■2022年10月
かなり前から検討していたエアーコンプレッサー。今回のタイヤバースト騒ぎで急遽話題に上り、よく考える暇もなく下商品を落札した。1円ジャンク品 (笑)。
しかし最高圧力は3気圧、タンク容量6Lというのは以前に検討していた仕様を大きく下回る。以前は8気圧10L程度を検討していたはずだが、バースト騒動で急に話題に上ったので仕様のことなどすっかり忘れていた。エアーリューターやエアードライバーなんかも使ってみたかったが、3気圧ではそういうエアツールには向いていない気がする。タイヤのビート上げというメインの要求にもこの圧力、タンク容量で使い物になるのかも不明。ジャンク品というだけあって配管部品なども欠落しているいる。ポンプとしての最低限の動きはするのだろうかとスイッチをONしたら、モーターはちゃんとまわってなんとなくエアーを吐出している。
2本目のタイヤ交換時に間に合ったので、ビート上げに使えるかと試したのだが、あちこちからエアーが漏れてほとんど役に立たない。まあ現時点ではしかたがない。
このコンプレッサー、シリンダー部からホースが伸びている。落札時にはなんのホースかな、もしかして水冷?とか思っていたが、配管部がぐらぐらで補強のために付けられた部品であった。
とりあえずばらしていく。ふ~ん、ピストントップにリードバルブついてるんだ。
そしてクランク部にメッシュのフィルターがある。ここからエアーを吸い込んでピストントップのリード弁で逆流を防いでいるわけね。
コンプレッサーの動きを撮影。ピストンとクランクは一体もので、ピストンリングというものはなく、ダイアフラムで密閉しているのね。
シリンダーヘッドに取っ手を兼ねた配管が接続されるんだけど、この根本のネジがダメになっている。その後某オクで同じ型番の商品を探してみたのだけど、ここが外れている商品が多数ある。ぱっと見ただけでも強度的に不安に感じる作りだと思う。
反対側は安全弁のようだ。
シリンダーヘッドの中にも逆止弁がある。
この逆止弁はゴム栓とバネで構成されている。
シリンダーヘッドのネジがダメになっているところは、奥の方にはまだねじ山が少し残っているので、表面を切削すれば生きているネジ山を使えるはず。旋盤で4mmほど切削する。
旋盤持っているとこういう作業をおてがるにできるのがいいよな。
切削完了。
残りのネジ山が少ないので、締め込んでも2mm程すき間ができる。まあシールテープ巻いとけば大丈夫だろう。この配管部を取っ手として使ったらすぐにダメになりそうなので、ここには力を加えないような運用を考える。ちなみにここのネジは1/8の平行ネジで、そのタップは800円で売られている。タップを切ってきちんとねじ込めるようにしたいという気もするが、本体が1円のものにあまり金をかけるのものなぁ・・・ということで保留。
エアーコンプレッサーとしての機能は復活しそうなので見てくれをきれいにしていこう。外せる部品を外して塗装する。
タンクの裏側にドレンボルトがある。エアー膨張時に発生するタンク内の水分を抜くためのものだね。ここへのアクセスを容易にできるように設置しよう。
モーター底部には圧力センサーがある。これでタンク内圧を一定に制御するんだろう。
ピストントップのリード弁はちょっと隙間があいている。これは微調整して開いているというわけではないよね。たんに曲がってしまっているんだよね。
リード弁を外してピストントップを研磨し、リード弁の曲がりも修正。
リード弁は表裏ひっくりかえして取付け。まだ微妙に隙間開いているけどこのへんにしとこう。
シリンダーヘッドの塗装を剥がす。結構入り組んだ形なので、リューターやらヤスリで苦労して古い塗装を剥がした。タンクのサビも粗ヤスリで削り落とした。
そして塗装。青塗装でスプレー。
モーター部は灰色塗装。クランクとコンロッドの接続部をバラシてグリスアップしたかったが、ちょっと余力がなかったので、グリススプレーの先端を曲げてクランクピンあたりにグリススプレーしておいた。
奥まっているので、ちゃんとピンにグリスが届いているかもわからないんだけどね。
圧力センサーの反対側も確認。圧力値を調整する機構はなさそう。仕様上は2気圧~3気圧でSWがON/OFFするので、設定値調整できれば4~5気圧くらいに上げたかったのだけど、簡単には調整できそうもない。ネットでの情報では、同一製品のモーター部に「タンク耐圧0.9MPa」との記載があるものを見たので、5気圧くらいまでなら使っても大丈夫かなと思った次第である。まあポンプがそこまで加圧できなければ意味ないけど。
そもそもタンク密閉できていない現状では圧力センサーがちゃんと機能しているのかも確認のしようがない。
タンクに接続される配管部にも逆止弁がある。シリンダーヘッドトップの逆止弁があれば、ここに逆止弁はなくても良さそうだけど、念のためかな?
逆止弁の構造は下図の通り。
図に従ってばらしていく。Oリングが使われている。
手持ちのOリングではぴったりなのがない。3x2のOリング見つけたら購入しておこう。
あとは組み上げるだけだ。エア配管部などは揃っていないが、コンプレッサーとしては機能しているようである。
今後不足している配管廻りの用意と、配置場所の整備を進め、日常的に使える装置に仕上げていく予定である。それにしても新しい工具を手に入れた時のワクワク感はいいよね。新たな力を得たような気持ちになるよね。悟空が新しい技を覚えた時みたいに。