O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-4.オートガイドへの道その1(webカメラ評価)

4-4.オートガイドへの道(webカメラ評価)
  100mm反射望遠鏡でオリオン星雲を撮影してみて、ノータッチガイドの限界を感じた。撮影時の機材が増えるので、そこまでは踏み込むまいと思っていたが、オートガイドの世界に足を踏み入れる方向に舵を切る。まずwebカメラの入手である。と言っても実は以前webカメラを入手しちょっと評価し、そして挫折している。毎度のハードオフにて3銀貨で購入しただが・・・。使用PCのドライバ(Win7 64bit用)がなく、仕方なく昔のPCを引っ張り出したのだが、動作が安定せず(すぐにハング、たぶんカメラ側の理由)、評価に至らなかった。
  今回ハードオフをぶらぶらして入手したカメラは事前に調査したQcam E 3500。オートガイドでの使用実績があるようなので選定した。といっても2銀貨だったが。・・・・・しかしながら、家でよく見たらなんか違う。E3500と形は同じだが、表面の色あいが違う。調べてみたらwebCam C300だった。画素数はE3500の30万画素から130万画素へと大きいのだが、CMOSの感度がどうなのかわからない。まずはオートガイドに使えるのか軽く評価してからだ。
  カメラはこれ。
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ロジクール Webcam C300                   
有効画素数 : 130 万画素(1280x1024)
最大フレームレート :  30 fps              
最低照度               : 記述なし           

直焦点撮影となるため、分解し対物レンズをはずす。センサは幅5mmなので(おそらく)1/4インチ。
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対物レンズをはずした状態でくみ上げてセロテープと画用紙(とんがりコーンの箱)で500mmレンズに固定。
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かなりいい加減だよね。これで夜空に向ける。
おっとその前にオートガイド用のソフトをちょっと調べてみる。幾人もの先人が道をならしてくれているのであとからちょろちょろ付いて行くのは簡単だ。まだちょっと見だが、Y.SwetakeさんのiAGを使ってみる。なんだか丁寧な説明が山ほどあり、私でもオートガイドの世界に挑めそうだ。ありがとうY.Swetakeさん。
  即席web天体カメラを夜空に向けiAGを起動してみる。・・・が、星の導入がなかなかできない。カメラを通してみる画面は真っ暗でどこに星があるのかもわからない。四苦八苦して、やっとカペラを導入した。それがこれ

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カペラ、ちゃんと映っている。オートガイドの動きの雰囲気も確認できた。
 なんとかこれらの組み合わせでオートガイドの世界を踏み込むことはできそうである。
  翌日、倉庫から望遠鏡を引っ張り出した。これは1漱石ヤフオクゲットした65mm望遠鏡である。ヤフオクをはじめた頃に試し買いした代物である。これをガイド鏡として活用しよう。うん、色々買ったものが有効活用できるな。これも同じように画用紙(これもとんがりコーンの空き箱)でカメラを固定した。
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この望遠鏡は焦点距離900mmとあるが、バローレンズで焦点距離を伸ばしている。バローレンズを外すと300mmくらいかな。これで使えるか評価してみる。まずシリウスで試すと問題なくガイドできそうである。天頂に木星が輝いているので向けてみた。
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衛星が思った以上に良く見える。第四衛星(カリストかな?5.6等星)でガイドしてみたら問題なさそう。思った以上に暗い星でガイドできるようだ。満足々。正式採用決定!きちんとした固定方法を考えよう。後は赤緯駆動部を製作すればオートガイドはいける。すばらしい!(本当かな?)

  話変わって、焦点距離の長い望遠鏡ではピント合わせがますます難しくなる。せっかく撮ってもピント合っていないと撮影努力は水泡に帰す。バーティノフマスクを製作してみた。ネットでぱぱっとプリントできるのはすばらしい。
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このように印刷したものを画用紙に貼り付け、スリット部分をカッターで切り取っていく。・・・が、このちまちました作業、苦痛である。初日は3スリット切り取っただけでギブアップ。結局切り取りに3日の作業となった。
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そして、縁を何重にもまいて接着剤で固定。
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最後につや消し黒をスプレーして完成。

