O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-5.R-100Sの光軸調整と鏡の洗浄

4-5.R-100Sの光軸調整と鏡の洗浄

アリガタ・アリミゾも完成し、R-100Sの装備一式が完成した。まだ光軸調整はやっていないが、せっかく星が見えているのでオートガイド撮影を実施。
白鳥座近辺を撮ってみた。というか北アメリカ星雲を撮ったつもりだが、影も形も映らない。デネブを捉えて、そこから自動導入したのだが、何か間違えている?。まわりの光害で見えないだけだと思うが。・・・いや、今はそこが問題ではなく、星像が問題。
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                   カメラ:EOSkissD(IR改 / 2015年9月21日 / 月齢8日 /  透明度70% / 撮影:西南ベランダ
                   撮影内容:デネブ周辺(4枚コンポジット) / フィルター:LPR-N 
                   撮影条件:オートガイド(D50mm,f340mm + webCamQ300) / バルブ開放30sec / ISO:1600 / R-100S(600mm)


なんだか星空に見えない。正直ちょっとショックなくらい。R-100Sの初めての撮影なのに、いきなり愛着が消し飛んでしまうような写真になった。いや、気を取り直してもう少し検証しよう。画像の四隅と中心を切り取ってまじまじと見る。
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中央左下あたりが丸い星像になっているが、左下は縦棒、右上は横棒、右下はなんだか"不"の文字、左上はなに、円弧?これ?。ガイド星はガイド鏡ではビシッと±1dot程度に収まっている。星像を見る限り、流れたという感じでもない。コマ収差だけでもないよね。きっと光軸に起因する問題だ。そうだ、そうに決まっている。と適当に要因をしぼり、次の作業のモチベーションにする。ようし、こうなれば本格的な鏡の洗浄とまじめな光軸調整をしよう。
  さっそく鏡を取り出した。どうせなので、R-1000の方も一緒に洗浄する。
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どっちがどっちだかわからなくならないようにシールを貼る。鏡を見たらどっちだかはすぐにわかるけどね。
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ちょっと前に洗浄したがこれくらいの汚れ。水滴が残っていたようで痕が残っていますね。
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まずは水流で表面についた埃を流す。
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そして中性洗剤をどぼどぼっと鏡の上に垂らして・・・
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いよいよ手洗いだ。前回は鏡面に触るのが怖くて水流で流しただけだったが、今回は勇気を絞って手で洗う。今回の星像のひどさにショックを受けたので過保護はやめだ。筆で鏡面を洗浄するという話もあったが、適当な筆は持ってないし、ネットで調べても、多くの方が手で洗浄してるし、めんどいし・・・、で手で洗う。
手にも中性洗剤をつけてあわ立ててから、いざ鏡面へ。三本の指の腹でやさしくなでる。・・・なるほど、ネットで見たように洗剤の膜が鏡と指の間にできるので、あまり直接触っているという感じはしませんね。
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そして水で流す。今回は60℃のお湯で流した。水分が早く蒸発して水滴が残りにくいだろうとの判断から。水流をみると、前回の洗浄時に気になった淀みがほとんど気にならない。下が前回の気になった淀みの写真。
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ちょっとわかりにくいが、淀みがあるんです。心眼で見てください。
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次はセンターマークの貼り付け。パソコンで反射鏡直径の丸を描き、中心に十字を印刷する。
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真ん中を切り取り、鏡にかぶせて中心にマジックでマーク。
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斜鏡も同様に。
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こんな感じ。
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次にセンターマークの製作(製作って程のもん?。私の本気の証としてカッターを新品刃に換装(はじめは刃を折って本気度を示そうとしたが、刃全体がボロボロなので交換へ)。ぶたさんのシールは妻にお願いして譲ってもらった。その余白にワッシャーを置いて鉛筆で型取りし、カッターで切り取る(文字にするほど内容か?。
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マーキングした中心にペタッと貼る。そして組み立て。反射鏡の固定ネジはそっと締める。もしかして星像が悪いのはこのネジの締めすぎで鏡が歪んでいるのかもという配慮から。そもそも反射鏡の固定方法が良くないよね。結構大きな爪、3つで固定ってさあ。余裕ができて、まだ本望遠鏡に愛着が残っていれば反射鏡の固定についても考えよう・・・。
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反射鏡は手洗いしたので非常にきれいになった。
それと、斜鏡なんだが、洗浄してもなんかいまひとつきれいにならない。埃のようなものが付着しているようで、なんど手洗いしてもきれいにならない。カメラで写してもその付着物はうまく映らないんだけど、光軸調整時の撮影で決定的証拠を入手。
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これは接眼部からの撮影なのだが、フラッシュをたいたら映った。何?このぶつぶつは。次回もっと本気で手洗いしてみるが、メッキ本体が荒れているように見える。
まあこの問題はしばらく置いておいて、光軸調整にチャレンジ。使えそうな物を探して、ゴミ箱から昨日食べた食材のふたを回収(もちろん、よく洗いました。てへっ。
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十字スコープをカッターで描き丸く切り、20mm接眼レンズの延長筒のパコッとはめ込む。まあ、お世辞にも光学系の調整器具には見えないが、無いよりはましだろう。
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っと良く見たら十字線が中心に空けた穴からずれている。いい加減だな!
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これで光軸調整してみる。
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要するに接眼部の軸線上に斜鏡の中心を通り、主鏡の中心を通って反射してきたらいいんだよね。レーザーコリメーターとかほしいけど、もっと愛着が沸いて来てからだな。
今回を機会にR-100Sの色を白黒で統一する。薄緑(かな?)色はセンス無いと思うよ、ビクセンさん。鏡筒先端と後端をR-1000と交換。
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うん、やっぱり望遠鏡は白黒が似合う。これで薄れてきたR-100Sへの愛着を取り戻せるか?  身代わりになられたR-1000は哀れな色あいになられて・・・、お気の毒に。心の底では、実は君の方が真打になると思っているんだよ(お世辞じゃないよ。
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主鏡側から覗く。センターマークがあると高級機種に見えるねぇ。

