4-3.EOS Kiss Digitalのモノクロ改造(その7)
■2017年11月
またまたジャンクのEOS Kiss Digitalを落札した(1コイン)。届いたそいつは動作未確認のジャンクとのことであるが、バッテリーを入れてスイッチを入れると普通にシャッターが切れた。”当たり”である。さっそくばらしてCMOSセンサを取り出した。
まずはクリアガラスの取り外し。
だいぶ慣れてはきたがちょっと油断するとピキッっとひびが入る。まあいいや、クリアガラスは再利用しないので。続けてセンサワイヤ部保護のため、ワイヤ部にエポキシを流し込み、翌日にCFA剝がしを実施。
CFA剝がし器のセッティングは下図のようにおもり3つ、刃先を16mmにした。この調整で削る力や角度を調整している(結論としてはおもり3つは重すぎた模様)。
イザ!CFA剝がしスタート。
これまでの経験で、あまりせっかちにやってはいけない。これまでちょっと手で押さえつけて剝がしていたのだが、それだとちょっとした力加減で下側の層まで剝がしてしまう。今回は手で押さえつけることはせずにチャレンジ。
上の動画はマイクロレンズ層を剝がしている様子。
CFA層が剥がれると黄金色のセンサ面が現れるのだが、そのためには何度か刃を往復させる。するとちょっとしたきっかけでCFA層が剥がれセンサ面が顔を出す。
その剥がれた領域の境目に刃を当てていくと縁からCFA層が剥がれていく。
そうして全体のCFA層を剝がし終える。でも全体的にむらがあるなぁ。刃でのCFA層の剝がしはこの辺が限界の模様。センサ下部中央は削りすぎて下層面が見えている。
とりあえずこの状態でカメラに組み込んで試し撮り。
夜になり夜景を撮ってみる。夜空にむらが気になる。また端のCFA層の残っている部分も気になる。
もう一度分解し端のCFA層をがんばって剝がす。これまでの失敗は端を剝がしすぎたことに起因していると思っているので相当ビビリながら剝がした。でも1mmくらい剝がし過ぎた所もあったのでダメかも~と思いながら再度組み上げる。
で、フラット画像。
よかった~!写ってる。
画像の黒っぽいところはCFA層(の接着材かな)が残っているところで、白っぽいところは第二層まで剝がしてしまった領域だろう。
左右の両端部はビビってなんども繰り返し削ったので剝がしすぎてしまうのだろう。これからは思い切って大胆に最小回数で剝がすようしよう。
夜に星空を撮影。200mmレンズで30秒の露出。ちょっとピントはずれているが、星空のまだら模様はよく分かる。
これにフラット補正をかけると次の画像になる。
まだちょっとまだらが残っているなぁ。フラットをもう少しきっちり撮れば多少ましになるかもしれないが、及第点とはいかない。
次はどうしようか。コンパウンドで磨いてみようかな・・・。
しばらくして良く晴れた夜が来たのでオリオン星雲を撮ってみた。
日時:2017年11月13日 / 月齢24日 / 空透明度90% / 気温10℃ / 撮影場所:西南ベランダ
撮影内容:オリオン星雲 / フィルター:擬似Hα(LPR-N2+SC62) / 鏡筒回転角:90° / 3枚コンポジット
撮影:EOSkissDigital(IR改+モノクロ) / R-600改(D=100mm f=600mm) / 露光:360sec / ISO:1600
オリオンほど明るい星雲であればそれなりに写るよね。
じゃあ、馬頭星雲はどうだろう。

日時:2017年11月13日 / 月齢24日 / 空透明度90% / 気温10℃ / 撮影場所:西南ベランダ
撮影内容:馬頭星雲 / フィルター:擬似Hα(LPR-N2+SC62) / 鏡筒回転角:120° / 2枚コンポジット
撮影:EOSkissDigital(IR改+モノクロ) / R-600改(D=100mm f=600mm) / 露光:360sec / ISO:1600
だいぶ背景がまだらなのが目立つねぇ。でもにこれはフラット処理しているからまだましであって、本当は・・・これ。
ぎゃー!フラットなしだとお化けの世界。
という訳で、本画像をみて、モノクロ改造に大きく行き詰まる今日この頃である。