晴れるのを待ってテストしてみる。今回は初めてPCに接続してリモート撮影した。
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これがなかなか快適だ。これまでは無理な体勢でカメラを覗き込んでいたが、上のように環境を整えると、椅子に座ってPCをいじるだけで星が撮れる。ちょっとしたドームを作り、ソファーとテーブルを並べて写野撮影などできたらなあ・・・、と夢を見る。
  さてバーティノフマスクの効果であるが、これがすばらしい。今夜は木星が天頂付近にあり、そのすぐ横にレグルス(1.4等星)が輝いている。これでピント合わせを行った。
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上がピントのあっていない状態。そして一番したで合焦。うむ、実にわかりやすい。これを使って撮影前にピントきちんと合わせていれば、撮影最中にかならず沸き起こる”ピントあってる?”との疑念が払拭される。
 おまけで木星。面白くもない写真であるが、視野角の確認用に記録。
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・・・さて、すこし時間が経過したがwebカメラの取り付け加工を行った。
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材料はホームセンターで買った塩ビのパイプと以前プロジェクターの加工で使った100均のまな板。
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これを上図のようにカットする。望遠鏡のドローチューブもカット。
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まな板はwebカメラの取り付け板としてこのようにカット。
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あとはねじで固定してできあがり。
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うむ。なかなかいい雰囲気だ。
  webカメラはピント位置は固定でいいのだが、ガイドのためには回転させる必要がある。ガイドソフトにはRA軸とDAC軸の角度をソフト上で設定できるものもあるが、今考えているソフト(GAGP1)はそれができないようである。ん?上の方ではiAGを使うとか書いているようだが・・・。実はあれからいろいろありまして(何年も前の思い出を語っているようないいまわしだな!)、今はGAGP1で進めている。
  というのも制御装置の構成を考えるにあたり、ガイド指令は”ガイドソフト(PC)”→”USB-IO”→”制御装置(PIC)”と考えていたのだが、PICのIOがちょっと足りない。また自動導入もどきも実現したくて、それは”手作りソフト(PC)”→”シリアル”→”制御装置(PIC)”と指令を送るつもりであった。それをシステム図に描いて眺めていたら、「なぜPCからPICへの指令が二系統も必要なのだ?」との正論を耳元でささやく天使がおりまして・・・。現実の私は「いや、ガイドソフトのIOはUSB-IOですので」とやんわりと否定。「お前、それを買うのにもお金が必要になるのはわかっておるだろう」。わたし「・・・」。耳元の天使「システムは美しくシンプルであらねばならぬ。低コストなのは言うにあらずじゃ!」。(って誰?あんた)。
  しばらくはこの暗黙のプレッシャーを横に流していたのだが時間経過とともに、やはり企業努力は必要だなと納得して、ソフトの調査を実施。つまりはUSB-IOをシリアル通信でエミュレートするソフトを作る方向。ちょっと検討したのだが、GAGP1では実現できる目処が立った。iAGはちょっと難しそう。
 ぐだぐだと説明したが、現状ガイドソフト候補はGAGP1ということで、webカメラには回転機構が必要。そのための機構はこれからの課題である。
  上記から少し時間が経過しているが、赤道儀の駆動系と制御装置・ソフトが完成したので、ガイド鏡の取り付け機構を製作。
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  ホームセンターでアルミ材を購入し穴を開け、あとはねじ止め。それを手持ちの自由雲大に固定し、カメラ固定バンドで望遠鏡に取り付け。
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  この固定バンドなのだが”いつ捨ててやろうか”とずっと悩んでいたもの。まさか使い道が出てくるとは思っていなかった。「よかった捨てなくて!」。・・・最近妻に激しく断捨離を求めている身としてはこの台詞は書きにくいなぁ。
  とにかく、これで1000mm望遠鏡でオートガイドできる環境が整った。後は晴れる(梅雨が明ける)のを待つのみ。

追記
  動作確認時、木星の第四衛星(5.6等星)でガイドできることを確認したはずだが、改造後の動作確認ではそんなに暗い星は見えないような・・・、と気になっていた。カメラドライバの設定が原因とばかり思っていたが、気がつきましたよ。ある日に。
  ガイド鏡のCMOSセンサ近辺がぼわっと光っている。あれ、と思いはずしてみてみるとLEDが光っていた。なるほどこのLEDがコントラスト低下の原因か。
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  初めの動作確認時はオリジナルの丸型ケースでLED部がCMOS面から遮光されていたのだが、改造後は遮光するものがなく、LED光がセンサ周辺を照らしコントラスト低下を招いていたのだろう。
  このLEDを削り取ったところコントラストはずいぶんと上がった。後は晴れるのを待つのみ。