O型のまこさん

O型のまこさん

趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.愛車のあれを買ってしまいました

6-2.愛車のアイちゃんのあれを買ってしまいました

■2019年5月
 
  ついにアイちゃんのあれを買ってしまいました。
その話の前にちょい話を一つ。
二代目リューターが復活したので、アイのフロントボンネットに出来た小さなサビ対策を実施。二代目リューターは電池で動くので、AC電源が無い月極駐車場でも作業できるんです。
 

リューターには100均で入手したダイヤモンドビットを装着。タッチペンは三菱ディーラーで購入(確か780円)。
カメラを忘れたので作業途中の写真は撮れなかった。ボンネットに小さな虫食いみたいなサビが3か所。たぶん小石が飛んで来て傷ができたんだろう。リューターでサビ部分を削ったんだけど、表面的には直径2~3mmくらいだったんだけど、内部はだいぶサビが進んでいて、結局5~8mmくらいのサイズまで削った。その箇所にタッチペンを数回に分けてもりもり塗る。

そして手持ちの耐水ペーパを小さく切り、両面テープで綿棒に貼り付けて、ちまちま表面を削る。


最後にコンパウンド(100均の台所用品)で磨く。


うーーー む、 (´Д`) きたない。これは不合格。

 
再チャレンジだ。見た目も汚いが、手で触っても凸凹しているのは許せない。最低限、手で触って滑らかな表現に仕上げなければ。もう一度タッチペンでぺたぺた塗り、乾燥してから今度はガラスキューブに耐水ペーパーを貼り付け、平らに削っていく。

 

多少余分に削れても全体が平面になるようにする。

 

そして台所の磨き粉でごしごし。耐水ペーパの#600→#1500で削り、磨き粉で磨く。私としてはこれで十分な仕上がりだ。

 

写真でもみると凹んでいるように見えるが、手で触っても凸凹はわからない。目をつぶって触るとどこが補修箇所かわからないくらい。でも見た目は結構ダメだね。やっぱりパテか何かで下処理をした方がよさそうだ。そのうち再チャレンジしよう。しかしこれで一応サビの拡大浸食は抑止できるだろう。

 

