■2023年10月
ナックル・ハブを組み立てていく。まずはハブナットカバーの汚れをワイヤーブラシで磨いていく。
きれいになりました。ディスクガードのボルトも磨いたけどディスクガードは付けないのでこのボルトは余ります。過給機のカバー部のボルトが相当痩せているので、これと交換しようかな。
塗料が完全に乾いたので、ナックルを手にとってまじまじと愛でる。
ハブはラッカースプレーで塗装していたけど、ハブボルトごとシリコン塗料で塗装しておいた。普段はまったく見えない場所だけど、数年後にばらした時にシリコン塗料の保護性能を確認する。でも下地はラッカースプレーだから意味ない?
組み立てに際し、ハブをホイールに固定する。本来はディスクローターを挟むのだが、手元にないので、木片でスペーサーをつくる。
ハブをホイールに固定し、ナックルを嵌め込む。手で押し込んだだけではベアリングに嵌ってくれないので、油圧プレスで押し込みたいのだが、セッティングがめんどい。
ハブナットを締め込むことでハブベアリングのアウターレースを嵌め込む作戦。
前回の仮組時は結構すんなり組めたのだけど、今回はなんか手ごたえがおかしい。
ハブナットを外してみると、平座金がなんか噛み込んでいて取れない。磁気エンコーダー部を傷付けないように注意してマイナスドライバーでこじって外す。
なんか金属の切子が出てきた。磁気エンコーダー部にも細かい金属粉が多数付着している。たぶん平座金の中心穴とハブ軸の中心がずれた状態で無理やり締め込んだのが原因だと思う。金属粉などをブロアーで吹き飛ばして組み立て直す。
下写真のような体勢でハブナットを締めると必要トルクを印加できる。
規定値上限の190Nmで締め込んでも分解前の位置まで締めこめない。ちょっと疲れてきたしめんどくさくなってきたので、これで良しとする。分解前と比べ1/16回転ほど締め込み角度が少ないけど、まあ許容範囲内だと思う。
ハブ軸を手で回してみるとちょっと抵抗を感じる。なんか失敗しているのかなと、整備手帳を確認する。ハブの回転起動トルクは1 Nm以下とのこと。
ミニトルクレンチで回転起動トルクを測ってみると0.2 NmもないのでたぶんOK。
もう一方のナックルも組み立てる。今度はワッシャーやネジにグリスを塗布して組み立てよう。本来ネジ山やワッシャにグリス塗布はNGだが、アウターベアリングのはめ込みの時だけ塗布する。その方がネジ山やワッシャを傷めないと思う。
ワッシャーを塗布すると非常にスムースにハブナットを締め付けられた。
一旦規定トルクで締め込み、ベアリングのアウターレースがしっかり嵌ったことを確認する。そして再び取り外しパーツクリーナーで塗布したグリースをきれいに除去し本組み実施。
今度は規定トルクでしっかり分解前の位置まで締められた。
最後ハブナットカバーを嵌め込む。
嵌め込むのにぴったりの円柱がないかと空き缶入れのゴミ箱を漁るとシーチキンのがぴったり。これを外周に当てて木片をあててプラハンで軽く叩き込む。
ハブナットカバーも塗装して組み立て完了である。
あとは実車へ組付ければ完成。