■2023年11月
対向ピストンキャリパーの野望に向けて色々調べている。以前入手したモノブロックキャリパー(セルシオのリヤ)を採用する方向で進めているのだが、ブレーキ力が下がるのが気になって躊躇している。ピストン径がΦ40mmと小さいのでいくらディスク径を大きくしても計算上はノーマルアイの7~8割の制動力になってしまうのだ。それでもモノブロック対向ピストンという魅力は圧倒的で多少制動力が落ちてもまあいいか、いやキャリパーの剛性が上がるんだからそんなに制動力下がらないんちゃう? とか、パッドに性能いいのいれたらいいんちゃう、とかディスクにスリット入れれば制動力ちょっと上がるし・・・、とか言い訳を考えて検討を進めている。
そんな時に某オクでハコスカのキャリパーが出ていた。ジャンクとの記載もあり、写真で見てもあきらかにジャンクな感じだけど、こいつはピストンも大きそうだし意外と使えるのではと思い落札した。
大きさはセルシオのリヤのとほぼ同じ。ちょっと幅が狭い分アイにはフィットしやすそうにも見える。
ピストンはΦ52mmくらい(測り忘れたけどそれくらい)で、これなら制動力低下の心配がない。ちなみにアイのFブレーキピストンはΦ52mm(たしか)。
でも取付けはアイのナックルにはちょっと合いそうもない。セルシオのは半径方向の取付けボルトなので、アダプターの設計は容易そうだが、ハコスカのはぱっと見はアダプタでの固定は難しそう。
セルシオのはアルミのモノブロックなのでサイズは大き目。
でも重さは断然軽い。この数値だけでも”アルミモノブロック対向ピストンキャリパー”の威厳を感じる。アイのキャリパーは重さどれくらいだろう?今度測ろう。
とりあえずピストンを外してみる。アイのブレーキと同様にエアー圧をかけてみる。
入手したキャリパーは片側だけブレーキホースが繋がっていたので、エアーダスターと適当なOリングで接続し(手で押さえるだけ)エアー圧をかけてみた。・・・が、ピストンは全く動きそうにない。
じゃあとりあえず分解していこう。まずブレーキホースを外し、
ダストブーツを外してみると、中からサビサビのピストンがお目見えした。
サビで完全に固着している感じ。この時点でこのキャリパーが使えそうな雰囲気がほぼ消滅。
とりあえずワイヤーブラシで汚れを落とそう。
けっこうきれいになりました。前向き度合いがちょっと上がる。
ピストン周辺にCRCを噴いておく。
ブリーダープラグの汚れを落としたら思った以上にきれいになった。
じゃあキャリパーの分割だ。最強工具のインパクトレンチ一閃!
キャリパーを分割すると中からブレーキフルードが漏れてきた。内部までサビが進んでいないのではとの希望が灯る。
ふ~ん、なるほど。対向ピストンキャリパーを分解したのは初めてだ。
キャリパーの対がわからなくならないようにポンチでマークしておく。これは2穴。
こっちは1穴。
旋盤のチャックでピストン内側を掴めないかと試したが無理っぽい。
うん、このキャリパーに関わるのはそろそろ終わりにしよう。まずはセルシオキャリパーによる対向ピストン野望を進めるのだ。それが実現してやっぱり制動力弱いわー、ってなったらこのキャリパーについて考えよる。そんな日がくるとは思えないがとにかくサビないように保存しておく。まずはキャリパー内にオイルを充填。
そしてすでにサビサビのピストン周辺にはグリスを塗布。
グリスが蒸発しないようにラップして、
ビニールで包んで密閉。
段ボールに梱包して
保管完了。キャリパー内のオイルがこぼれないように天地無用で保管する。
そろそろ対向ピストンキャリパー野望に本気出していこう!