オートガイド実現のため、赤緯のモーター駆動部を製作する。まずはモーターの要求仕様を設定。
■赤緯モーターの要求仕様
赤緯軸-駆動軸減速比 :72 駆動軸1回転で5.0°、3回転で15°、72回転で360°
赤緯軸回転速度 :1 [deg/h] 極軸が合っていればゼロである。この値は適当
赤緯軸トルク(駆動ウォーム軸端での評価)
・赤緯軸摩擦トルク :0.002 [N・m] 赤緯軸20cmの距離で70g重の力で回る
→ウォーム軸端で0.002[N・m] (=0.2*0.07*9.8/72)
・赤緯ウォーム軸摩擦トルク :0.127 [N・m] ウォーム軸13cmの距離で100g重で回る(=0.13*0.1*9.8
・搭載余剰分 :0.068 [N・m] 赤経軸の距離50cmで1kgを駆動可能
→ ウォーム軸端で0.068[N・m] (=0.5*1*9.8/72)
・設計トルク :1.00 [N・m]
ウォーム軸端の設計トルク(0.002+0.127+0.068)×5=0.985 (余裕率5に設定)

これらの計測はわりばしをセロテープで軸に固定し、料理用ばねばかり端を押して動き始める力を計測。台所グッズばかり(笑。
赤経のモータ(SPG20-1332)は9.6V駆動で64mN・mなので減速比は20ほどが必要になる。取り付けスペースなどを考え、協育歯車工業KGウォームの「W80-SR1+B」と「G80A20+R1」の組み合わせを選定。このウォームホイールは軸径がΦ5であり、赤道儀のΦ6と合わないのだが、他に安くて適当なものが見つからなかった。軸穴はドリルで拡大することにする(ちなみにウォームが649円でホイールが1334円)。
しばらくしてギヤが届いた。


このように木ではさんで固定してドリルでGO。
ドリルだけでは穴が小さいようで軸に入らない・・・。
紙やすりで軸や穴を削ると・・・・少しがばがばになった(あーあ。
でも一応取り付けられるようになる。モータ取り付けをイメージして撮影。

うむ。少しずつではあるが進展している。さて、次は取り付け金具だ。
まずT金具(って言うのかな?)に寸法に合わせて穴をあける。

そして金ノコで切っていく。そしてものすごく疲れる(笑。組み上げるとこんな感じ。

赤道儀取り付けるとこうなる。

あとは固定用ねじ穴を赤道儀側にあければいい。そのためには赤道儀を分解しないと。あれ?前に赤道儀分解に挫折した記憶が・・・。あっ、サイズに合うソケットレンチが無かったからだ。どうしよう。
さらに問題が発生。モータは前回秋月電子で購入したのだが、同じモータがが売っていない。どうするかね。
モータは
メーカー:COPAL ELECTRONICS
型式 :SPG20-1332
ギヤ比 :1/24
コイル抵抗:68Ω
そして月日は流れ・・(いや数日しかたってないよ)、再度赤道儀分解にチャレンジ。あれ?なんか簡単に赤緯部は取り外せた。

ウォームホイール側はこうなっている。

ふ~ん。こういう構造なわけね。購入からはじめて分解したので、このグリスは30年前のまま。クリーニングしたいが新たに塗る適切なグリスがないので、今回はこのままにする。
よし、ではモータ取り付けの逃げ部分を削る。
まずはセンタードリルで穴を空けて荒削り。


そして取り付け用の穴をあけてタップを切れば加工終了。

続いてウォームギヤのスペーサーも作る。購入しているウォームギヤは軸穴がΦ5なのだが、モータ軸はΦ3。スペーサーは通販で1個100円もしないが送料だけで数百円する。それもばからしいのでΦ5とΦ4のアルミ中空棒を使って代用する。

Φ5にΦ4を差込みエポキシで接着する。そしてウォームギヤと同じ長さにカットしてできあがり。

ちょっとゆるいがまあいいできだ。
・・・
その後しばらくヤフオクをウォッチし、取り付け可能なモーターを入手。手持ちのものの後継機のようだ。コイル抵抗が3倍で、ギヤ比も3倍。
メーカー:COPAL ELECTRONICS
型式 :SPG20-310
ギヤ比 :1/72
コイル抵抗:180Ω

モーター部がちょっと長いが他の寸法は同じ。これで機構部の部品は揃ったので、あとは一気に製作だ。モーター固定金具もペイントし、組み上げる。

なかなかかっこいい。