O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-3.KissDモノクロ改造(その9)いよいよ大詰め

 4-3.EOS Kiss Digitalのモノクロ改造(その9)いよいよ大詰め
■2018年8月
 いよいよモノクロ改造も大詰めだ。今までは手探り状態で改造方法を模索していたのだが、改造方法がほぼ固まったというわけだ。
1)クリアガラスは再利用するので無傷で取り外す(⇒結露防止の改造に使う予定)
2)センサ両端のワイヤ部はエポキシで固めアルミホイルで保護
3)マイクロレンズ層とCFA層は物理的に削る(CFA剥がし器)
4)第二層は化学的に除去(アロンアルファはがし隊)
5)最後の拭き取りはPR200(残ったはがし隊などの除去)

内容は”KissDモノクロ改造(その8)”で記述しているのだが、今回新たに取り入れた手法はクリアガラスの取り外し方法とワイヤ部をエポキシ+アルミホイルで保護するという手法。
まずはクリアガラスを無傷で取り外す方法から。今までは100均のデザインナイフを刺し込んで取り外していたが1勝7敗と勝率が低すぎた。この刃は厚さ0.5mm。普通のカッターも同じ厚さ。もっと薄い刃を差し込めば成功率も上がりそうだ。ということで100均めぐりして下写真のヘアカッターなるものを購入。

こいつの刃は厚さ0.1㎜。両刃では危ないので、片側を薄い鉄板(ジュースの空き缶)でガードしてエポキシで固める。
イザ!

なんか楽勝っぽかったが、なぜか一か所パキッってひびが入った。
なぜだー!?
でもこの方法は正解だったようだ。次(の機会があれば)はかならず成功するだろう。
  次はセンサ上下のワイヤ線の保護について。ここはエポキシで固めて保護しているのだが、第二層はがし時に威力を発揮するアロンアルファはがし隊が、エポキシを激しく溶かしてしまう。今まではエポキシ部に触れないようにはがし隊を使っていたがちょっと無理があった。はがし隊で溶けない接着剤があれば万事解決するはずだ。
まずホームセンサーをうろうろして、メタルロックなる接着剤を手に取る。名前からして強力そうだ。これをジャンクのセンサ面に垂らし、固まってからはがし隊で溶けるかテストする。結果はあっさり溶けちゃいました。

次にチャレンジしたのが100均で入手したレジン液。これは紫外線を当てると固まるやつで、歯医者なんかで使っているのをよく見る。紫外線で固まるという、今までの接着剤と方向性が違うので、はがし隊では溶けないのではと大いに期待したが、あっさり溶けた。はがし隊あなどりがたし・・・。

あとは家に余っているパテ系を手当たりしだいに。耐火パテや、木工パテ。このあたりは強度からして不足しており全然ダメであった。

むやみやたらに接着剤を購入する財力もないので、ここらへんで行き詰る。
しばらく悩み、ちょっと作戦を変更。エポキシの上からアルミを貼り付け、それではがし隊からエポキシ部をガードしようという作戦だ。試しに台所などで使うアルミテープ(40ミクロン)と、アルミホイル(11ミクロン)を下地にエポキシを薄く塗り張り付けた。

アルミテープは厚みがあり、下地の形状にうまくフィットせず隙間が空く。アルミホイルはうまく下地にフィットし密着している。
この上からはがし隊を塗って拭き取る作業をしてみたが、アルミホイルはうまくガードしているようだ。拭き取るときにあまり力を入れすぎるとアルミホイルが破れてしまいそうだが、丁寧にすればかなり効果がありそう。
  それでは、新品(?)センサでイザ本番!
まずはエポキシでワイヤ部を保護。

そしてエポキシ部を”はがし隊”からガードするためにアルミホイルを貼っていく。

左右にもアルミホイルを貼りつけ終了。

この段階でちゃんとセンサが機能するか確認。実証試作機に組付け夜景をパシリ。

一応写っている。センサ端にエポキシがはみ出た部分があるが、これはCFAを剥がす時に一緒に剥がれるので問題はないはず。
    ・・・・しばらくの日数経過
なんか、目の前に家が出来た。三階建て。

