O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-4.オートガイドへの道その5(ガイドカメラを高感度CCDへ)

4-4.オートガイドへの道その5(ガイドカメラを高感度CCDへ)

  オートガイドシステムが完成し、数回撮影を行なった。季節的に寒くなってきたこともあり、天文台(ベランダ)に長時間居るのが辛くなってきた。セッティングで時間がかかるのがガイド星の視野導入だ。主鏡を視野に納めた後に、自由雲台を緩めガイド星をガイド鏡筒視野に導入し、自由雲台を締める・・・と、ちょっと力が入り主鏡方向がずれるのだ。主鏡搭載のカメラをライブビューで見ながらであればずれたかどうかすぐわかるのだが、現システムのEOS Kiss Dではライブビューは使えない。なので対象天体が視野内に収まっているか、再度撮影しての確認が必要になり時間がかかる。解決策として、ガイドカメラのwebCam C300を高感度CCDに交換しガイド鏡筒を主鏡に固定にし、ガイド鏡調整が必要ないシステムにしたいとの気持ちが高まってきた。
  かねてから考えていたSA-49950(Yoshyオッチャンさん情報)を真剣に考えだした。でもちょっと高いよなぁ。今の天文台機器に投資した金額に匹敵するくらいの金額には躊躇していた。
  そんな時にkameさんの毎日晴れて欲しい。。。のブログでSA-49795の情報を知る(ありがとうkameさん)。カメラとしての性能はほぼ同じで金額が2/3へと大幅削減である。まぁ、それでも高額投資なのだが、"3割値引き"という値引き札が心の視界を遮り冷静な判断ができない状況でぽちりとしてしまった。買ったのはSA-49963というもの。SA-49795とは筐体は同じでレンズが違うようだ。
仕様は下記の通り
    撮影素子:1/3 SONY SUPER HAD CCD (対角6mm,  4.8×3.6mm )
    映像方式:NTSC
    総画素数:総画素数41万画素  NTSC=811x508 (有効画素数38万画素)
    最低照度:0.00001 Lux(258倍センサーアップ時) →1倍時は0.00256 Lux
    シャッタースピード  1/60秒~1/100,000秒
    電源供給:DC9V~12V  約120mA
    価格:\10,000円

  かくして数日後にそのカメラはやってきた。箱を開けて見ると思った以上に小さい。

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あと、ビデオ信号をUSBに変換するためのビデオキャプチャも必要だ。1諭吉さんという高額商品をぽちりとした直後だったので、安く安くという心理的圧迫を受けて性能うんぬんより金額で選んだ。1漱石さん強であった。
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こんなやつ。ちゃんと写るんだろうかと、マスキングテープでガイド鏡筒に固定し夜空を撮影。
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その画像がこれ。
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  星がたくさんだ。中にはノイズもあるようだが、写野の中にこれだけの星が写ればガイド星のセッティングには苦労はしないだろう。ただ、ガイド鏡筒が固定だと、ちょっと心細いかも、とも思えた。方角によっては暗い星しか視野に入らない状況もありえる。しかしガイド鏡筒を二軸方向に調整できるようにするには作りが大げさになるし・・・、と悩んだ挙句、一軸だけ調整できる機構を導入することにした。
  まず、カメラを収めるカバーを製作する。ホームセンターをぶらぶらして、塩ビ管売り場で下記パーツを購入。
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塩ビ管の終端処理の蓋のようだ。

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塩ビ色ではせっかくの高額高感度CCDが泣く。塩ビ菅は塗装できるんだろうかと、スプレーしてみた(真ん中のパーツ)が、ちゃんと塗れそう。塩ビ管っぽい文字やら記号などを削り落とし、表面を#400の耐水ペーパーで磨いた。それで黒スプレーすれば高級っぽく見える。
  よーし、ではガイド鏡筒の周辺パーツを本格製作だ。アリガタ・アリミゾ製作時のアルミ材のあまりを加工し鏡筒固定金具と望遠鏡本体の取手を取り付ける金具を製作。

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金属パーツ製作はアリガタ・アリミゾの製作でコツはつかんだ。今回はさらに気合を入れて、バフ掛けまで行なった。

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ガイド鏡筒固定金具はこんか感じである。
次にCCDカメラの固定である。100均で昔に購入したまな板を加工。

