5-2.旋盤モーターをダウンサイジング(200W→100W)&プーラー整備
■2020年8月
我が家の旋盤は200Wのモーターなのだが、切削能力的にはもっと小さくてもいいかな、と思っていた。というかサイズが大きくて重いので、旋盤移動時に相当体力を使うのをなんとかしたいという話。また初めて入手した東芝製インバーターは100Wなので、このインバーターを使いたいという気持ちもある。今使っているオムロンインバータは200W。
ということで、実に2年以上100Wのモーターを探していたのだが、ついに某オクで入手。漱石さん二人。
全密閉式なので、埃混入などに対する耐久性は高そう。
背面にファンがついており、吸い込んだ空気を側面から噴き出してモーター側面を冷却しているんだね。
ファンカバーを外すと、かなり汚れたファンが出てきた。
さっそくインバータに接続して動かしてみる。うん、順調に動く。
しかし停止時になんか、「ポコン」とかいう音がする。なんの音?機械的に音がなる要素はないと思うんだけど、電気的な音かなー?
各相間の抵抗は28.4Ω
現在の200Wモーターと並べて撮影。
購入したばかりのプーラーで冷却ファンを抜く。
ほんと、まったく穴がなく完全に密閉されている。
冷却ファンを外すと、片手に収まるサイズだ。
黒スプレーで塗装。
うんうん、ビシッと精悍な面構えになった。
もういちど2台ならべて撮影。
続いてプーリーの製作。プーリー径はΦ40にしたかったのだがΦ36の端材があったので、それを使用。
モーター軸はΦ10.98mm。この穴あけはぴったりにチャレンジした。”すきま嵌め”ではなく、プーリを熱してからの圧入ぐらいの嵌め合いにしたい。Φ10mmのドリルで穴をあけた後の内グリはΦ10のエンドミルで実施。このサイズの内グリバイト持ってないんだよね。
M12ボルトで内径ゲージも製作。
”内径切削⇒ゲージを差込み” をひたすら慎重に繰り返す。まずは10.85が入るまで広げた。
そしてさらに慎重に削って・・・、と思ったら一気に10.95ゲージが奥まで入った。あーあ、慎重にやったのに。内径切削はほんと難しい。
チャックからプーリーを外す。ちょっと右側が薄すぎた気がするけど、左側をぎりぎりチャックで掴んでいたので仕方がない。
モーター軸に差し込んでみると、向きにより差込める深さが違うね。つまりは微妙にテーパー状になっているということ。旋盤の精度の問題かもしれないが、やっぱエンドミルでの内径切削が主因だろう。
プーリー径36mmはちょっとVベルトに対して曲率がきつすぎるかなと思っていたが、実際ベルトを巻いてみると大丈夫そうな曲率。
プーリーの内径調整を実施。Φ10mmのドリルに両面テープで布やすりを巻き付け、プーリーの内径を研磨していく。少し研磨してはモーター軸に差し込み確認していく。この方法だと”締まり嵌め”も可能そうだけど、タイミングがわからない。これくらいかな~?もうちょっとかなー、と研磨していると、突然モーター軸にすぽっと奥まで入ってしまった。
まあ結構ぴったりなのでゆるゆるの失敗という訳ではないが、もう少しきつい嵌め合いにしたかった。抜くときにはプーラーが必要なくらいに。
一応プーリー完成なので、新旧モーターを並べて撮影。200Wのプーリーは内側がΦ45なので、減速比は1.25(45/36)倍大きくなる。
重さは9.0kgから5.1kgへと3.9kgの軽量化。
モーターは木ネジ4本で固定。
東芝インバータを取り付け再構築完了。モーター周辺がコンパクトになったのがかなり実感できる。
動作させてみると、減速比が大きくなったのもあるけど、低速トルクがかなり上がった。主軸速度が30rpmくらいからでも使えそうな雰囲気。最終減速比は6.1。
これでしばらく使っていき、さまざまな状況での使い勝手を評価し、その先の大改修の仕様を決めていく。
モーターの冷却ファンを外すのに使ったプーラーは最近某オクで入手したもの。しかし今回使ってみていろいろ不具合を感じたので整備する。
プーラーの先端がつぶれているので、芯が定まらない。また回すところは貫通穴が空いていてドライバーなどで回すのだが、プーラーの脚と干渉するのでドライバーを何度も挿し直さなければならない。
回転部を六角形に加工し、ソケットレンチで回せるようにする。60°の放射線を描いた型紙を軸部に固定して、
一面ずつ切削していく。
うむ、まずまずの出来だ。
ソケットもぴったりはまる。
先端も研磨しなおして、立派に復活。
こんな優先度の低い作業をしてないで、アイのエンジンの換装を急げよ! と思っているのだが、オイルクーラー製作で大きくつまずいているのだ。ちょろちょろっと写真背景に写り込んでいるが、オイルクーラーの冷却フィンの加工がものすごくめんどくさい。というか、超絶単調作業の反復なので心が折れているのだ。