・・・そうこうしているうちにシルバーウィークも終わり、次に来たのはまた台風。この週末は星は見えそうにない。じゃあ気になっていた斜鏡の洗浄しよう。100均に寄って下記洗浄道具を買ってきた。
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女性用品売り場で、「毛先の硬さはこれでいけるか?こっちはどうだ?」とかぶつぶつ言いながら買い物する姿は、さぞあやしかっただろう。購入後毛先を触ってみたがちょっと硬すぎるような気が・・・。しかしすでにR-100Sの過保護期間は終わったので突き進むのみ。
帰って斜鏡を取り外し、まずは現状分析。斜鏡の表面を眼で見ても、ループで見ても目立った埃はほとんど見えない。カメラで写しても同じ。ただ前回は接眼部から覗いてフラッシュをたくと映った。斜鏡を取り外していろんな角度から撮影するがうまく映らない。試行錯誤するうちに、手鏡を使ってフラッシュを鏡面に対して浅い角度で当てると映ることが判明。なるほどね、埃の影が映るというわけだ。
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こんな感じである。これはひどい。さっそく中性洗剤をつけてもしゃもしゃする。
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一回目は軽~く、赤子のほほをなでるようにやさしく。そして再度カメラ撮影したが、あまり変化ない。それを三回繰り返してもあまり変化なし。これはやっぱり埃ではなく、メッキ表面が虫食っているのか?とか考えているとだんだん腹が立ってきた。もう多少傷ついてもいい、近い将来もう少し大きい斜鏡を笠井トレーディングで買うつもりだし(愛着が続けば・・・)と四回目、かなり強めにもしゃもしゃした。すると結構改善した。結果がこれ。
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やっぱりこのぶつぶつはこびりついた埃?もっと強くもしゃもしゃしたくもなったが、これ以上強くもしゃもしゃするのは怖いので今回はこの辺で勘弁してやろう。中央に傷があるが、これは洗浄前からなので筆によるものではないだろう。しかしこれで薄らいできた愛着を少し手繰り寄せることができた。
  
