■2019年2月
昨年の断熱リフォームしてから一年が過ぎた。断熱リフォームの効果はどれほどあったか評価する。
まず和室の天井部と壁について。これは石膏ボードの裏に発泡ウレタンを充填し、天井部と石膏ボードに断熱ボード(スタイロフォーム)を貼り付けたものだ。こいつの効果は絶大であった。リフォーム前は天井からは結露が滴り、壁面はべったり濡れていたが、リフォーム後はまったく水気を感じなくなった。うむ、天井壁面処理は完璧である。それに対し寝室は天井部はOKだったが、壁には断熱ボードは貼り付けていなかったので、下の方が結露して濡れていた。まあ80点ってところかな。
そして二重窓周辺の結露対策。これは内窓の枠を木製にし、レール部に溜まった結露が室内に流れてこないように室外に流れるように水路を作った処理である。効果は80点ってところ。下の写真がこの冬の窓際の結露状況。
以前は窓下に盛大な池ができていたが、リフォームにより状況は大きく改善。しかし窓枠についた結露が滴っている。
また二重窓の内窓全体から湿気が下りてくるので、窓際に置いていたかごに盛大なカビが・・・。
また、窓枠のレール部にたまった水にもカビが浮いている。
以前と比べ大きく改善したとはいえ、まだまだ改善の余地はあるなぁ・・・、というのはある程度想定していた。なので、対策もリフォーム直後から考えてはいた。色々考えたが、二重窓の間にウインドヒーターを設置するというのがたどり着いた答えである。
今一度、二重窓における結露の発生場所について整理する。下図は二重窓における結露の発生場所と温度の関係を記したものである。
結露は冷たい水をコップに注ぐとコップの外側に結露するように、冷たい面と温かい面が接する場所の温かい側で発生する。二重窓のすきまの温度が室外と同じだった場合(上図の左図)、結露は内窓に発生する。すきまの温度が室外と室内の間であれば結露は外窓と内窓で発生する(上図の中央図)。通常はこの状態である。もしも、すきまの温度が室内と同じであれば(上図の右図)、結露は外窓でだけ発生し、内窓には発生しない。この状況を実現できれば、結露はすべて外窓の枠に流れ、室外に流れていくのである。この状況に近づければいいのだ!
それを実現するためには外窓と内窓の間にヒーターを設置するのだ。 ・・・ということでウインドヒーターをヤフオクで色々探したのだが、外窓と内窓の間にうまく設置できる寸法のものがなかなかない。あっても結構高価だし。
で、ちょっと考え方を変えた。ヒーターって、ようするに抵抗でしょ。ということでヤフオクで抵抗を探せばなんか良さげなものがすぐに出てきた。下の。30Wで200Ωのセメント抵抗が30個で漱石さん一人。うわ~、なんかあまりにもピッタリ。
これにヒートシンクをつければヒーターになるよな。ちょうど前に取り外した二重窓の窓枠がアルミ材なので適当に組み合わせれば・・・と考えていたが。
なんと窓枠上下のロの字材の中に抵抗がぴったりと入るさいず。なんという偶然。まるで奇跡 ━━ヽ(゚ω゚)ノ━━!! 。
まあ抵抗のサイズはちょっと個体差があり入らないやつもあるのだが、荒やすりで削れば問題なく入るし。
次に構成を考えた。イメージ的には100Wくらいのヒーターになればいいと思っていたが、ロの字枠に挿入した抵抗の放熱がどれくらいなのか評価が難しそうなので安全をみて50Wで一台製作する。これだとセメント抵抗一個あたりの負荷率は18%なので、放熱があまりうまくできなくても危険な状況にはならないだろうとの考えから。
また安全には特に気を使い、温度ヒューズと電流ヒューズもたくさん仕込む。
それがうまくいくようなら、75Wのものも製作する。
まずは3直列3並列接続して50Wヒーターを製作。
温度ヒューズと電流ヒューズも仕込み、すぐに完成。
これをロの字材の中に入れていく。3個くらいの抵抗を押し込むんだら摩擦が大きくなって動きにくくなったので、抵抗にグリスを塗ったらすんなり入った。
動作させてみると52W。設計通り。表面温度も手でずっと触っていられるくらいなので、50℃ちょっとくらいかな。これなら抵抗の熱損とかは大丈夫そう。
そして窓枠部への取り付け。電線を通すため木部に穴をあけたのだが、出てきた木くずがびちょびちょ(ToT)。なんかいろいろショックである。
そして取り付け完了。結構すっきりした感じでよろしい。
このヒーターを3日ほど動作させたのだが、安全性も問題なさそうなので、75W版も製作する。
抵抗が6個でいいので作業はすぐに完了したが、6個をロの字のヒートシンクの中に押し込んで動作させてみると、温度がちょっと高くなりすぎている模様(抵抗が数珠つなぎにつながっているので局所的発熱が大きく放熱が追い付かない感じ)。もう少し抵抗を離して配置すれば放熱もうまくいくだろうと考えた。なにかスペーサーを入れてやればいいのだが、木などの可燃物を入れるのは不安だし、金属などのショートしそうなものも不安だし。いろいろ考えた結果、抵抗を配置する木型を製作。この木型は抵抗挿入時後に引き抜ける構造にする。
