?
次にダークノイズについて評価。

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カメラ EOSkissD(IR改/日時:2015年7月15日/月齢:0日(新月)/空透明度:60%/撮影場所 ベランダ
撮影内容 天頂付近でダークノイズ評価 / フィルター LPR-N
撮影条件 バルブ 300sec / ISO 800 / レンズ VIXEN 1000mm直焦点 /オートガイド

 

ダークノイズ、ちょっと多くない?以前評価した時は300secでもここまで多くなかった。以前の評価は寒い時期に行ったので、今回のように夏になるとダークノイズが増えるということだろう。ちょっと試しにGIFアニメにしてみた。

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ふむ、なるほど。ダークでノイズまみれでも処理するとかなり改善されるんだな。ここまでダーク減算処理の効果を実感したのは初めてだ。

  さて今回のシステムチェックで問題となったガイド鏡のガイドスコープなのだが、もう少ししっかりと固定しなければ話にならない。

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上の写真がオリジナルである。ガイド鏡は手で動かすとすぐに向きが変わってしまう。これを丈夫なものに改造する。ホームセンターをぶらつき使えそうな物を物色。塩ビの水道管接続管(100円)を購入。間に木材を入れて完成。

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これくらいの作りにしておけば強度は十分だろう。

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うむ、満足だ。手作り感がどんどん濃くなっていくのはなんだかうれしい。

そしてしばらく時間経過。梅雨は明けたが水蒸気の多い日が続き星はあまり見えない。すこし星が見えた日に再度オートガイドテスト

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カメラ EOSkissD(IR改/日時:2015年8月15日/月齢:0.5日/空透明度:60%/撮影場所 ベランダ
撮影内容 天頂の北アメリカ星雲(のはず) / フィルター LPR-N
撮影条件 バルブ 600sec / ISO 1600 / レンズ VIXEN 1000mm直焦点 / オートガイド  / ダーク処理&FlatAide
 

うん、まずまずガイド出来ているようだ。撮影場所は北アメリカ星雲(のはず)だが、何にも写ってない(とほほ)。自作ソフトで初めて自動導入を動かした記念すべき写真なのだがね・・・。デネブを手動で導入し、そこからの自動導入なのだからそんなに狂うとは思えないのだが。まあ600秒ガイドで特に目立った星の流れは無いのでまずは合格だな。あと、ベランダからISO1600で600秒のバルブ解放撮影ができることに驚いた。まあ画像は結構白かぶりしていたが、画像処理でそれなりに星空っぽくなる。ガイド動作は次の通り。

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左下のトレンドがRAとDECの偏差であるが、±1dot以下。うん!合格。

・・・その後、何度かオートガイド撮影の練習をしたが、ガイド星の導入に手間取る。ファインダーの十字線(レティクル)が見難いのが主因。LEDでレティクルを照らす装置(暗視野照明装置)を作ろうと思ったわけであるが、どうせならちゃんとしたファインダーを入手して・・・、と思いヤフオクをぶらぶら。で、これを入手。

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 漱石さん二人弱で入手。ただ、レティクルは切れているとのこと。まあレティクル張りにチャレンジするいい機会だ。
まずはR-1000のファインダーを分解し、レティクルがどういうものか確認する。

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かなり細い線だな。不用意に触るとすぐに切れちゃいそう。イヤホンのケーブルの線が似た太さだったので採用する。

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上がイヤホンのケーブルで、下がファインダーの中に残っていた切れたレティクル。比較するとイヤホンケーブルはちょっと太いけどまあいい。このケーブルを慎重に十字に張って端をエポキシで接着する。

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ちょっと十字線がゆがんでいるけど、まあ合格にしておこう。

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次に暗視野照明装置の製作にかかる。赤色LEDで斜めからレティクルを照らしてやればいい。

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赤色LEDを斜めに切ったアルミ円管に固定し、ファインダー側にも取り付け穴をあける。角度を決めて固定し、まわりをエポキシで固定する。

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上の写真はだいぶ汚いけど、この後やすりで形を整形する。

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LEDが照らす軸線上に十字線の中心がくる(はず)。

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ファインダーのガイド鏡筒への固定は木辺で適当な台座を作り真っ黒にスプレーして、木ネジで固定。かなり歪なプロポーションになったが、望遠鏡にセットした時にはこの形状が生きてくる(計算の上ではなくたまたまの話だけど)。

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近所の住宅街を見たらこんな感じ。ちょっとレティクルが太く感じる。また垂直線はうまく光を反射しているが、水平線は下側のみが反射していて少し不自然。まあ導入は非常にやりやすくなった。