  前回、あり合わせのもので光軸調整光を実施し、手応えをつかんだので、もう少しグレードアップする。ホームセンターで塩ビの水道管接続具を購入し、下記のコリメーションアイピースを製作した。
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 本来の使い方はわからない延長菅(上側)と接続管(下側)を接着剤で繋いでいる。接続管がちょうど24.5mmだったので、アイピースにぴったり収まる。そして両端に十字線を張る。まずは覗き口側の中心を描く。望遠鏡の接眼部に差し込んで、中心付近に鉛筆を固定。そしてくるくると回せば、回転軸まわりに小さな円が描かれる。
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この円と一致するように十字線(レティクル)を張る。前回のファインダーのレティクルを張った時は細さを優先したが、今回は多少太くてもいいのでケーブルを剥いて使用。
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塩ビ管に穴を空けてケーブル素線を十字に張る。
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これが覗き口側の十字線。
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そして、これが接眼出口側。なかなかうまくできた。
早速光軸調整をしてみる。まずは、接眼部中心軸と斜鏡の中心を合わせる(斜鏡の前後位置調整)。この時、斜鏡の後ろに紙を置くと、斜鏡に余計なものが映らないので斜鏡中心マークが見やすい。
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接眼部から覗くとこのように見える。
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出口側の十字線にピントを合わせているので、覗き口十字線や、斜鏡中心マークはピンボケで見にくいが、眼視であればそれほど見にくくもない。3つの中心が一直線になるように斜鏡の前後位置を調整すればいいのだ。
  次に斜鏡の向きを調整し、主鏡の方向に向ける。覗き口中心と接眼出口中心、そして斜鏡中心の軸線上に主鏡のセンターマークが見えるように斜鏡の向きを調整する。最後に主鏡の調整。光軸の先に自分の目が映るように主鏡の向きを調整する。
  まだまだ精度の良い調整とは言えないが、現時点のレベルでは満足できる出来だ。最後に光軸調整の出来を記録するため写真撮影。紙に十字線を書き、その中心に5mmほどの穴を空ける。それをカメラレンズに貼り付けて接眼部から撮影。
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穴の奥には主鏡のセンターマーク、主鏡に写った斜鏡、そしてカメラの前に貼り付けた十字線が写っている。まあ雑な記録であるが、雰囲気は伝わるだろう。
これで理屈上は光軸調整するための装置は整った。調整はやりずらいし精度は低いが、しばらくはこの調整方法で行こう。
 上写真がわかり難いので、外周から順に詳細記述
   ①カメラレンズに貼り付けた十字線を書いた紙の裏側(真ん中に覗き穴)
   ②覗き穴からの風景
   ③斜鏡本体(主鏡に写っている。右方向に一本スパイダーが伸びている)
   ④カメラレンズに貼り付けた十字線
   ⑤主鏡のセンターマーク
   ⑥一番内側の小さな黒い丸が覗き穴(観測者の目に相当)

レーザーコリメータほしかったが、私のレベルではこれで十分だ。制作費は250円。愛着の証として収納ケースを作ってやった。
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・・・またしばらく経過し、やっと晴れの星空となった。透明度は低いが星は見えている。光軸調整の成果かぁくにんだー(力が入る)。
まず、ベガ
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                    カメラ:EOSkissD(IR改 / 2015年10月6日 / 月齢23日 /  透明度50% / 撮影:西南ベランダ
                    撮影内容:ベガ周辺(4枚コンポジット) / フィルター:LPR-N
                    撮影条件:
オートガイド(D50mm,f340mm + webCamQ300) / バルブ開放60sec / ISO:1600 / R-100S(600mm)
次にデネブ
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                    カメラ:EOSkissD(IR改 / 2015年10月6日 / 月齢23日 /  透明度50% / 撮影:西南ベランダ
                    撮影内容:デネブ周辺(4枚コンポジット) / フィルター:LPR-N
                    撮影条件:
オートガイド(D50mm,f340mm + webCamQ300) / バルブ開放45sec / ISO:1600 / R-100S(600mm)

うん、今度はちゃんと星空に見える。ただ、画角左上辺りが赤味がかっている。初めは熱カブリかと思ったが、ダーク画像を見るとそんなものは写っていない。おそらくマンション廊下の光害が原因だろう。ためしに廊下の光が入りにくい方向を撮影する。
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                    カメラ:EOSkissD(IR改 / 2015年10月6日 / 月齢23日 /  透明度50% / 撮影:西南ベランダ
                    撮影内容:西の適当な方向(4枚コンポジット) / フィルター:LPR-N
                    撮影条件:
オートガイド(D50mm,f340mm + webCamQ300) / バルブ開放75sec / ISO:1600 / R-100S(600mm)

