4-3.EOS 20Dのシャッターレス改造
■2017年9月
モノクロ改造するためerr99の出るEOS 20Dをヤフオクでゲット(1コイン+2銀貨)。
Kissでerr99対策(+シャッターレス化)は2台の修理経験があるので、まあ同じようなもんだろうと、安直に修理開始。ちなみに現在の所有デジイチは次の5台。本当はもう一台、kissDigitalがあったが、バラバラにして部品取りになっている。ジャンクのKissDは最近入手したもので、センサだけ利用する予定。
EOS 20Dを分解していく。
Kiss Digitalと比べ基板が分かれていてコネクタが多い。構造的にはX2と似ている。
さらに分解してシャッター機構に到達。この辺はKissDと同じような構造。
そしてシャッター機構を取り外す。コネクタ部分はばっさりカット。
シャッターの動作接点を見るとやはり折れていた。EOS系のErr99はこの接点破損か、シャッター膜の巻き込みが多いようだ。我が家で修理したKissDは接点部破損、X2はシャッター膜の巻き込みであった。
CMOSセンサと取り外し、KissDのものと比較。
表面。EOS20Dの方には赤外カットフィルターがついているが、これはもちろん取り外す。
シャッター周りの接続を確認する。だいたいKissDと同じだが、接点が20Dでは両方A接点になっている(KissDでは片一方はB接点)。なんとなくいやな予感がする。
KissDと同じように接点を模擬するリレーを2つ入れて動作させてみたが、err99が出る。いろいろ試した結果、シャッター巻上げカムがホームポジションにある時は両方の接点が閉じていなければならない模様。まあたしかにホームポジションでは巻き上げカムは巻き上げ状態になっているため、シャッターは両方閉じた状態であり、機械的に接点は閉にならなければいけない。でも模擬リレーでは電磁石に電流が流れないと閉にはならない。悩んだ挙句、巻き上げカムの位置で動作するリレーを1つ追加し、巻き上げカム位置による動作するようにした。巻き上げカム接点信号で動作するのであるが、この信号はトランジスタ経由でリレーを駆動するには微弱すぎるようでちょっと工夫が必要になった。手持ちのPIC12F629のコンパレータ機能を利用し、トランジスタを駆動できる回路を別途用意した(下図)。
コンパレータ駆動回路の電源やリレー駆動用の電源をどこから取るかが問題になったが、下図の場所からバッテリー直結の7.2V(リレー駆動用)と、基板用の3.3Vが取り出せるようなので、そこにケーブルを接続。
最終的な回路構成はこのようになった。紫色がシグナルGNDとなる。
全体システムでの動作確認の様子。思いっきり空中配線でちょっと油断すればあちこちショートする試験環境。
なんとかこれで動作確認し、イザ最終組み込みへ。
基板へのケーブル接続では接続部が弱く、うかつにケーブルを動かすとすぐにハンダが基板面ごと剥がれそうだ。そうなると修復は困難になるので、エポキシで接続部を固めた。
あとおまけであるが、フラッシュ用のコネクタがEOS20Dは特殊な形状をしているので、KissDやKissX2と共用できるように、ミニジャックコネクタを取り付けた。ビデオ信号コネクタ部に穴をあけてケーブルごと”びよ~ん”と飛び出した格好となった。
組み立て完了。
カメラはうまく動作している(モノクロ改造を同時に実施)。KissDigitalと比べEOS20Dはやっぱり高級感がある。筐体はマグネシウム合金で手触りがいいし、操作用の回転ジョグは使いやすい。そして一番の違いはISO感度が3200まである。手持ちのKissは1600がMAXだったので、3200になって露光時間が短縮されるのがうれしい。ノイズがどれほど出るかはまだ評価していないが、我がベランダ天文台には主鏡10cmの望遠鏡しかないので、露光時間短縮はありがたい恩恵となる(はず。