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内側に習字の下敷き(黒)を貼った。
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いよいよガイド鏡筒を取り付ける。
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注目はここ。固定部に長穴を空け、15mmほど左右に動くようにした。前後の穴位置は215mmあるので、左右に15/215*180/π= 4°ほど動く。CCD画面では上下方向9画面ほどの範囲になる。これだけ動けばガイド星の導入はほぼいけるだろう。
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全システムを搭載した。
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いけてるねぇ。次にUSBキャプチャを取り付ける。

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USBキャプチャには①ビデオ信号(コンポジット端子)②ビデオ信号S端子)③右音声信号④左音声信号 とケーブルがいっぱい。使うのは①だけなので、他は潔く切断。
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だいぶすっきりしました。

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ガイド鏡筒の下に両面テープで取り付けてみた。う~ん、美しくない。これが最終形態というのは納得がいかん。なにせ1諭吉さんもの高級CCDを搭載するシステムなんだから(笑。

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ビデオキャプチャは小さいんだからガイド鏡筒内部に取り付けちゃる。木工加工して、ビデオキャプチャを鏡筒内部に固定するパーツを作る。

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USB端子が大きいのでとりはずしUSBケーブルを直付けする。また動作確認用のLEDも取り外す。一応カバーされるのだが、高感度CCDの直近に光源があるのは設計上美しくない。

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よーし、すっきり収納だ。
  あとおまけで鏡筒持ち手も新調する。

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鏡筒持ち手の金具は下記のように鏡筒バンドに取り付ける。

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すべてを取り付けた。

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うん、満足できる仕上がりだ。しばらくは風呂上りにニヤニヤ眺めて悦に入っていた。装備一式の重量(カメラ含む)は4.8kg。改良前と変わらない。あれ?自由雲台とガイド鏡用のファインダーを外したのだから(合わせて320g)、4.5kgくらいになると思っていたが、アルミ材とカメラ固定のための鏡筒延長分が相殺するほどの重量になったということか?まあいい、システムとしては非常に美しくなった。

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そうそう、コントローラは以前、赤道儀にぶら下げていたのだが、セッティング時間短縮のため、赤道儀に固定した。
  これで赤道儀システムはほぼ完成(何度目の完成だ?)。こいつでガイド星の見え方を動画にした。動画では赤経方向に早送り(4倍速)で動かしつつ、時々赤緯方向に早送り(20倍速)している。

  カメラの設定は感度を32倍にしているため、最低照度は0.00032 Luxである。更新周期は1/60 x 32で0.5秒周期になるのかな?ちょっと遅いかもしれないがオートガイド撮影では特に問題は無かった。そのへんの設定はおいおい見極めていこう。
  さて、画像の中の動かない星はノイズである。結構ノイズが多いようだが、ノイズはダーク処理で除去できるので、まあ問題ない。ついでにダーク処理した画像もアップした。

ガイド鏡筒の首振り機構により、画面の上下方向に9画面分の調整シロがあるのでガイド星の確保はまず大丈夫だろう。首振り角度の調整はPC画面を見ながら、ガイド星が画面中央になるように調整するだけなので、ガイド星導入は相当楽になるだろう。
  現システム構成は下図である。
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  赤道儀制御装置からUSB一本で制御できるようになった。つまり、USBを延長すれば室内のぬくぬく環境で天体撮影ができるということだ。うほっ(^_^)。まあ実際はピント合わせは自動じゃないし、自動導入も少しの角度しかできない。それでも室内からの制御が可能ということは冬場でどれだけ威力を発揮することか。ところでUSBの延長は規格上5mまでで、それ以上伸ばす場合は信号を増強するタイプが必要なようだ。我が家の天文台(ベランダ)から部屋の机までは10mほどで接続できる。信号を増強するタイプでも4000円ほどで売っているのだが、逆に10mほどならば信号増強しなくてもいけるんちゃう?とも思える。そもそもケーブルの規格などかなり安全率をとっているだろう。ということで、早速ヤフオクで10mのUSBケーブルをゲット。送料込みで999円。
  しばらくしてケーブルがやってきた。早速繋げて見ると、見事動かない。がーん!いろいろ調べると、HUBが相性悪いみたいで、別のHUBを使うと動く。OKOK。赤道儀制御BOXを作り変えないといけないが、もともとこのBOXは初号機からの流用なので作り変えるのはやぶさかではない。よーし、冬場のほくほく部屋からの天体撮影のため、がんばるぞ!