O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-5.R-100Sの斜鏡サイズアップ改造(R-100S改)

4-5.R-100Sの斜鏡サイズアップ改造(R-100S改)
■2016年11月

  ながらくの課題であった斜鏡のサイズアップを実施。その前に斜鏡&カメラ固定部の小改造を実施。現在の鏡筒バンドは開くタイプではないため、鏡筒の取替え時は主鏡側か斜鏡側に取り付けられている部品を取り外して、鏡筒を抜き取る必要がある。この作業を容易にするための改造である。また将来、R-1000にもこの斜鏡部を取り付けられるようにする予定。
本改造への決定過程は次の通り
 ①R-100S、R-1000とも斜鏡を大きくしたい。
 ②R-100SはΦ46.5、R-1000ではΦ44以上が必要(APS-Cの対角までカバー)
 ③R-100SとR-1000を共通の斜鏡で対応すれば安上がりだよね?
 ④斜鏡部の取り付け取り外しを容易なように改造
 ⑤鏡筒の乗せ換え時は斜鏡部を取り外し、鏡筒を交換、そして斜鏡部を共用

まずは斜鏡部の取り付けネジの改造。ネジ3本での取り付け部を改造。このネジはあまり強く締めると鏡筒がへこむし、鏡筒裏側のナットの扱いがめんどい。この二点を改善する。
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まずネジ取り付け部にパテを盛る。これでネジを強く締めても鏡筒をへこますことはなくなる。次に開口部を広くする。従来は幅が42mm程だったので、サイズアップした斜鏡が入らないため、幅を50mmに広げる。
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最後はナットレス化。ネジを切ったアルミ材を鏡筒裏側に固定する。
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アルミ材は小さなネジで鏡筒に固定しているので、通常は鏡筒に固定されている。これにより斜鏡部の取り付け、取り外しは無造作にネジ三本を緩めるだけでOK。
  
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写真の”ボルト代わり”は”ナット代わり”の間違い。

次に斜鏡ベースの製作。下図にR-100Sの光路図を示す。
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緑ラインがAPS-Cの短辺幅、赤が長辺幅、青が対角への入射光路となる。従来のΦ36の斜鏡(小さい方の円)では短辺までしかカバーできない(これ以上外側では周辺減光)。新斜鏡では対角までカバーするのだが、カメラ目前のTアダプタでわずかにケラれる。これについては将来改善するつもり(たぶん・・・)。
斜鏡のオフセットは鏡面部で2.03mm、光軸に対しては1.44mm(=2.03/√2)。
さて、斜鏡ベースをどのように製作するか・・・。当初はアルミ円柱からの削りだしで考えていたが、材料の購入がめんどくて(購入物に対して送料が高すぎなのが悔しい)。思案の結果はんだによるロウ付けで作ってみようと決意(こっちの方がめんどいのでは?)。本当は銀ロウを使ってみたかったのだけど、ちょっと高すぎる。百均のはんだの安さに目がくらんで銀ロウが遠すぎる(笑。
で、ホームセンターと百均で次の品を購入。

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この金属製台座も。ちょっとごっつすぎるけど(笑。
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こいつを旋盤で成形。肉厚を3mmから1.4mmに切削。旋盤活躍している(高笑い。
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切削終了。もう少し薄くても良かったかも。でもはんだでのロウ付けって初めてだからあまり薄くするのも不安だし・・・。
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斜めにカットして。
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底面部品を切削。
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こいつをはんだ付けする。うまくできるかな~(ドキドキ。
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布ヤスリで磨き、フラックスを塗り、バーナーであぶってはんだをしゅるしゅるっっと。
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う~ん、ナット部や周辺はうまくくっついているが、中央の8つの穴部は多くがはじかれている。
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円筒部もはんだ付け。
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斜鏡を貼り付ける面を百均のブックスタンドから切り出しはんだ付けにチャレンジ。ちょっとくらい隙間が開いててもはんだが埋めてくれるだろう・・・、と思ったのだがバーナーで炙られた部材ははんだを液体のように溶かして隙間から内部に流れ込み一向に隙間を埋められない。断念して斜鏡貼り付け面の部材を作り直す。鏡筒ホルダーの中を見ると、はんだの残骸が像の足(チェルノブイリ)みたいに内部で固まってた(笑。無駄な重量増であった。
 気を取り直し作り直した板をはんだ付け。
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うん、まあうまくいった。初めてのはんだによるロウ付け作業は90点かな。この技術は後のR-1000の改造に生きるだろう。しかし、本当に強度は大丈夫なのか不安。もしも望遠鏡使用中にこの部品が脱落となれば斜鏡も主鏡も大惨事(怖っ。
  そうこうしている内に笠井トレーディングから斜鏡が届いた。R-100Sの本体と同じ位の高額商品である。気を引き締めて扱わねば。
ふ~ん、英語ではsecondary mirrorって言うのか。

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作斜鏡にマジックでセンターマークを下記(オフセットセンター)、一本スパイダーと干渉しそうな角を削る。
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  そしてバスコークで接着。ネット情報では面着より点着の方が良いような記事も見たが、なんとなく不安で面着にした。
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そして乾燥まで二日ほど待つ。
最後にコバ塗り。望遠鏡改造前の構想段階では、遊馬製作所の光学用黒つや消し塗料なんぞでビシッとコバを塗るのだ!などと考えていたが、現状の我がレベルでは「それはただの気分!必要に迫られた要求仕様ではない。」とあっさり却下。10年以上前のF1プラモデル(セナのMP4/4)を作った時の塗料と筆を発掘し使用。意外にも塗料は使えた。ちょうどフラットブラックがあったしね(適当ー。
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もう少しぎりぎり淵まできれいに・・・との気持ちはあったが手が震えてうまく塗れませんよ、あなた!(誰?
オリジナルの斜鏡と比較するとこの大きさ。重さは57g増加。

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こうやって並べて比較すると光学的性能の向上を予感させる。サイズアップはもちろんのこと、変な爪もないしね。

そして光軸調整だ。
いいかげんレーザーコリメーターなど買いたいのだが、相変わらずカメラ撮影手法で実施。
1.まずスパイダー軸と主鏡軸をあわせるようにカメラを設置し、
2.主鏡に映った斜鏡がスパイダー軸と主鏡軸に同軸になるように主鏡向きを調整

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3.次に斜鏡の調整。斜鏡側にカメラを設置(できるだけ離して)
4.斜鏡のセンターマークとドローチューブ軸が一致するように斜鏡前後を調整

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5.斜鏡→主鏡→斜鏡により映る自身のカメラがドローチューブ、斜鏡センターと同軸になるように斜鏡の向きを調整
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う~ん、ドローチューブ軸がわかりずらいのであまり追い込めない。以前に作った装置も精度がもうひとつなので最近は使っていない。システムとしてもう少し改善が必要だな。
  とにかく斜鏡のサイズアップ改造はこれで完了だ。この鏡筒はR-100S改と命名する。はやく晴れてくれ~、ファーストライトが待ち遠しい。

あと、アダプタ部の改造やレーザーコリメーターの製作&光軸調整はここに掲載。