 
さて、話戻って・・・、
購入したものとはターボエンジン。なぜにエンジン購入か?
理由を書けば長くなる。でも書くね。
 我が愛車のアイちゃんは10年を過ぎた。走行距離はまだ6万キロほどなのだが、そろそろ次の車を・・・という気がしてきた。それで今はどんな車があるのかと色々情報を集めてみたのだけど、我が家には「かわいい軽自動車」という非常に厳しい制約があるのだ(妻の絶対要求仕様)。私が乗れそうなかわいい軽自動車なんて見当たらない。やっぱアイちゃんは特別な存在なのだな。次に乗るのもアイちゃんしか選択肢が無さそう・・・と思ったのだが、アイちゃんはすでに生産終了している(涙。
駐車場のお隣の家には電気自動車のリーフがあり、しょっちゅう充電しているシーンを見る。う~ん、電気自動車もいいよね。アイミーブという選択肢もありだよね。っとか思っていたが、月極駐車場では電気自動車の利点が消えてしまう。
  そんな感じで現愛車のアイちゃんへの愛情が少しずつ陰ってきた今日この頃、私的にはちょっと衝撃のブログを見つけた。NAのアイにターボエンジンを載せたいうというruoさんのブログ
 前回の車検の時に代車で借りたのがターボ付きアイだったのだが、ターボアイってこんなに速いのかぁー!っと、いたく感動。我が愛車のアイちゃんにこのパワーが備われば、薄れかけた愛情もきっと蘇るのでは! と少し盛り上がったが、「いや、そんなん無理でしょ、色々と・・・」という大人的打算ですぐに鎮火。でも心の片隅ではクモの糸を探り当てるような気持ちでネットをぶらぶらしてたら、ruoさんのブログを見つけたというわけ。そしてruoさんがアイ購入を決意した という787bさんの伝説の記事(ruoさん曰く) を見て、私のアイちゃんへの愛情は燃え上がったのであった。
 私が今まで乗った車はデリカのステーションワゴンとデリカのスペースギヤ。そして三台目がアイちゃん。つまり普通の自動車に関してはあまり知識のない経歴。アイちゃんはそのスタイルがなんとなーく気に入っていた程度。でもお二人のブログを拝読すると、今後なかなか出てこないような特殊な車だと再確認したのである。愛情をもってメンテナンスすれば自動車なんていつまでも乗れるものだ。よし、とにかく愛情を持って少なくともあと10年は乗ろうと決意した次第である。
 だからと言ってターボエンジンに載せ替えるなんて、別に本気で思っていなかったよ。ruoさんのブログではさらっと書いているので、初めはターボとかインタークーラーを後付けしたのかと思い、それなら俺も・・・、という気持ちで読んでいた。が、よく読めばエンジン丸ごと換装している。私もいろいろ調べたのだが、ターボとNAでは圧縮比が異なり、エンジン自体もいろいろ違うようだ。ちょろっと調べた感じではコンロッドとピストンが違うもよう。カムなんかも違うかもしれない。後付けでターボ化できるのなら少しはやる気があったのだが、エンジン丸ごと換装なんて敷居が高すぎる。
 ただアイちゃんへの愛情は本物だよっていうアリバイ作りのために、オークションをチェックしていた。そしたら連休前に妙に気になる商品が出てきたのだ。走行距離は10万キロ超えているが、見た目が非常にきれい。なにより私の趣味の予算で手が届く金額。そしてまぶしいくらいに輝く”即決”のボタン。
 押してしまう? ねぇ、押しちゃう。ホントに? どうするどうする。って気持ちで連休に突入。いや待て待て、いくらなんでもエンジン購入なんて冗談じゃない。俺はアリバイ作りのためにオークションチェックしてただけだよ。と正気の俺が必死にブレーキをかける。そもそも考えてみろ。マンション暮らしの俺がエンジン購入してどうする?えっ、考えろ。そもそも家にエンジン持っていける?
そんでもってオーバーホールする。はぁー!?  
よしんばエンジンが動くようになったとしても、どこでエンジン換装するん。ねぇ、考えろ。月極駐車場でエンジン換装なんかできないよ。どう考えても。
今回だけはあほなこと考えるな!その”即決”のボタンは絶対押すなよ。
そのボタン押下は”ポイント・オブ・ノーリターン”、つまり帰還不能点への到達を意味するのだよ。
 正気の俺による必死の説得で、とりあえず”即決”ボタン押下は回避して連休に突入。連休の前半は旧友が所有する山小屋で旧友仲間とゆっくり過ごした。しかしここで思わぬハプニングが。旧友が息子を連れてきていたのだ。いや、べつにこれがハプニングではない。問題はこの息子がびっくりするくらい聞き上手なのだ。ついついこちらもぺらぺらしゃべってしまう。本来、私は実行したことは話をするが、実行すべきかどうか悩んでいることは話はしない方だ。言葉を発してしまったら実行しなければいけないというプレッシャーを背負ってしまうもんね。「有言実行」というのはやっぱりストレスがかかるものだ(その点本田はえらい!)。なのに・・・、なのについ「今、アイちゃんにターボ搭載を考えてるねん」ってぽろっと言ってしまった。その聞き上手な友人の息子に。自分で発してしまった言葉には責任を持たなければね、ということでそれからは本気でターボ搭載を考えるようになった。いちおう言い訳しておくと、その聞き上手の息子の話術に乗せられて話してしまったんじゃなくて、このタイミングで口に出したら、これはこれでいいプレッシャーになって後押しに役立つんじゃね、という大人の判断も入っての発言だったのだよ(たぶん)。
 その”聞き上手くん”の驚いたセリフもついでに書いとく。妻と”聞き上手くん”が後席でしゃべっていたのだが、妻が「夫くん、普段はそんなにおしゃべりじゃないのに、”聞き上手くん”よく夫くんとおしゃべりしてるね。」と聞く。すると”聞き上手くん”曰く、「夫さんは、質問の意図がわかりやすく、どういう回答を求めているのかわかりやすいので、話しやすいです。」  ・・・、なんか唖然。お前はカウンセラーか?山小屋からの帰路の間中、妻と「あの息子は何歳なんだ!?」というような感嘆の話がつきませんでした。あと、その息子を育てた友人への称賛もね。
 そして夜遅くにぐったりして家に到着。ぼーっとパソコンを立ち上げ、オークションを見るとその”即決”ボタンはまだありました。疲れてて正気の俺はどこか行方不明になっており、聞き上手の息子に言ってしまった言葉に誘導されるように、その”帰還不能点”へのボタンを押してしまいました。
 翌日、正気の俺が目を覚ました。あれ?昨晩、俺は取り返しのつかないことをしてしまったのでは?  
で、確認したら”おめでとうございます。あなたが落札しました”とかいう、うれしくない誉め言葉が目に飛び込んできた。しばらくボーゼン。
 しかしいつまでも茫然としてはいられないので、慌てて計画を練りだした。まずはエンジンを我が家に搬入する手立てだ。駐車場に行ってアイちゃんのエンジンフードを開き、エンジンの寸法をはかる。幅は60cm以下。搬入ルートをチェックするが、60cmの幅ならば全ての通路で問題ない。よし、エンジン運搬用の台車製作だ。
 

