■2022年4月
御殿場桜の開花宣言と満開宣言(ページの一番下)が立て続けにでました。
ミッションを横にしたので、汚れなどをチェック。側面下あたりはオイル汚れで黒くなっていると思うのだが、よくよく見てもオイル漏れ箇所がわからない。一番怪しいのはバルブユニットのハーネス部なのだが、仮にここから漏れたとしてもずいぶん上の方まで汚れている。オイル漏れでそんな上の方まで汚れは登っていかないと思うのだけどね。
オイルフィルター(ATFフィルター)を外してじっくり観察。
裏側。
フィルター部をじーっと見ても特段汚れているようには見えない。これって再利用できるよね。安心のためにはフィルター交換したいのだけど・・・、
新品購入したらこの金額。ミッション本体に肉薄する金額はちょっと出せない。
バルブボディを取り外してじっくり観察。所々Oリングがある。
T/Mを外からみていた時はオイルシールは少ししかないし、交換する消耗品は少ないだろうと考えていた。しかしミッションの中を見てその見積はいささか甘かったことを痛感した。よくよく考えればわかることだが、オートマのミッションは油圧回路であちこち接続したりフリーにしたりしている。内部の油圧ラインはそれ相応の数があるということだ。その油圧ライン接続部にはもれなくOリングが配置されるわけだからOリングの数は当初想定の数倍必要そうだ。ちょっとくらい漏れてもええんちゃう? 外側ケースからオイルが漏れるわけではないのだから・・・、と適当に考えていたが、よく考えれば内部で油圧漏れがあるということはそれだけクラッチのトルク伝達力が減るということだ。そういう意味で油圧ラインのOリングなどはしっかり新品を使わなければと気を引き締める。
バルブボディ取付け面を見ると油圧印加ポートがたくさんある。変速状況により各ポートに油圧をON/OFFするのだと思うと、結構複雑な構造。
バルブボディは電磁ソレノイドが4個とマニュアルバルブ(シフトレバーの位置で動作位置が変わる)。
単体での機能はシンプルなものだが、それらが組み合わさり複雑な機能を実現するのだと思うと感動的である。昔単車のミッションをばらした時は、「なるほど、これがこーなってこうなるわけか」と一通りの仕組みは理解できたが、ATミッションの場合個別動作は理解できても、組み合わさって全体的にどう機能するのかを理解するのは難しそう。
AT制御ではソレノイドバルブが4個、そしてシフトレバーと連動するマニュアルバルブが入力される。これでP、N、R、1~4速の変速とロックアップが制御される。
油温センサが入っているので、念のため特性を計測しておく。温度で抵抗が変化するタイプ。
特性は下図の通り。
バルブボディのケーブルは6芯。
一通り全体を眺めまわす。
そういえばミッションのリコールがあったはず。このミッションもリコール対象になっている。下図がリコール情報(対応車種はアイだけピックアップしている)。
ストッパプラグが破損するというもの。リコール時にストッパプラグが破損していればバルブボディまるごと交換、破損していなければブラケットを2枚取り付ける。このブラケットはプラグを外から固定してプラグ破損を防止するようだ。
このミッションもしっかり対策ブラケットが取り付けられていた。そういえば我が家のアイも同じリコール車なのだが、リコールを受けた記憶がない。というか当時は車の管理は妻に任せきりだったので私が知らないだけだと思う。将来ミッション交換したら確認してみよう。
※ストッパプラグ破損していた場合はバルブボディ丸ごと交換なので見てもわからないが、トラブルが出た記憶はないので、プラグ破損はしていないでブラケット取付けで対処しているはずだ。
海苔の缶にバルブボディを入れてオイル漬けにして保管する。
海苔の缶の防油性は検証したことがないので、念のためビニールで防油壁とし、古布を敷いておく。
固定ボルトは靴下(洗濯済み)の中に入れてオイルのオイルの中に漬けておく。
本当ならATFがいいのだろうけど廃ATFは手持ちがないので、エンジンオイルの廃油を使う。エンジン組み立て時はバルブボディをOHするつもりなので問題はないと思う。
ハーネスがオイルに漬からないように合板でハーネス置きを作っている。
これでバルブボディの梱包終了。