今までテスト撮影していた風景はもう撮れない('Д')
前は古い二階建ての家だったのだが、それが取り壊され新しい家が建ったのだ。どうか二階建てでありますように …(*゚。゚)m。 とお祈りする毎日。
  でも・・・・、やっぱり三階建てでした(T_T)/~~~。
部屋からの風景とはさよならです。でも、まあ左側にわずかに遠景が見えるのでなんとかなるかな。とか心に言い聞かせて平穏を装う(心を偽る)。
でも、お隣さんもだいぶ遠慮して設計しているようで、こちら側の窓を小さくし数を抑えいる模様。

まぁ、お隣さんとお友達になれればベランダ越しのおしゃべりでもできて楽しいよねっと、前向きに考える。
あと、昨日の台風20号で向かいのプレハブの屋根が剥がれ電線を叩きつける事態が発生し、夜に消防車などが出張る騒動あった。私もベランダに出て見ていたら消防士の方が拡声器で、「危険ですのでベランダに出ないように」と注意された(^^;)。結局剥がれかけた屋根をそのまま屋根に固定して吹き飛んでいく危機を回避したようだ(作業の様子は見ていないけど・・・)。

・・・さて台風も去ったしモノクロ加工に邁進しよう。
まずは加工手順のおさらいから。
  ①CFAはがし器でマイクロレンズ層とCFA層を物理的に剥がす
  ②”はがし隊”で第二層(おそらく接着層)を溶かして拭き取る(化学的手法)
  ③PR200で”はがし隊”の拭き残しを溶かして拭き取る
これはモノクロ改造(その8)で確認した手法である。
イザ!実行だ。

そして久しぶりのCFAはがし器の操作。8か月ぶり(前回は2017年12月に実施
でも、なんだか手ごたえが今までと違う。もっとサクサクと削れて、黄土色のセンサ面が出てきたはずだが、今回はなんか濁ったセンサ面しか見えない。

 

状況がよくわからないがとにかく作業を進める。
はがし器で一応はがし終え、”はがし隊”で中央付近だけ拭き取る。

 なんかまだら。しかも縦に大きい傷まで・・・
今まで積み重ねてきた経験はなんだったんだ。泣きたい。
まあ一縷の望みをかけて、撮影してみる。

なんか死にたい・・・。
そうそう、ちょっと前にテレビで「聲の形」というアニメ映画を見た。
”聲”なんて漢字しらなかったので、かにの形?とか思いながら見始めたのだけど、なんか絵的にあまり好みでなかったので見るのをはじめは5分くらいで断念した。一応録画して、後日気が向いたときに見た。なんか重かった。でも若者の悩みをわかりやすく表現しており大変勉強になった。あまり軽い感じで”〇にたい”って言葉を書いてはいけないような気がしたのでコメントを書いてみた。いや、ただ単にこの現実(モノクロ改造失敗)から逃げたかったので違う話に逃げているだけだけどね・・・(^^;)。
  いや、「逃げちゃだめだ」。モノクロ改造失敗に目を向けよう。
なんか画面の右半分が暗い。これは見たことがある。”モノクロ改造(その3)”と似ている。いや単にセンサのコネクタ部の接触不良だけじゃない・・・。なのでセンサのコネクタ部をCRCで拭きなおしてもう一度撮影。

なんかひどくなってる。思いっきり泣きたい・・・
いや!  逃げちゃだめだ!
   ちょっと不貞腐れ時間を過ごしてから分析し直す。
モノクロ改造(その3)ではCFAはがし器でセンサエッジ部を攻めた(ぎりぎりまではがした)ために失敗したと考えている。今回も結構エッジ部は攻めた。たぶんセンサ上下のワイヤ接続部でなく、左側エッジにあるパターン部を傷つけたんじゃないかな。
  しかしそれよりなにより、モノクロになってないんじゃない?一枚目の写真の文字の部分にははっきりと色を感じる。拡大したのがこれ。しっかり赤と青の文字が見える。