抵抗を押す部分の強度を考え、そこだけ補助の木片を接着したんだけど・・・。抵抗を入れた後、木型を抜こうとすると、その木片部分が電線に引っかかり抜けない(゜.゜)。
結局補助の木片はとりはずせば、問題なく抵抗を挿入でき、問題なく木型を引き抜けた。抵抗を離して配置したので、局所的な高温箇所はなくなり平均的に放熱できているようだ。
物置になっている和室側には75Wのヒーターを、
頻繁にチェック&掃除できる寝室側には50Wのヒーターを設置した。
ちなみに和室の75Wヒーターの表面温度は63℃。
どれくらいすきま温度が上昇するか計測してみよう。いつも室内に置いている妻の温度計を内窓の外側に両面テープで張り付けた。もしもテープが剥がれ温度計が落下すれば、妻の温度計窓ガラスに傷がつく大惨事となるので、クッションテープでぐるぐるにしておく。
計測日の気象庁発表の最低気温は6.2℃。まあまあ寒い日でしたが・・・。
真夜中に計測した室外、すきま、室内の温度は
室外 : 8.7℃
すきま:12.8℃ (室外との温度差4.1℃)
室内 :16.1℃ (すきまとの温度差3.3℃)
う~ん、この数値をどう評価すればいいのかしら? ヒーターをOFFした場合にどうなるか計測したいが、それで結露するのもいやだし、同じ気象条件で合わせるためにはいろいろ回数も必要だろうし・・・。まあ、しかし1枚ガラスの外窓、ペアガラスの内窓ということを考えればすきま温度が室内に近いということはヒーターの効果はかなり出ているといえるだろう。
ちなみに電気代は1kWh 25円で計算すると、ヒーター代125W(50W+75W)で一か月2250円。まあちょっと高い気がするけど、寒い季節の2か月くらいかなぁ~、使うの。
その後数日様子を観察し、特に結露がひどかった時の様子を撮影した。
まず、和室側。
そして寝室側。
両部屋とも内窓の外側の窓枠には結露しているが、内側の窓枠やレール部には結露していない。この状況が維持されるのであれば、少なくとも室内に結露が滴ることはないよねぇ。内側の窓枠に結露するのはヒーターを配置していない側だからかなぁ~? 下図に窓とヒーターの配置を示す。上側のが今回実施した様子。
外窓の窓枠の中央には強度を確保するため、太い支柱があるため、それが制限となってヒーターの横幅が決められている。同時にヒーターが温めるすきまの空気は左側(つまり外側の内窓側)には十分に循環せず、外側の内窓の窓枠に結露が出ているのではと考えている。そこで、次に改造する場合(が来るのであれば・・・)、下側の図のようにしてみてはと考えている。内窓の取り付け位置を全体的に室内側に移動し、外窓と内窓の隙間を広くする。3cmほど内窓が室内に出っ張る形になるので、室内がその分狭くなるが(^^;)。 そうすれば、窓枠一杯のヒーターを設置できる。こういう形態にすれば結露がより減るのでないか?
頻繁に出入りする窓であればヒーターが邪魔に感じるだろうけど、寝室や和室は窓からの出入りは基本的にしないので、高さ5cm程のヒーターを設置しても問題とはならないだろうしねぇ~。
その後数日の結露の様子を確認したが、上の写真とほぼ同じで、内窓の外側やレール部には結露は”いっさい”発生せず('ω')ノ。
まあ、内窓の外側や、寝室のガラス面には多少結露しているが、この結露はレール部には滴るが、室内に侵入することはないし、その量も水滴が数滴という感じ。ここ3か月の当地の気温を下記に示す。氷点下になるのは年に数回で、2月の初めはほぼそれに近かったので、窓ヒータ対策は完璧と言っていいだろう。寝室のヒーターも50Wから75Wに改造してもいいかなと考えている。そうすると電気代は2700円/月になるしな~(*´Д`)。ちょっと考えてからね・・・。
※断熱リフォームの残りの宿題
和室の窓下の床部の下には、ただの空間が広がっており、ここは外気でキンキンに冷やされたコンクリートから冷気が伝わってくる場所。ここにも発泡ウレタンを充填しなければ・・・。 結露のない夏頃にやりたい。※8月に実施
■追伸
2月18日に特別寒い日がやってきた。当地域で-0.5℃まで下がった。この日は寝室側のレールに結露の水たまりができた(下図)。
内窓のガラス面に結露が付き、それが下に流れてレール部にたまったのである。和室側はレール部に結露が垂れるようなことはなかったのにねぇ。和室は内窓に遮熱コートを塗っているので窓に結露が付かないから、というのが主因だと思うが、ヒーターの出力の差(和室75W、寝室50W)か、ヒーターから一番離れた場所だからか、はたまた、人がいる時間が長い寝室が部屋温度が高いので結露も発生しやすいのか・・・、まあ考えられる要因は複数あるわけだ。まあ、それでもフローリングまであふれるようなことはなかったので、まあ良しとしよう。