ツーバイフォー材2本使い、幅60cm、奥行き68cmのキャスター付き台車を製作。

 固定時はキャスターが動くと不安定なのでキャスターの下にはさむ台座も作る。走行モードから台座モードへは木ネジ4本で取り付け完了。変身時間は1分20秒。

落札したオークションは個人宅への配送はしておらず、支店止めとなっていた。取りに行ったらこんなかんじで置かれていました。うわっ、なんか大きい。アイちゃんで「荷物取りに来ました~」って言ったら、「えっ、この車に積むんですか・・・」と困惑した表情。その表情をみてこちらも慌てながら、「ちょっと待ってください、一応サイズ測ってみます」とアイの荷台と荷物のサイズを確認。でもサイズ的にはアイのリヤに載るもんね。

フォークリフトで持ち上げてもらい荷台と高さを合わせて平行移動で荷台に押し込んだ。結構ギリギリでしたな。

 
さて、最大の難関。エンジンの荷下ろし。そもそも一人で持ち上げられるものなのか?  
落札後のやり取りで出品者に一応聞いてみた。
  「この荷物は一人で持ち上げられますか?」
返答は一言、
  「無理です。」 
うん、そうだよね。普通そう書くよね。そう、正気の俺はずーっとその事を危惧しておりました。しかしちょっとおかしい方の俺はこういう考え。
 *****しばらく昔話が続きます。
昔友人のバイク(750cc)が盗難された。一か月ほどして警察から、「盗難されたバイクが見つかりました。引き取りに来てください」との連絡。その警察署は私の実家に近かったこともあり友人と引き取りにいったのだが、そのバイクを見て愕然。外観はちょっとキズがある程度だったが、クランクケースに穴が空いている。押し掛けでエンジンをかけてみたが、”ガシャガシャ”という明らかにオカシイ音がして動かない。どうも犯人は転倒してクランクに穴が空きオイルが漏れてしまったようだ。そしてこともあろうか、そのまま走り続け焼き付いて動かなくなったもよう。なんか腹立つ。今思い出しても腹立たしい。とりあえず我が家にバイクを押してきたんだけど、これからどうしようかと途方に暮れる。当時まだまだ金銭的に余裕があるはずもなく、ホイホイ修理というのも難しい状況。そこで「よし、自分達で直そう」という話になった。そこでエンジンを抱えて二階の私の部屋に持って行った。一人で。そう、ナナハンのエンジンを一人で二階まで持っていったという実績が私にはあるのだ。
***** 昔話終了。
 ナナハンに比べ、たかが660ccのエンジン、しかもミッションは含まない。自動車の荷台から地面に移動させるくらいは気合を入れれば大丈夫だ!その一点張りでこのエンジン移動計画は立案されたのだ。でも考えてみろ、20代の若さ溢れるあの頃と、それからかなりの年月が経過したこの肉体を同一レベルで比較して何か問題はないのか?  ねぇ、よく考えろ!と正気の俺が耳元でささやくのだけど、もう帰還不能点はとっくに過ぎてしまっているのだよ。やるしかないのね。でやってみました。
 ※追伸:そのバイクは4気筒の内、1気筒のピストンが焼き付いており、その気筒のメタルベアリングが溶融してクランク軸に溶着していた。手持ちのバイトで溶着したベアリング材を削り取り、その気筒のメタルベアリングとピストンを交換したらちゃんと動いた。その後手放すまでの4年ほどは問題なく動いていた

荷台で持ち上げる分にはそれほど苦しくは無かったのだが、地面に降ろす姿勢になるにつれ、力が入らなくなる。アイのエンジンはシリンダが45度傾斜しており、抱えるには収まりが悪い形なのだ。また持つ場所もいいところがなく、変なところを掴んで抱えていたので、なおさら力が入らない状態。で、降ろしていくと力が入らなくなってきて、最後はほぼ台車の上に墜落。エンジンの底にはオイルフィルターが付いているのだけど、そこぶつけたかもね・・・。
 でもとりあえず台車の上に降ろせた。あとは走行モードのまま、我が家へGO !
 

