■2023年9月
我が家の水栓は9年前に下写真のに取り換えた。TOTOのTKN34PBTNという製品だ。
それまでは下写真のようなストレートタイプの水栓だった。
しかしこのストレートタイプだと、鍋物を洗う時など水栓の根っこ部分と鍋が干渉して使いづらかった。交換時は相当調査とシミュレーションを繰り返してTOTOの製品を選んだ。白鳥みたいな形状は当初妻には評判悪かったが、使っていくうちに納得していったと思う(確認はしていない。怖いから)。白鳥みたいな形状もそうだが、先端をホースのように伸ばせてシンクの掃除などもやりやすく、また先端のボタンを押すだけで水流の遮断ができるのが思いのほか使いやすい。洗い物をしている時にちょっと水とめて、とかいうシーンで活躍していた。
しかし購入後7年くらいして、水流遮断ボタンの動きが怪しくなってきた。水流を止めても「ひゅるるる~~~」とかいう音を出しながらちょろちょろ水が出てくる。蛇口先端を分解して調べたのだが、たぶんゴムシールが劣化しているんだと思う。でもシールだけでの購入はできそうにないので諦めていた。するとつい先日(購入後9年目)、突然水がほとんど出なくなった。ちょろちょろとは出るのだが、まったく水流が弱い。コップに水が溜まるまで10秒くらいかかるほど弱い。何かどっかが壊れたのは間違いない。ネットで色々調べると、水栓の下部に調圧弁があるようだ(下写真部)。ボタンでの遮断をちゃんとできるように水圧を調整しているのだと思う。この調圧弁が一番あやしい。
取り外して分解する。しかしシンクの下には何やらものすごい数の色々なものが(誰かによって)入れられていて、それらを出すのが一番大変である。なおかつ私にはそれを元に戻すことは不可能なので、入れた本人に戻してもらわないといけない。そもそも、物理的には入れられるかもしれないが、それはもう”収納する”とか言うレベルではなく、”詰め込んでいる”としかいいようのない状況だと私は思うのだがね。
分解した調圧弁だが、いまいちどのように動作するかわからない。とりあえずきれいにして元通り戻してみる作戦だ。なんか細かいプラ片があるが見なかった振りとする。
これはどういうふうに動作するのかよくわからない。
内側はこんな感じ。汚れをきれいに拭きとる。
バネを挟んでもう一つバルブがある。綿棒やらつまようじで汚れを落とす。
バルブ本体。
内側の内壁がけっこうガタガタ。カルキがこびりついている感じ。このへんが動作不良の原因かな?
内壁の汚れを丸棒で削り落として・・・
耐水ペーパーで磨く。
ボール盤で回転させて内壁を磨く。内壁はピカピカになったので元通り組み立てて水を流してみる。
しかしまったく状況は改善されていない。試しに調圧バルブの中の部品を外して(つまり調圧バルブなし)試してみるとちゃんと水道はでる。うん、犯人は調圧バルブで確定だけど、調圧バルブってほんとに必要? 調圧バルブはたぶん押しボタンでの水流遮断をサポートするものだと思うのだが、もともとボタン遮断は調子悪いので調圧弁なしでもいい気がしてきた。
ヘタにいじって調圧弁を壊しても水栓としては使用できそうなので、ダメ元でもう一度分解する。プラ片が出てきてたので、たぶん調圧弁が壊れているんだろう。
本来はこういう風に上下の部品が合体しているのだと思う。中のスリーブがバネで閉方向に抑えられている。水圧でこのスリーブが動いて水が流れ、下流の水圧が上がるとバネが戻って水流を塞ぐ。そういう動きで調圧していると考えると納得できる。
ダメ元での修理なので思い切って作業できる。はんだごてで数か所溶かして2つの部品を固定する。
そしてカッターで溶かしたところを平らに削る。
うん、これが本来の状態なのだろう。
組み立て直す。うん、なんかちゃんと機能しそうだ。
組み立てて蛇口を開けるとちゃんと水が流れた。うん!とりあえず修理は成功。
ついでに先端部の水流ボタンの分解手順を記す。先端キャップをマイナスドライバーでこじって外す。
キャップは嵌っているだけなので簡単に外れる。
ボタン外側(本体と記載)は写真部分の隙間にマイナスドライバを差し込めば固定している爪を外せる。
固定している爪を外せばパカッと外れる。
ガイドケース(黒と緑)は引っ張れば外れる。
※下写真は向きを間違えている。ガイドケースの緑側の部分が手前になる。
本体はネジで蛇口に固定されているので、左に回していけば外れる。
下写真にあるように、ガイドケースの回転防止の爪が刺さっているので・・・
ピンセットなどで引っ張れば外れる。
次は蛇口先端の網目を外す。左に回せば外せるので、マイナスドライバでちまちま回して外した。
後日気が付いたのであるが、この先端を外す治具が付いてた。
下写真のように先端に嵌めて回せば簡単に外せる。
こういう袋に入ってた。もう一つの工具はフィルタを外す工具だが、大き目のマイナスドライバがあれば代用できる。シンク上左の棚に入れている(次回作業時のメモ)。
網目を外すと中にプラスネジが見える。
ネジを外すと先端が外れる。
先端はシャワーと直流の切り替えができる機構となっている。
次に蛇口先端のケースを外す。根っこの留め具をマイナスドライバで引っ張り出し、ニッパで引き出せば外れる。
すると蛇口の取っ手部分を引っ張りだせる。
先端とホース部は金具で抜け止めされている。マイナスドライバを横から差し込んで引っ掛かりを外す。ちょっと文章では説明が難しい。
嵌める時は金具をぐいっと押し込み、上下の爪を奥に引っ掛けるように押し込む。外す時は逆の手順となる。
これで先端部がホースから外せる。
次に押しボタンの分解手順。こっちが下側。2か所ゴムシールがあるが、シールを交換すれば押しボタンによる水流遮断も復活すると思う。でも個人でこういう細かい部品の入手は無理っぽい。
ボタン側。
この向きにマイナスドライバでこじると・・・
ケースが外れる。
抜け止め金具を外す。
外側のケースはいつでも引き抜ける。上記の作業前に外したほうがいいかな。
ここの爪を細いマイナスドライバを差し込んで外す。
中からまたバネが出てくる。
先端のゴムシールはマイナスドライバを差し込んで外せる。
中はこんな感じ。細い針金の役割とか不明。たぶん回転止かな?
小さいバネを内蔵したバルブ。先端にゴム栓。逆止弁かな?
この2つのゴムシールさえ入手できたら・・・
ちっちゃいバルブの構成部品。
これが全部品。組み立てる時は向きがある。回転方向の位置合わせとか記録が難しい。
ここの金属ガイドがサビてたので軽く研磨しておく。
これで分解終了。元に戻すと大雑把な動作はするんだけど、ボタンで完全に水流を遮断できない。