4-3.モノクロ改造(その10) CFAはがしの作業手順の整理
■2018年9月
EOSのモノクロ改造は失敗に失敗を重ねたのだが、とりあえず解決策が見えてきた。しかし満を持して(その9)に臨んだのだが、我が家の断熱リフォームなどによる中断期間が長く(8ヶ月)、コツなどを忘れ去っていたため失敗してしまった。
なので、今一度モノクロ改造の手順やコツを記録しておく。
まずはEOS CMOSセンサの基本構造を示す。
下から光センサ、CFA層、マイクロレンズ層とある。モノクロ改造ではマイクロレンズ層とCFA層をきれいにはがす。はがす手順と図を次に示す。
1)”CFAはがし器”(手作り器具)でマイクロレンズ層とCFA層を削り取る。この時に力加減をうまく調整し、薄ピンク色の第一層部分を残こす。”はがし器”では多少の傷が残るが、次の”アロンアルファはがし隊”で第一層ごと溶かしてはがしてしまうので、第一層に多少の傷が残っても問題ない。第二層(黄土色)まで傷つけてしまわないように細心の注意を払う。
2)第一層(薄ピンク色)に”アロンアルファはがし隊”を塗布し、10分ほど置く。そして先端を平刃状に削った竹串で”はがし隊”でやわらかくなった第一層をこそぎ落していく。やさしく繰り返せば第二層には傷をつけずに第一層だけこそぎ落せる。
3)センサ面に残った”はがし隊”と第一層のカスをきれいに拭き取る。これにはPR200がいいと思っていたが、綿棒だけでもきれいに拭き取れるかもしれない(ここはまだ方法が確定していない)。
過去作業例の写真を下記に示す。第一層の薄ピンク色や、第二層の黄土色はうまくカメラに映らないのだが、図中の説明を参考にしてもらいたい。2つの作業例はともに、CFA層まで”はがし器”で物理的にはがし、残った第一層を”はがし隊”で溶かしてこそぎ落とした例である。”はがし器”で第一層を多少削っても、実は第二層までは到達していないということはしばしばあるので(二枚目参照)、削りすぎたーっと思っても希望をもって作業を進めよう(笑。
【作業例1】
【作業例2】
実際の作業手順に移る。
まずはワイヤ部をエポキシで保護する。マスキングテープを使えばうまくできる。
(その9)ではこの上からアルミホイルを張り付ける方法を試したがあまり有効とは思えなかったし、結局失敗しているので、この方法は不採用にする。なお下記写真では(その9)の写真を使っているのでアルミホイルが四辺に貼られているがそれは無視してください。
モノクロ改造器具一式(PR200はなしでもいいかもね)。
”CFAはがし器”ではがしを開始する時は、まず一発目のはがしが難しい。先端に少し力を加えるか、おもりを置くかしないと、CFA層に食い込めず、表面をしゃりしゃり削ってしまうだけになる。CFA層をきちんと削れていると、じょりじょりっという音と、真っ黒な削りカスがどんどん出てくる。一か所でもCFA層を剥がせれば、それ以降は刃先に力を加える必要はなく、剥がせた部分を広げていく感じで動かせばよい。
下の写真は中央部が”はがし器”で第二層まで傷つけてしまった様子。これは失敗。右側はCFA層までをうまく剥がせており、薄ピンクの第一層が露出している。
本番ではこの部分のようにセンサ前面を第一層の薄ピンク色になるよう”はがし器”ではがしていく。
次に”アロンアルファはがし隊”で第一層をやわらかくし、竹串で第一層をこそぎ落としていく。
まず全面に”はがし隊”を塗布して10分待つ(特に意味はないかも)。
そして竹串でやさしく第一層をこそぎ落していく。
ワイヤ保護のためのエポキシは”はがし隊”で溶かされてしまうので、エポキシ部には”はがし隊”が触れないように注意して作業する。
最後に”はがし隊”を拭き取ったら、下写真のように無傷の第二層が出てくる(はず)。
これでモノクロ改造が完了するはずであるが、これを書いた時点ではまだ満足な成果を得られていないので、あくまで参考情報である。