キャスターが小さめなので、でこぼこのアスファルトの移動にはちょっと不安があった。でもまあ、秒速5cmで進んでも、53分あれば到着するし、大丈夫大丈夫。
実際押してみると秒速50cmは出たかな。5分くらいでマンションに到着。エレベーターに乗って、玄関を通って・・・。

無事私の部屋に到着。

そしてエンジンとご対面。おお ! 綺麗なエンジンだ。我が愛車アイちゃんのエンジンよりはるかに綺麗。年式も1年ほど若い(走行距離はちょっと長いけど・・・)。

でもこの状態のままベランダに移動するのはちょっと無理そう(二人で担げばイケそう)

 少なくとも窓は外さないと無理だな。でも二重窓だから4枚外す必要がある。それもめんどくさい。とりあえずしばらくは部屋の中に置いておこう。エンジンをばらしてしまえば、軽くなるだろうしね。
  このエンジンは諭吉さん3人と漱石さん2人ほど。実際にこれが愛車に載るのかはあまり自信がないけど、風呂前にいじるおもちゃと思えば、この金額は納得できる。今ざっくりの考えは、3カ月ほどかけて分解し不具合がないか調査。そして問題なさそうなら、1年ほどかけて組み立てて、2年後の車検後に搭載。
 まあ、あれだ、サクラダファミリア !  ガウディの。 本当に完成するのかよくわからない状態で、延々と作り続ける、そしてそれが観光資源になる。このエンジンは我が家のサクラダファミリアなのである。毎夜風呂に入る前に、20~30分、ボルトを数本はずし、部品の様子を観察し、ナンバーリングして箱に収めていき、エンジンは少しずつ小さくなっていく。これが組み立てられ動くシーンを夢見て一歩ずつ一歩ずつ前進していく。いつしかそれが風呂前の至福の時間になっていく・・・。
ほんまかいな?
 
 さて、最大の問題がまだ残っている。妻の反応である。部屋にエンジン。こんなん数年前なら問答無用で却下である。しかしここ数年、断熱リフォームなど妻の要求にかなりがんばって応えてきた俺だ。多少は要望を聞き入れられるようになってきた。しかし、それでもいくらなんでも部屋にエンジンは・・・。しかも事後承諾。そこで考えたよ。必死のプレゼン。アイちゃんは10年を超えるとガタが出てくる。いまからその対策としてこのエンジンを整備するのだ。このエンジンはまさに雲間から降りてきた一筋のクモの糸なのだ。このオークションの”即決”ボタンはそれはもう、必ず押下されなければならない運命だったのだ・・・、とかなんとかストーリーを必死で考えたんですよ(笑。
 普段妻は私の部屋にはクローゼットの服を取りに行くときしか来ないため、エンジン搬入からしばらくは気が付いていなかった。2週間ほど経過した日に、夜私がエンジンと少し離れた側で作業をしているときに、妻がドアを開け顔を出した。その瞬間、私は頭をフル回転させ、準備したプレゼンのストーリーを準備した。しかし妻は数言話してすぐにドアを閉めた。「ふーーーっ」と大きくため息をつく。「あれ?  エンジンに気が付かなかった?」 
 エンジン落札時に妻から「またヤフオクでなんか買ったん?」と聞かれたので、「アイちゃんの部品買ったよ。ちょっと大きいけど安かったから」 と嘘ではないが正確でもない返答をしていたのだが、それだけでエンジンとは思わないよね。おそらくこの時は私の顔をみて数言話したので、他の物(エンジン)は目に入らなかったのだろう。
 しかし決定的な時は訪れるものだ。週末に断熱処理した和室の掃除をしていたのだが、最近暖かくなりまたカビが発生していたのだ。そこであみあみのかごをベランダで洗うために妻は私の部屋を通過。エンジン横の狭い部分をスタスタスタっと通ってベランダに出て行った。 「・・・・・ !?」。  エンジンへの言及はなし。  なんか一気に力が抜けてへたり込んでしまいましたよ。妻よ、君はいつの間にそんなに心が広くなったのだ?。
 
追記:ターボを外そうとしたんだけど、エンジンが不安定な状態で置いているだけなので、エンジン自体がぐらぐら動いてしまってボルトを外せない。架台にしっかり固定できるように台座を製作

 

エンジンが直立(シリンダ部は45°傾斜)するように支え棒を固定。

 

オイルパン側も動かないように凹形状の木材でホールド。
これでやっと本格的に分解ができる。