O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_02(過給機2号を断念)

6-2.アイのターボ化_02(過給機2号のレストア断念の巻)

■2019年6月
 
  過給機2号の部品をきれいにして組み上げていこうと思ったのだけど・・・。NGが出てしまいました。まあ、その過程を時系列に書いていきます。
まずはペンチで無理やり掴んで引き抜いた”コンプレッサ軸シールカラー”の変形部を平面に戻す。石定盤(ただの御影石)に耐水ペーパー(#600⇒#1500)を敷いてぐるぐる擦りつける。

まあなんとなく平面が出たかな。ここは特に平面精度が求められる場所でもない(と思う)ので、あまり深くは追及しない。

 
 次はタービンインペラ周辺のカーボン落とし。しかし圧力リングが抜けない。あまり無理をして傷をつけてもいけないしと初めはとても慎重に作業していた。本来はラジペンの逆の動きをするような特殊工具が必要なのだと思う。精密ドライバ2本を組み合わせて、いろいろチャレンジしたがうまくいかない。圧力リングを外すのはあきらめて、軸周辺のカーボンを落としたのだけど、圧力リングの溝のカーボンがどうしても気になる。でも、短気を起こして無理をすればきっと傷つけたり、リングを折ったりしそうなので、一旦作業を中断して数日頭を冷やした。お風呂に入った時にリングを抜く方法をいろいろ考えたのだけど、どうしても思いつかない。


 で・・・、数日後に人力でチャレンジ。両手の親指の爪でリングを強引に引っ張ってみたら、結構あっさり取れました。


 そしてリング溝のカーボンもきれいに落として作業完了。ラジアル軸受け部は結構摩耗しているような気がする。

 コンプレッサのインペラもきれいにして記念撮影。


タービンインペラを手で触って観察すると、なんかバリがある。これは製造時に出来たバリなのかな~、と思っていたが後に原因が判明します。


タービン軸のバランスを確認する。といっても特殊な計測器があるわけでもないので、カッターの刃を2枚水平に並べてその上をころころころっと転がすだけ。
動きを見てもアンバランスは感じないし、毎回停止する位置(角度)も違うので、目立ったアンバランスはないもよう。まあ精度良く評価できているとは思えないけど気休めだな。

さて、最後のパーツのタービンハウジングのクリーニング。まずは灯油に一晩浸けて歯ブラシでごしごし。この灯油の購入からしちょっとつまづきがあった。そもそもカーボンのついた部品の洗浄ってどうやるの?ってとこからスタート。調べるといろいろな製品が出ている。特に問題になっているのは廃棄時の問題。普通に燃えるゴミに出せるタイプのものが使いやすくていいようだ。そういう製品の宣伝を見ると、「まさか今でも灯油でパーツ洗浄しているのですか?」という煽り文句。つまりは昔は灯油でパーツ洗浄してたけど、今はそんなことはしないという意味だよねぇ。ふむふむと読んでいたが、最後に商品の値段を見て目が飛び出る(Drスランプの博士みたいに)。それにくらべ灯油はコストがけた違いに優秀(低い)。さんざんの調査の結果灯油を使うことに決定。ベランダには水入れに使っているポリタンクもある。これを持ってガソリンスタンドに行ったのだが、そこはセルフスタンド。2リッターほしかったのだが、1000円以上でないと購入できない。セルフでないスタンドを探して行ったのだが、店員さんは高校生くらいの清楚なお嬢さん。なんか「2リッターの灯油ください」って非常に言いにくかったが、さわやかな応対をしてくれた。しかし最近の若い人は対面サービスがすばらしいね。当時の自分ではこんなさわやかな対応絶対できないよ。
 というわけでやっと2リッターの灯油(300円程)を入手した。しかし灯油なんて買ったのは下宿していた学生時代以来。卒業後は暖房は電気かガスだったもんね。
そしてタービンハウジングをきれいにする。

きれいになったタービンハウジングを手に取って見ているとなにやら不吉なものが。

クラックがある。しかもその周辺がなんか"てかり"がある。何これ?コーティングが剥がれた感じにも見えるが・・・。よくよくみるとコーティングとかではない。原因の推測のひとつは、ハウジングにクラックが入り変形し、盛り上がった部分にタービンインペラが接触して削れた。もう一つの推測はクラックした周辺でのカーボン堆積が多く、堆積したカーボンがタービンインペラと接触して"てかり"が出来ている。いずれにせよタービンインペラと接触していたために、インペラの一部にバリがあったのだろう。うぇ~。これ採用は見送りかな~。これくらいのクラックは許容範囲?いや、なんか精神的にこれはダメだよねぇ。
 というわけで過給機2号機の採用は見送りになりました。
 
※追記:問題のタービンハウジングのクラックの部分を観察してみる。カッターで削っていくと、"てかり"がある所も薄いカーボン層が張り付いており、直接地肌が見えているわけではないようだ。でもリューターで削っていくと、しっかりクラックが見えてきた。そしてやはりクラック周辺は盛り上がっているようにみえる。"てかり"の部分はやはりクラック周辺が盛り上がり、そこに堆積していたカーボンがタービンインペラと接触して"てかり"が出来ていたのだと思う。もしかしたら部材そのものも接触していたのかもしれない。