O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-3.KissDモノクロ改造(その6)

4-3.EOS Kiss Digitalのモノクロ改造(その6)

■2017年10月

  とにかく、何が何でもモノクロ改造!星空が綺麗に撮れるかな、とかの本来の目的を完全に見失い、改造を成功させるためだけに突進している。そして新たな改造対象のEOS Kiss Digitalを落札。もちろんジャンク品で漱石さん一人。

  そして何より、"CFA剝がし器"の刃研ぎだ。これが何より重要! #1200番のダイヤモンドホイールでは最終研磨にはちょっと粗いので、#6000の砥石を入手。こいつを旋盤で使用できるように加工する。

まずはベース板を加工。

そして完成。こいつに接着剤で砥石を固定する。

しかし砥石ってどうやって切ればいいのかな?
とりあえず金ノコで切ってみる。

結構あっさり切れた。でも金ノコの刃はボロボロに・・・。
そしてベース板にエポキシで接着し、旋盤で形状を成型する。

なんだかサクサク削れるよねー。
そして旋盤内部は砥石の粉だらけ。密閉式の旋盤でなければ部屋のなかが砥石の粉で充満しているだろう。よかったねぇ、密閉式にしてて。

そして砥石の粉って、あちこちの摺動部に入り込んだらガタガタになるよな。とにかく精魂込めて旋盤全体をクリーニングしました。チャック部も動きが渋くなってきてたから、この機会に分解、清掃、グリスアップを実施。

そしていよいよ仕上げへ。切削面を最終成型して・・・

イザ! "CFA剝がし"の刃を研磨。
やってみると刃先を研磨しているのか、砥石を削っているのかわからなくなるほど砥石が削れていく。ほんとに砥石と刃先がかすかに触れるくらいで研げばいいんだろうけど、結構難しい。砥石についてはほとんど知識が無かったが、もっと硬い砥石でやったほうが良さそうだ。天然砥石の硬いやつとかだったら、砥石側がこんなに簡単に削れないだろう。余裕があれば天然砥石でもチャレンジしたい。

まあそれでも一応は綺麗に研磨できた。
刃の上側(前側)はこのように全面ぴかぴか。平面度もだいたいOKそう。

下側の刃は前方の刃部分だけ研磨するようにした。写真で見ると#1200のダイヤモンドホイールで研磨した部分には研磨痕が見えるが、#6000の砥石で追研磨した部分(刃先)は研磨痕が完全に消えてピカピカだ。よーし、これでCFA層を削っても、センサ面に痕が残らないだろう。

ここまできたら"CFA剝がし器"のベース部分も調整できるようにしなければ。
刃の水平を微調整できるように左右の首振り調整部を加工した。

回転軸を用意し、固定ネジ穴を大きくして左右に回転可能する。

そしてネジで左右から挟み込み、首振り角度を微調整できるように加工。

最後にサビ防止のため、黒に塗って完成。

 

  "CFA剝がし"に失敗したジャンクのセンサに黒マジックを塗り、それを剝がしていく。
綺麗に刃幅で剝がせるようになった。

さて、本番!
またまた落札したEOS Kiss Digitalを分解し、センサを取り出す。
あれ、今度のセンサには三、もしくは川と書かれている。前は×だったが、なぜこうもジャンクカメラのセンサには記号が書かれているのだろう?意味を知りたい。

  "CFA剝がし"を実施。一応削れているが、なんかEOS 20Dの方が気持ちよく削れたなぁ~。刃先の問題なのか、マイクロレンズやCFA層の積層方法がKissDとは違うのか・・・。
なんだかうまく剝がせない。CFA層の下にそれらしい層(③)が出てきたのだが、ちょっと油断して力を入れたらその層が剥がれ、その下にまた層(④)が出てきた。どちらが正解なのだ~?
まあ正解などというものはないのだろうけどねぇ。③の第一層は黄土色で、④の第二層はややピンクがかっている。印象としては③の第一層が正解なのだが・・・。

 

どちらにせよここまで剝がしたのだから、もう③の第一層は剝がしてしまえと作業を進めていると、一箇所、第二層(④)も剝がしてしまった。なんだか力が抜けて投げやりになってきた。

