■2023年10月
1年以上前になるが左右ナックルとセルモーターを入手した。ちょうど対向ピストンキャリパーへの情熱が高かった頃に、取り付けについて検討するために入手した。
部屋に置いて数か月眺めていたらちょっと新しいトライをしたくなった。前にコルトスピードのダウンサスを入れたのだが、フロントがもう少し下がってほしいと思っていた。じゃあナックルとストラットの取付け位置をダウン方向に改造すればいいんでない? みんカラなどでは、ストラット側を加工している人を何人か見たことがある。でもナックル側を加工したほうが手間はかかるが今後の互換性は上がるんじゃないか。また妻にNGが出た時もノーマルに戻せるしね ('ω')ノ。
そういう感じで少しずつ作業を進めていたのだが、ゴールが見えてきたので作業内容をまとめ始めた訳である。今回を含め3~4回分に分けて掲載予定。
ナックル入手時の情報を補足しておく。ナックルは某オクでの入手で、車で取りに行けるところだったのでついでにセルモーターも入手。現車のよりもきれいな感じなので、時間余裕がある時にOHして予備品としよう(でもたぶん使わないよね)。
ナックルを入手したのは対向ピストンキャリパーのためだけではない。いずれ必要となるだろうハブベアリングの交換時にも予備品が手元にあれば大いに役立つだろうとの考えから。まずはこのナックルのハブベアリングの状態を確認。右(運転席側)を回してみる。
続いて左(助手席側)。これが普通なのか動きが渋くなっているのか判断が付かないが、今後現車のと比較してみよう。
ハブナットを外す前に取り付けの状態を記録しておく。
マジックで締め込み状態をマーキング。右(運転席側)。
左(助手席側)。
ではハブナットを緩めよう。ハブナットはかなりきつく締め付けられていて(144~190 Nm)、緩めるのは結構大変。車体に取り付けた状態でならスピナーに延長管をつけて力ずくで緩められるだろうが、ナックルを外した状態で緩めるにはインパクトレンチが必須だ。もともとこのインパクトレンチを購入したのはこの時のためである。
ハブを予備タイヤに固定して・・・
インパクトレンチ一閃! ほんと強力で惚れてしまう。でもすごくうるさくて近所迷惑なので一日に使用できるのは昼間に1分 ✕ 2回まで(自分ルール)。
ハブナットの下はスプリングワッシャと平座金。スプリングワッシャはあまりスプリング的な感じがしないけど、どういう役割があるんだろう?
ベアリング部がお目見え。
ベアリングアウターレースの外周に車速パルス用の磁気エンコーダがある。鉄粉でうっすらと磁気の様子がわかる。
磁気エンコーダの説明図をNSK様からお借り。
プラハンでハブ軸を叩いたけど、それくらいでは外れそうもない。やっぱ最強の油圧プレスの出番だね。
その前にハブボルトを外しておく。
ハブボルトを抜くにはちょっとあて金が必要なんだけど、やわな材質のものだと簡単につぶれる。
下写真のリューター砥石の軸が使いやすい。この軸はハブボルト外し専用治具に認定だ。
ハブボルトを外し、次はハブをナックルから外す。下写真のように3点でナックルを支え、ハブ軸を油圧プレスで押し下げる作戦。
イザ! ハブ軸を抜いていく。結構アクロバティックに見えるけど、意外と安定していて、数回やったけど特に不安感なく抜けた。
ボールベアリングとのご対面。
ハブ面の裏側には強烈な汚れがこびりついている。とにかく手で触れないような状態。汚いから手に取ってまじまじ愛情を育むとかまったくできましぇん。
ボールベアリングのグリスはボソボソしているけど、一応油っ毛は残っている。
アウターレース側は手で押したくらいでは外れない。
ディスクガードはハブを抜かなければ外れない構造になっている。ハブやナックルの様子を見るのにこのガードが非常にじゃまになってた。ディスクガードってなくてもいいんじゃない。少なくとも街中のきれいな舗装路を走っている限りなしでもそれほど影響ないよね。というか今後対向ピストンキャリパーを実装しようものなら、当然ディスクローターも大径のものにするだろうし、その時はディスクガードは付けられないんだから、今このタイミングで潔く”ディスクガードは不要” 宣言してしまいましょう。
ハブ裏面の汚れを彫刻刀で削り落とす。とにかく手で触りたくない状態。
アウターレース部に円管をあてて、反対側をプラハンでコン!と叩く。
これでアウターレース外れます。
外周に磁気エンコーダがあるので扱いには注意してね。
アウターレースは1/4周よりもう少しくぼんでいるので、ボールベアリングを包み込んで外れにくくなっているのね。
ハブナットの締付状態だが、マジックで書いただけだと簡単に消えそうなので、ポンチでマーキングし直す。
右(運転席側)はポンチ2か所。これでマジックが消えても大丈夫。
左(助手席側)はポンチ凹み1ヶ所としている。
それでは各パーツの洗浄だ。灯油に漬けこんでワイヤーブラシと歯ブラシでごしごし汚れを落としていく。
ナックルも洗う。ベアリング部はダンボールでガードして灯油が入らないようにしている。
灯油洗浄終了。前のように触るだけで手がベットベトになることはなくなった。まだまだ汚い部品であることに変わりはないけど。
洗浄前はコールタール的汚れでわからなかったが、ハブ裏側のサビは結構深い。
ハブベアリング(のアウターレース)は凹みとか見当たらず十分きれいだと思う。でもオルタネーターでも見た目はきれいでもゴーって異音してたからこれだけでOK判定は出せない。
今後のため、アチコチの寸法を計測しておく。アウターレースの外径はΦ47.7mm
ディスクローターのボア径はΦ64mm。
ホイールハブ径はΦ55.8mm。ホイールのハブ径はΦ56mm(リアはΦ54mm)。
横から見るとこんな感じ。ハブ部はホイールが抜けやすいように先端だけ凸なのね。
今後の作業を考え、ベアリング部を保護するケースを製作。
ハブ中央の凹み部は非常にサビやすいようだ。現車のもさびさびでタイヤ交換する時にすごく気になっていた。最近は赤サビ転換防錆剤を塗布しているので結構まし。
リューター+サンディングバンドで凹み部を研磨していく。
研磨終了。本当はもっとつるつるピカピカに磨きたかったが、手持ちの工具ではこの辺が限界。次回はもっと強力な工具を用意してピカピカにしてやろう。
最後にワイヤーブラシでサビを落としていく。
ハブとかは普通に触れるくらいきれいな部品になった。
ハブ裏側のサビはワイヤーブラシでは落ちない。金ヤスリでガリガリ削ってやっと落とせた。
Before/Afterの比較。きれいになったよね。
保護を兼ねて塗装しておく。パーツクリーナーで脱脂してラッカー(黒)を一噴き。
これで机の上に置いて、風呂前でも手に持って愛でることができるようになった。
追記
この頃にヒューズとバイスを購入したので記録として情報掲載。
収納場所はエアーバルブや以前購入した平型ヒューズのところ。こういう情報をどこかに記録していないと、イザ必要となった時に「あれ? ヒューズ持ってたっけ?どこやったっけ?」となる。