O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-3.KissD実証試験機(その2)とモノクロ感度評価

4-3.KissD実証試験機(その2)とモノクロ感度評価
■2018年8月
 そろそろEOSの本格的改造の計画を進めよう。当初考えていたのは下図のような構成。5連のカラーフィルタ(φ36mm)とガイド用カメラを装着し、ペルチェ素子でCMOSセンサの冷却を行う。

秋月電子でペルチェ素子を購入し、センサの伝熱板をどうしようかいろいろ考えていた。一か月近く考えたのだけども、やっぱり下写真のように直接貼り付けたいよねぇ。
変に伝熱板を長くすると、その周辺の結露とか心配だし、効率も悪そうだしね。

Kiss Digitalでは下写真のように、メイン基板とCMOSセンサが接続される。そのためセンサを冷却するためにはどうしても伝熱板を間に挿入する必要がある。

センサのコネクタ部を下写真のように延長できれば、センサ面を直接ペルチェ素子で冷却できる。しかしケーブル延長なんてできるだろうか?  また、できたとしてちゃんと動くだろうか。でも冷静に考えれば電気信号の伝達速度は1nsecで20cmだよな。CMOSの制御信号はそんな微妙なタイミングで動くもんでもないだろうからケーブル延長での信号遅延が動作に影響するとは思えない。はんだ付けを忍耐力をもって対処すればきっとできる。

ということでいっぱいあるジャンクセンサで、コネクタを外す練習をした。

これが結構難しい。4個チャレンジして成功率は12.5%。

コネクタ部をひっぱりながらはんだを融かすと、コネクタ部が剥がれてしまう。確実にはんだを融かしてからコネクタ部をひっぱるようすればうまくいくようだ。
そして本番だ。モノクロ改造(その7)で使ったセンサのコネクタ部を延長する。ちまちまちまちまと、ひたすら電線をはんだ付けしていく。

このために0.08sqのケーブルを購入した。これで600円は私にとってはちょっと高価。購入するかでずいぶん悩んだ。それまではこういう細かい配線にはEOS分解時に出てくるケーブルを再利用して使っていたが、今回の作業ではさすがに足らないため、思い切って購入(ちょっと貧乏性すぎるかな)。

終端にコネクタ部をはんだ付け。

ひたすらちまちまちまちま。
何が一番のストレスかというと被服剥きだ。100均のデザインナイフでちまちま剥いていく。ちょっと油断すると導線ごと切断してしまうのでとにかく慎重に作業。ワイヤストリッパーがほしいが結構高価だしねぇ。でも今後のことを考えて買ってもいいかなと思い始めている(こんなんとか⇒買ってしまいました(一番下に写真あり)

時間をかけてゆっくり慎重に作業すれば失敗することはなさそうだ。最後にテスターで通確認と隣同士が短絡してないかを確認し、実証試験機に取り付ける。今回のために実証試験機のケース部を2cmほど大きくした。

メイン基板を取り付け。

いざ動作確認!
窓からの風景を撮影。ちゃんと撮れるかな(ドキドキ)。

やったー!
うまく動いている。

せっかくなので、ノーマルセンサもつけて感度比較を実施した。真ん中あたりにあるマンション部分を拡大して両画像を比較(下写真)。上側はノーマルセンサで下側がモノクロ改造センサ。撮影条件はセンサ以外は同一にしており、RAW現像も自作のソフトで”モノクロ処理&感度補正一切なし”としている。

以前、星空を疑似Hαフィルタをつけての評価では感度は1/2.6に低下していたのだが、今回の評価では感度低下は感じられない。今回はフィルター類はすべて取り外しているため、単純に前の評価とは比較できないがうれしい結果だ。前回との差異は推測ではあるが、センサ感度が波長毎に異なることに起因しているのだろう。
もう少し詳しく見るために下記の3条件での撮影結果を比較する
  ・ノーマルセンサ  露出4秒
  ・モノクロセンサ   露出4秒
  ・モノクロセンサ   露出6秒

この画像を見比べてもモノクロ改造による感度低下は感じられない。むしろ感度は少し上がっているとも思える。また、モノクロ改造による解像度向上もよくわかる比較画像となった。
  これでカメラ改造の要素技術はすべて確認できた。これからは製作に移り年末の完成を目指す。

追伸
2018年8月末日にワイヤストリッパ買ってしまいました。