今度は熱かぶりのような赤味は写らなかった。やはり廊下の光害である。
その3枚目の写真で星像を検証する。中央と四隅の星像である。
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まあ合格だ。周辺星像はコマ収差が出ているけど、まあ想定範囲内(右上だけ"不"の文字になってるが・・・、これは見なかったこととして、右に流す)。
前回のファーストライトのひどい出来に、遠のいた愛着を半分ほど手繰り寄せることができた。
  輝星の星像を見て見ると、うわさ通り美しくない。ベガとデネブの星像を等倍で。
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3方向に伸びる影はきっと主鏡固定用の爪でしょう。左右に伸びるのが一本スパイダーの光条かな?
 主鏡周辺の様子を撮ってみました。
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わたなべさんのホームページを見ると、一本スパイダーの場合、スパイダーに対して90度の向きになるとのこと。ん~っと、爪の影はそのままなのかな?であれば星像の光条と影の形と対応しているように見えるねぇ。つまりこういうことかな?。
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一本スパイダーの光条が90度回転するのであれば②の位置に光条が出るし、①の爪の右側の鏡のメッキが剥がれているところと、星像の影の形状が一致する。なんとなくつじつまは合っているよね。
将来的には爪は見えない形状にして、スパイダーはL型に改造しようと思っている。今回は上々の成果だ。
  いや、ちがう。今回も残念なお知らせがあります。上の写真を撮る時、どーせならアンドロメダ銀河も撮らなければ、いやそっちが本命だよね、とばかり張り切ったのだが結果として導入すらできなかった。アンドロメダは天頂付近にあり、西側ベランダから見えるはずなのだが、廊下の明かりがまぶしすぎて見えない。双眼鏡でも見えない。ファインダーを見ようとしても、天頂を見るにはあまりにも体勢が苦しく、下半身がぷるぷるしてぜんぜんだめ。RAとDECの目盛りを合わせて見たがよくわからない。というがっかりした成果でした。何かしらの対策を練らないとあかんなぁ。

   ・・・そしてまた数日後、風呂に入る前にベランダに出ると星が見える。しかもなんか良く見える。これは望遠鏡出撃かぁ・・・、とバタバタ設置。もうねむねむの時間も迫っているし、いつの間にか寒くなってるしで、じっくりと設置とはいかない。極軸だけはなんとか合わせたがガイド鏡の取り付けは省略しノータッチガイドで。アンドロメダがターゲットなのだが、まぶしいマンション廊下灯のすぐ横に位置する(天頂付近)アンドロメダは肉眼では無理、ファインダーは姿勢的に無理、なので2インチ、28mmアイピースをつけて探す。見つけた!もう寒い。時間がない。
バーティノフマスクを使用してのピント合わせも省略。ざっくりピントを合わせて撮影。が・・・、廊下灯がまぶしくて鏡筒内に直接光が当たり、画面半分ほど白くなる。しかたないので、ダンボールで光を遮る。冬支度前の薄着のまま望遠鏡の前にダンボールを掲げ、露出時間耐える。ちょっとつらい。その成果がこれだ。
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                カメラ:EOSkissD(IR改 / 2015年10月11日 / 月齢28日 /  透明度80% / 撮影:西南ベランダ
                撮影内容:M31アンドロメダ銀河(コンポジットなし) / フィルター:LPR-N
                撮影条件:
オートガイド(D50mm,f340mm + webCamQ300) / バルブ開放180sec / ISO:1600 / R-100S(600mm)

一応銀河に見えるかな。アンドロメダ撮影としては合格点としよう。
  周辺減光はセンサ面縦長の90%ほどから。これは斜鏡(Φ35mm)によるケラレと一致する。R-100Sは星雲銀河撮影用と考えているので視野の広さを優先したい。そのため、斜鏡を少し大きくするつもり(笠井トレーディングのΦ41mmを予定)。ちょっと高いけどね。ヤフオクで安いの出ないかな~。
 
  翌々日、ねむねむを我慢して撮った。今度はピント合わせもオートガイドちゃんとした。
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                カメラ:EOSkissD(IR改 / 2015年10月13日 / 月齢0日 /  透明度80% / 撮影:西南ベランダ
                撮影内容:M31アンドロメダ銀河(4枚コンポジット) / フィルター:LPR-N
                撮影条件:
オートガイド(D50mm,f340mm + webCamQ300) / バルブ開放180sec / ISO:1600 / R-100S(600mm)

アメリカ星雲もがんばったけど、もうひとつだ。でも望遠鏡では初撮影なので記念に記録。画像処理とかまだまだこれからだな。
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               カメラ:EOSkissD(IR改 / 2015年10月13日 / 月齢0日 /  透明度80% / 撮影:西南ベランダ
               撮影内容:北アメリカ星雲(コンポジットなし) / フィルター:LPR-N
               撮影条件:
オートガイド(D50mm,f340mm + webCamQ300) / バルブ開放240sec / ISO:1600 / R-100S(600mm)

R-100Sの本格始動にちょっと興奮して翌々日また撮影。お風呂入る前に設置し、入っている最中に撮影、お風呂出て湯冷めする前に撤収。これは結構いいシーケンスだ。