■2016年3月
3つ爪80mmチャックの主軸への取り付けが完了したので、次は主軸の調整を行う。まずは主軸台座下面の平面出しから。初めて分解した時から、台座のあたり面が平面でないことは感覚的に実感しており、気になっていたのである。
主軸台座下面の赤あたりを確認。
赤あたりを確認するために、光明丹を塗った計測用定盤(10mm厚の御影石)上で主軸台座を滑らせるのだが、その時点で、ガリガリっと突起物がある手ごたえ。主軸台座はマイナスの平ネジで固定後、溶接されたものであり、底面の仕上げはかなり粗いグラインダーのようである。平ネジの頭が顕著に出っ張っているようだ。
作業用定盤(50mm厚の石)の上に布やすりを敷いて、主軸台座の底面を平らにしていく。
最後に黒あたりを確認。全面の黒あたりまで出す余裕はなかったが、今回は固定ボルト周辺だけ平面になればOK!とした。
次に主軸後端のベアリングのガタを改善する。前回はアルミホイル(厚さ11μm)を隙間に挟んでいたが、ガタはまだ手で感じるほど残っていた。今回は紙を使う。A4用紙ではきちきちで入らないので、薄い紙を探したところ、レシートがよさげであった。手で押し込むのはきちきちすぎるので、バイスを使って押し込んでいく。
かなりきっちりと収まった。しかしこのままではベアリングを抜く時に問題が出る。というのも、これまではベアリングを抜く時、ベアリング台座は”するっ”と手で引っ張れば抜けるので、プーラーでベアリング本体を掴んで引き抜けば良かった。今回ベアリングとベアリング台座は手で抜くことはできなくなったので、まずベアリング台座をプーラーで掴んで抜く必要がある。そのためにベアリング台座もプーラーでつかめるようにエッジを削って掴む部分を形成した。
こんな感じでベアリング台座をプーラーで掴み、台座を引き抜く。この時に台座とベアリングが一緒に引き抜けるのか、台座だけまず抜けるのかはやってみないとわからない。
最後に主軸の固定方向の調整である。主軸にシャフトを取り付け、往復台を動かし常にバイトとシャフトのギャップが変わらないように調整する。
刃物台にバイトをお尻向きに取り付け、シャフトとのギャップをすきまゲージ(紙)で確認する。・・・・のだが、そもそも主軸の軸が合っていないようで主軸の回転角により、隙間が変化する(隙間ゲージがするっと動いたり、固くて動きにくかったり)。これはチャック取付のベースの製作精度に問題があるのか、チャック自体の精度に問題があるのか・・・。まあ、今は深追いはやめておこう。
そして、往復台を左右に動かしても主軸とバイト(のお尻)のギャップが変化しないように主軸台座の向きを調整。
次はモーター側のプーリーの加工を行う。これまではボール盤のプーリーを使っていたのだが、毎回取り外す手間がめんどい。購入時にモーターに付いていたプーリーを加工して使うことにする。このプーリーはちょっと直径が大きいので直径の小さいプーリー部分を加工する。そのために必要な突っ切りバイトを切断。切断しないと切削切子飛散防止ケースと干渉するからね。
はじめに斜剣バイトで溝を切削していく。が、なかなかうまく削れない。
まったくの余談だが、最近湯たんぽを愛用している。ニトリで300円ほどで購入した2Lの湯たんぽだ。もともと妻が冷え症で、その対策に購入した。私が先に布団に入っている場合は私を湯たんぽ代わりにするので問題ないのだが、妻が先に寝る場合は足が冷えてなかなか眠れないのが悩みだった。しかしこの湯たんぽは優秀で、ほんわかしたあったかさには感動していた。唯一の気がかりが「低温やけど」。どういうものかよく分かっていなかったが、注意書きにも大きく書いていたし、ネットで「湯たんぽの使い方」を見ると、特に注意するように書いている。対策として分厚めのタオルをぐるぐる巻いていた。数週間使っていてまあ問題なさそうなので油断していた。妻が不在で私一人の時も使っていたのだが、ある日足の小指の外側がひりひりする。どっかでこすってやけどしたようだ。2~3日して水ぶくれが大きくなってきた。なんかつぶしたくなって、針でさして(炎で消毒はした)中の水を抜いた。しかし翌日また膨れてきた。この水が邪魔して回復が遅いのだろうと、ニッパで切ってやった。その翌日の状態がこんな感じ。
妻に見せると、「それ低温やけどじゃない。水ぶくれを針でつぶしたらダメってネットで書いてるよ」。ええっ!?、妻が低温やけどしないように気をつけていたら、俺がやけどしたってこと?。しかも対処がもっともダメな方法。
それから一週間ほどした状態。
低温やけどは皮膚の深い部分までダメージを受けるので治癒に時間がかかるようである。もう10日近く湯船に使ってない。みなさんも気をつけてください。その後なかなか直らないので記録付けに熱中する。続けて掲載。
最後のかさぶたが取れるまでなんと二ヶ月。ちょっと驚いた。きっとおじさんになってるので、体の新陳代謝が弱っているのだろうが、低温やけど恐るべし。湯たんぽはちゃんと使い方を守って使わねば。
さて、話戻ってモーター側プーリーの話。
いきなり溝から切削するのが間違っていた。まずは外周を一気に切削する。
そして斜剣バイトで溝を切削。
斜剣バイトでは溝の最後の奥は切削できないので、最後は突っ切りバイトで仕上げ。ちょっと溝が浅かったが、まあ疲れたしこの辺でよしとしよう。
しかしこのプーリーの材質は何だろう?切子は粉状。
組み立てて完成。
いまいちの出来だが、一応問題なく動作する。これでボール盤との共用は不要となった。