■2022年7月
注文していた部品が届いたのでベアリングのサイズを確認。エンドベアリングはサイズなど明記しておらず、レビューコメントの情報を頼りに注文したが、サイズが同じで一安心です。ということでOHを続ける。
まずは洗浄から。灯油の池に各部品を漬けて歯ブラシでごしごし汚れを落とす。
フロントベアリング受け部の汚れは耐水ペーパーで磨いてきれいにする。
ローター部は隙間に結構汚れが溜まっている。歯ブラシで丁寧に汚れを磨く。
ケース下部のレギュレターなどのパワエレ素子は灯油に漬けると良くない気がするので、ステーターコイル部だけ灯油に漬かるようにして汚れを落とす。
灯油を拭き取り、パーツクリーナーで残った灯油を洗い流す。なんとなく灯油は洗い流しといたほうがいい気がするので。そして日光に当てて十分乾燥させる。
灯油を使うと後片付けが大変。灯油は何度も再利用するので、濾紙でろ過しておく。
フロントベアリングの打ち込み。嵌めあいはそんなにきつくないけど、一応油圧プレスで押し込む。ベアリング部に負担をかけないようにアウターケースだけを押し込む。
油圧プレスを使うとスルスルっと入っていく。
スリップリングも研磨しておく。
ぴかぴかになりました。
エンドベアリングを入れていく。手で押し込むだけでは下写真までしか入らない。
ここも油圧プレスの出番。ベアリング接触点に圧をかけないように内輪部を押し込んでいく。
圧入完了。
ローターをケースに組み付けるにはブラシを押し込んで抜け止めピンを差し込む必要がある。そのための治具を木片で製作。押し込む所には横から差込棒が通るように凹みを作っている。
写真のようにブラシを押し込み、反対側の穴から抜け止めピンを差し込む。
六角棒レンチの一番細いのを抜け止めピンとして使用。
ローターの擦っている所をダイヤモンドヤスリで軽く研磨。この擦っている原因はステーターコイル部の歪みか、ベアリングのガタによるものかは不明。
しかしローターって研磨してもいいんかな?
なんかついでに旋盤で掴んで外周を耐水ペーパーで研磨。ちょっとやりすぎな感じもするが、研磨しているとつい旋盤で回したくなるのだ。
周辺部のぎざぎざがなくなってしまった。いいんかな? あかん気もする。
研磨した所のサビ止めもかねて耐熱塗装。なんかシャア専用っぽくなった。塗料はヘッドカバーを塗って余ったやつ。
ステーターコイルの擦ってた所も耐水ペーパーで研磨。しかしなんかあちこち研磨してしまいました。
ここにも耐熱塗装。かっこいいけど、組んでしまったら見えないよね。まあサビ止めの保険だからいいけどね。
ローター(のエンドベアリング)をプレスで押し込む。この時はベアリングに圧がかかってしまうけど、これはどうしようもない。油圧プレスだとゆっくり優しく押し込めるからベアリングへのダメージは無いと思うけどね。
ケース上部カバーは手で押し込めば簡単にはまった。フロントベアリングとローター軸の圧入はイメージしてたのよりはずっとすんなり入る。まあ外す時は接触面がサビてたから抜くの硬かったんだと思う。ケースの固定ボルトの締付トルクはわからなかったが、M5ボルトの高張力ボルトだと5.4Nmあたりなのでそのトルクで締める(7.2Nmのもあるみたいだけど今回は5.4Nmとする)。締付にはミニトルクレンチが活躍しました。そうそう、ブラシの差込ピンを抜くのを忘れずに。
そしてワンウェイプーリーを締め付けて組み立て完了。ワンウェイプーリーの締付トルクも整備解説書には記載していないので、イメージで300Nmくらいで締めた。
実はワンウェイプーリーを取り付ける前に軸を回してみたらなんか擦れている音がしている。やっぱりローターとステーターコイル擦れているんかな? もう一回ばらさなあかん? と悩んだが考えられる対処はしたはずなので、ダメ元で一度これで組んで動作させてみようとなった。
そしてプーリーを組み付けてもう一度軸を回してみるとなんかスムーズに回る。たぶん、プーリーを締め付けると、ローターとプーリーでフロントベアリングを挟み込んで軸方向の位置決めするんだと思う。プーリーを締め付ける前は、軸は奥の方に行き過ぎててどっか擦っていたのだと思う。だって油圧プレスで最後まで押し込んだもんね。でもプーリーを締め付けると、ローター側が引き出されて適切な位置で固定されるので、変な擦りとかがなくなったのだと思います。回転は全くスムーズだ。