■2016年7月
一通り旋盤が完成したのだが、うまく削れない。スローアウェイチップで新たなバイトを試したが、あまりうまくいかない。やはり切削条件をいろいろ調整しなければ!。そのためにも可変速化、つまりインバータ化しなければ!というプレッシャーに追われることとなる。現状ではこれだけ労力をかけた旋盤システムが無駄になってしまう。やはりそういうプレッシャーがなければ内心嫌がっていることには手をつけないものだ。200V三相仕様のインバータを100V単相で使えるようにするのだ(本当にできるの?)。改造対象のインバータは以前に購入していたこいつ。
モーターはこいつ。


昭和精機株式会社 SSKK 三相誘導電動機 LM-261
定格電圧:200V/定格出力:200W/極数:4極/定格周波数:60hz/全負荷電流:1.4A/回転数:1640rpm
インバータが0.1kWでモーターが0.2kW。取説にもモーター容量の方が大きいのはダメよ!と書いているが、仕様で選定したのではなく、買える金額のものが出品されていたから買ったのである。
電気関係はあまり得意ではなく、ましてやパワエレ系を見よう見まねで改造するのには躊躇があった。しかしそれでも前にしか道はない。そう言い聞かせ以前にちらっと見ていたネット情報を再度探してみる。倍電圧整流回路については”コバ記録”さんのページを参考にさせて頂いた。コバさん、ありがとう。
三相入力のコンバータ/インバータの基本システムは下図(らしい)。


そうであれば結構簡単かもね。早速インバータを分解していく。

・・・が、ケースがはずれない。イライラしてついバキッっとしたくなるがぐっと堪え、よくよくケースの構造を見直すと、

ケースの前後で3箇所の爪で内部の基板を掴んでいるようである。この爪をぐいっと手前に曲げてケースを上方に引き上げると取れました。思った以上にぐいっっと曲げる。本当に折れるんじゃないかというくらいね。

さて、内部の基板をまじまじと見る。

うん!いけそう。ジャンク箱から大きなコンデンサがないか探してみると・・・

なにか忘れたが(たぶんスピーカーのアンプ)、それらしいコンデンサがあった。こいつは使えそうだ。ただ基板からコンデンサを取り外すのは我が家のはんだごてでは力不足みたい。こてをいくら当てても取れそうにない。しかたがないので、コンデンサを傷つけないように金ノコで基板を切り取って、

基板を端子づつ別個にはずせるようにする。はんだごてで加熱しながら、ラジペンで基板をぐりぐりすればきれいにはずれた。

径は小さいが長さが長い。容量は同じ220μF。こいつを仮組みしてインバータに通電してみる。

やったー!。電源が入った。あまりの感動で、何の変哲もない動画を撮ってしまった。騒音がうるさいのは電車の音。
次はモーターに接続し回してみる。すぐにアラーム出して止まったのだが、パラメータを少し変更すると回った。よし、いける!
よーし、気合が入ってきた。ちょっと電池が切れてきたが、この勢いでモータを旋盤土台に取り付ける。そして新型旋盤起動!
ケースに収める。ちょっと苦しいがなんとか収まった。

インバータ本体はメインSW横に、それこそやっつけで取り付けた。

インバータ表示を旋盤主軸回転数に設定して使う。

低速は200rpmくらいから安定して回るがトルクはか細い。手で簡単に止まる。インバータの設定で低速トルクブーストをアップすると直ぐに過電流でトリップするのでブーストはほどほどに設定。最高回転数は3000rpmに設定したがちょっと迫力ある回転になり怖い。常用では2500rpmくらいまでかな。しかし2000rpm以下だととにかく静かにまわる。いいぞ!我が旋盤。
以前の設定ではトルクがあったほうがいいよね、ということで主軸プーリーを大きい方で使っており、主軸回転数は640rpmか1200rpmしか選択できなかったのだが、今回は200rpm~3000rpmの可変となった。試し切削をしたのだがすこぶるいい。なんかやっと旋盤らしくシューーーっと削れるようになった。万歳!