O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-3.永遠のアイ:対向ピストンキャリパーへの野望(分解編)

■2023年1月

 とりあえず野望を持って購入した対向ピストンキャリパーであるが、まだまだまじめに取付け検討をする段階ではない。でも倉庫にしまっている内にピストンとかサビちゃったりしないかな~っと不安になり、とりあえずOHだけしておこうと行動を起こす。まずはキャリパーを机の上に置いて数日観察した。しみじみと大きさを実感する。

 

 パッドを外す。ピストンで押す位置は前後の中心位置ではないんだね。これは4ポットキャリパーで前後でピストンサイズが異なるのと同じ理由で前後方向に均一に当たって摩耗を揃えるためだろう。ちなみにアイは前後方向の中心を押していた。対向ピストンと片押しの違いか? ※シムの形状を工夫して対処しているようでした。

 

 ピストンをコンプレッサーで押し出してみる。飛び出し防止用に中央に板おいているが、厚さが不足していたようで、片側のピストンがボコンとシリンダーから飛び出た。

 

 ピストンにはサビとかなさそうで一安心。もう一度ピストンを嵌めて・・・

 

 挟む板を少し厚くしてもう一度エアを印加する。

 

 左右のピストンが十分に出てくれば後は手で掴んでガコガコすればピストンは外れる。

 

 対向ピストンではピストンを外すのにブレーキピストンプライヤーとか必要かな?と思っていたが、固着していないのであればコンプレッサー圧だけでピストンを外せるようだ。

 

 ピストンはものすごくきれいな状態。

 

 シリンダー側もきれい。アイのキャリパーと比べて造形美が圧倒的(個人の感想です)

 

 しかしセルシオって20年以上前の車だが、ピストンは汚れ一つなく新品のよう。部品交換とかしてないと思うけどこのきれいさはには驚く。アイのFブレーキと比べると圧倒的。部品精度がいいからかな?

 

 グリスを塗ってラップで密閉して保存する。

 

 片方のパッドには残量警告用のセンサが付いていた。

 

 どういう仕組みかと思ったが、削れてケーブルが断線か車体アースに短絡する仕組みのようだ。さすが高級車だね。

 

 4枚のパッドは残量が少しばらけている。対向ピストンといえど多少摩耗量はばらけるんだな。パッドのローテーションとかすれば最後まで均等に使い切れそうだ。

 

アイの新品パッドと並べて撮影。パッドの大きさはほぼ同じだ。

 

 ばらしていくとシムが2重になっていることに気が付いた。合計8枚。内側(パッド側)が黒色、外側(ピストン側)が銀色。ブレーキ鳴きを押さえるためかな?

 

 ピンとシムもグリスを塗ってラップ密閉。

 

 パッドスプリングはサビサビと思っていたが、コンパウンドで磨いたら驚くほどぴかぴかになった。

 

 セルシオのモノブロックキャリパーはピストンの加工を片側から行い、そこをネジ止めの蓋をする構造になっている。大型のイモネジみたいなもんか。この六角穴は19㎜の幅なのでM12のナットがぴったり合う。M12の高ナットと19㎜ソケットを使えばゆるめられそうだ。中にはたぶんOリングも入っているのだろう。

 

 ピストンシールを外して確認。手前側と奥側でちょっと形状が違うけど、これはゴムが変形しただけだと思う。

 

 ユニオンボルトのワッシャーが2枚つながった形状になっている。生産性向上のためか、高級車ゆえの信頼性向上のためか。すこし分解していくだけでも造りや部品にいちいち感動してしまう。

 

 そうこうやっている時に10年に一度の大寒波がやってきた。ニュースでも「10年に一度の!」と言っていたが、ベランダが雪で埋まったのには驚いた。こんなに雪が積もったのを見るのは初めてだ。