O型のまこさん

O型のまこさん

趣味でいろいろ作った備忘録

4-6.赤道儀制御装置二号機製作

 4-6.赤道儀制御装置二号機製作
■2016年6月頃

  オートガイドを目的とした制御装置初号機は要求仕様を満足するものであった。対象天体を導入してしまえば、オートガイドは楽勝であった。・・・が、しかし肉眼で見えない天体は導入が大変であり、夜の疲れた体で、目盛還をちまちま読んで導入するのはちょっと無理なのである。解決するには自動導入だろう。パソコンの前に座って、対象の天体をクリックするだけで、シャーーーー、ピタッ!と望遠鏡が勝手に導入してくれれば、冬場の寒い現場(ベランダ)で凍える必要もなければ、夏場の蚊の恐怖におびえながら出入り口を開け閉めする必要もない。よし!自動導入化しか生き残る道はない。
  初号機はPICでモータ駆動用のパルスをちまちま生成していたが、この手法ではあまりに貧弱である。まずモーターをパワーアップする必要がある。これまではユニポーラ駆動から、バイポーラ駆動にし、モーターも強力なものを搭載する。あと、赤道儀もなんとかしなければ。NP赤道儀はやはり、ちょっと精度に欠ける。極軸を合わせようとしても、軸周りのガタが原因で、極軸望遠鏡で見た北極星はぐねぐねと不思議に移動する。なによりも赤緯ウォームの精度と径の細さによるバックラッシが大きすぎる。ああ!あれだけ愛したNP赤道儀よ。君を想う。もう手放さないと誓いあれだけ丹精を込めて手入れしたのに・・・。そう、いつの頃からか彼の名称は赤道儀からNP赤道儀に”NP"がついたのである。なぜって? それは我が家に二人の赤道儀が居れば混乱するからね。新しい彼氏はSP赤道儀か、GP赤道儀を考えている(つまり浮気)。これまでヤフオクで10回以上入札したが、なかなか条件が折り合わないのである。
  話が脱線したが、制御装置の話である。制御装置は高機能なバイポーラ駆動ができるように、秋月電子のL6470モータドライバモジュールを使用する。こいつはPICとSPI通信で制御するので、PICもSPI通信機能のあるものをピックアップ。家にあまっているPIC16F877Aがあるので、こいつを採用。
  またちまちまとOpenOfficeで回路図を設計。適当なCADを導入すればいいのだが、毎回、きっとこれが最後だろうと思い、CADの習得に注力できずにいる。

イメージ 4

設計してみると初号機よりずいぶんとスマートにできた。さすがL6470チップだ。
そしてちまちまと回路の製作。

イメージ 1

初号機のケースに収めるため、かなりつめつめになったが、基板製作は慣れてきたので、出来としてはまずまずだ。
イメージ 2

裏面はジャンパー線が多くなり、少々見苦しい。

イメージ 3

初号機と比べると品のいい出来である。なんかこう、集積された高機能機という雰囲気だ。
イメージ 5

  最後にケースに収める。ケース側も一部加工してなんとか納まった。
さて、ハードができたのでソフト設計を進める。今回苦労したのはPIC16F887AとL6470間のSPI通信である。SPIは今回初めて扱うので基礎から勉強した。一通り理解してソフトを組んだのだが動かない。なぜ?どうして!という感じ。オシロなどもっていないので、なかなか原因がわからない。最終的にLEDを各ラインに接続し、L6470の入り口まではCS、SCK、SDIいずれもOK。L6470の同期クロックが出力されている。だがしかしL6470からの応答(SDO)は音沙汰なしなのである。つまり、L6470は確実に動作はしているが、通信応答は行っていない状態である。数日間の死闘(?)により、判明した原因は下記のとおり。
 1)L6470のモータ駆動電源も通電しないとSPI通信を開始しない。
 2)L6470のSTBY/RST信号はONしないとSPI通信を開始しない。
はじめからマニュアルを隅々まで読んでいればよかったのだが、そこまでちまちまする気力はないよねー。あとはネットにある先人たちの情報が大いに役立った。私の情報が他者の役に立つかどうかはわからないが、すこしでもネット社会に恩返しを、ということでソースコードをアップする。こいつはシリアル通信の指令で動作する。
 "run+CRコード送信で回転
 "stop+CRコードで停止するプログラムである。
そんなこんなで、やっと動いた。それはそれは感動的であった。その動作をビデオで撮影。まずはフルステップ

次に1/128マイクロステップ

う~む、1/128マイクロステップは滑らかだ。うん!この感じで赤道儀が動くのが楽しみだ。