いやダメだ。ここで投げやりになったら何が正解で何が不正解か分からなくなる。とりあえずこの状態でカメラに組み込み動作確認してみよう。ちなみにセンサ面は上側の7割は第一層(③)まで剝がしており、下側の3割ほどが第二層(④)まで剝がしている。一箇所はその第二層まで剝がしているところもあるけど。
そしてカメラを組み上げ撮影してみた。
まずは室内。なんかふつーに撮れて、ほっとした。よくみたら下側が多少まだらに見える。

キャップをして撮影してみると変な画像が撮れた。レンズ面のホコリやチリと一緒にセンサ面の様子もよくわかる。こんな風に撮れるもんなんだ(驚。

普通のフラットを撮ってみるとこんな感じ。
結局第一層が正解か、第二層が正解かわかりませんねぇ。このフラット画像だけ見ると④の第二層まで綺麗に剝がすのが良さそうだが、センサ面の強度という点では③の黄金色の面が良さそう。次回があれば、③の黄金色の第一層を目標にする。

遠方の撮影はピントが合わないんだけど、センサ面のほこりなども映っていて面白い。

よーし、もう一度センサ面の剝がし作業やってみよう。次は全面④の第二層まで剝がしてみましょう。
"CFA剝がし"作業をしていて気がついたのだが、刃先の角度の大切さ。刃を伸ばして取り付けると刃は寝た状態となり、短めに取りつけると刃は立った状態になる。さらに背面の取りつけ板を短め(寝る)と長め(立つ)に取り付けられるようにしている。今回の"CFA剝がし"では初め背面板は短めとし刃は結構寝た状態で削り始めた。しかし思ったように剝がしがうまくいかず、途中から背面板を長めにし、刃を立てた状態で剝がした。するとサクサク剝がせるのだが、ちょっと油断すると剝がしすぎる。それで④の第二層まで剝がしてしまったし、さらには第二層すらも一部剝がしてしまった。③の第一層を本来のセンサ面とするには、やはり慎重に剝がしていくべきだった。背面板は短く、刃は寝かせた状態で剝がすほうが安全のようである。
 
そして慎重に慎重に第一層を剝がしていく。
が・・・、やっぱり所々、第二層も剝がしてしまいました。これを今後、第三層(⑤)と称す。結構惜しかった。もう一回やれば第二層の剝がしもミスなくできそう(たぶん。
周辺もぎりぎりまで攻めた。そう、攻めに攻めた(破滅まで・・・)。

見る角度を変えるとこんな感じ。まあまあイケてる。

これで再び組み立てて、パシリと撮影。

真っ黒。だめでした~。
失敗理由はおそらく第二層を剝がしてしまって第三層までむき出しにしてしまったことではなく、周辺部を剝がしすぎたことだと思われる。これまでの失敗を考えても、中央付近を剝がしすぎても画像は写っていた。周辺を攻めた時に真っ黒になっていた。今後周辺は慎重に、0.5mm程は残しましょう。
さて、今回は第一層を剝がし、全面第二層まで出したわけだが、今まで失敗したのはどこまで剝がしていたのか気になった。これまで潰してきた3センサをもう一度剝がして様子を見た。

一つ目のセンサで、もう少し力を入れて削ると、第二層が出てきた。ということは、この時は第一層が正解と思っていたわけだ。第二層からさらに力を入れて削ると第三層が出てきた。
二つ目のセンサでも同じ。

 

しかし3つ目のセンサでは第三層がいきなり出てきた。なんどやっても第二層が出て着ない。もしかしてこいつは、第一層を全部剝がして第二層を出していたのだろうか?
  各層の特徴を整理する。
第一層は見た目黄金色で光沢感あり。光を反射してみるとピンク色にも見える。
第二層は見た目ピンク色で光沢感あり、光を反射してみると黄金色にも見える。
第一層と第二層は光のあて具合を変えると色合いは逆に見える。
そして第三層は銀色のザラザラっぽく、光沢感なし。
 
 
モノクロ改造時は第一層の黄金色面を正式な面とする。もしもミスって一部第二層まで剝がしてしまったら、全面第二層まで剝がす。
刃はあまり立てると一気に削ってしまうのでできるだけ寝かせた状態で剝がす。背面の取りつけ位置は短い側にセットし、刃は12mm短めに取りつけ、重りは3つ。
この状態で次のチャレンジに臨む。
追加:センサ背面はシールを剝がし、紙ヤスリで平面に削っておく。そうしないとセンサの位置や向きによりCFA剝がし器の刃先が水平に当たらない。