やっぱりCFAはがし器でのマイクロレンズ層とCFA層のはがしに失敗しているじゃない。手ごたえが違ったし、センサ面を見直したら明らかに色が違う。
  ということでもう一度センサのCFAはがしをやり直してみた。今回のCFAはがしは8ヶ月ぶりの作業だったので、「なにもかも、みななつかしい・・・」という感じで、コツとか手ごたえとかほとんど忘れていたのだが、やり直し作業でだいぶ思い出した。どうやらCFA層を削り取る一発目が結構難しい。一か所でも削れると、あとはそこに刃を入れてブルドーザー的に剥がすのはサクサクできる。一発目の削り取りは刃に少し力をかけるか、下写真のようにおもりを置いておこなうのがよさそう。

一か所削れるとあとは、おもりなしでも削れた面に刃を置いてまわりを削っていけばじょりじょりと削れる。下写真の中央部分の光の反射している部分がCFA層を削った場所。やっぱり前の作業では全然CFA層を削れていなかったのだ(涙。

もう少しCFAはがしについて説明すると、まず”CFAはがし器”で、第一層(薄ピンク色)まではがす。”CFAはがし器”ではどうしても削った箇所に微妙に傷ができる。しかし第一層までのはがしであれば、最終センサ保護面の第二層(黄土色)まで深い傷はほとんど付かない(うまく削ればね)。
  そして次に第一層を”はがし隊”で化学的に溶かして拭き取れば無傷の第二層を拝めるというわけだ。下写真の中央部は”はがし器”で第二層まで剥がしている(ので傷がある)。でも左下に伸びた部分は、第一層まで”はがし器”ではがし、その後”はがし隊”で溶かした部分。

とくに気をつけるのは”はがし隊”で拭き取る時に、センサ面に表面の削りカスとかが残っていないようにする点。マイクロレンズやCFA層のカスが残っていると、拭き取る時にそのカスで表面を傷つけてしまう。もう少し追記すると、”はがし隊”を塗ったあと、綿棒などで思いっきりこすれば第一層は除去できるのだが、それよりも先端を平刃のように削った竹串でやさしく何度もけずるのがもっともよさそう。
  これらの作業は要領はモノクロ改造(その10)で整理する。
とにかく、「いよいよ大詰め」とか題名に書いたわりに作業としては低レベルで、前回まで蓄積した技術を生かせない不本意な結果となってしまった。コツとか手ごたえとかの職人気質な言葉もできるだけ書類(本ブログ)に残さなければと反省して本ページを終了する。
 
追伸
  今回の失敗で手持ちのKissDigitalをすべて使いきってしまった。モノクロ改造に8台を使って成果が得られていないという状況にショックをうけてしまい、自暴自棄の状態であらたな獲物(KissD)を探し入札を押しまくった。そして新たな獲物を届いた。
落札額1円。ハッハー。そして届いたのがこちら。

デジタルちゃうやん!
もう一度オークションの画面を見直したけど、たしかにどこにもDigitalの文字がない。なんかもー、俺だめだ~(笑。
  やさぐれてしまった俺の心を制御できないままヤフオク入札を繰り返した。
そして新たな獲物をゲット。

EOS 20D。落札額は漱石さんひとり。
ジャンク出品だったのだが、液晶モニタにひびが入っているものの、そのほかの動作は問題なし。なおかつ外観は非常にきれいだ。なにかやさぐれていた俺の心に潤いを与えてくれる商品になった(笑。
現状の成果と戦力を確認すると、
  EOS Kiss Digital: 8台全滅
  EOS 20D    :1台モノクロ改造(80点くらい)、2台無傷(これから戦場投入)
  EOS X2              : 2台無傷(将来戦場投入するかも)
 
”モノクロで天体を撮影する”という当初の目的が”モノクロ改造の成功”という段階までたどりつけるか否かという状況に追い込まれつつあるような・・・