O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-3.20Dモータレス改造(その2)

4-3.EOS 20Dのモータレス改造(その2)
    ーシャッター模擬装置の実装ー
■2018年9月

  Kiss Digitalと同様、カメラ自体をコンパクトにしメンテナンス性を上げるため必要最低限度の構成とする。カメラ基板に接続されるコネクタを下記の通り。

天体撮影ではマニュアルモード固定、かつパソコン接続の使い方になるため下記機能は不要となる。
・背面液晶モニタ(撮影した画像はPCで見るため)
・上面液晶パネル(動作はPCでみるが、動作状況を確認のためにはあったほうがいいような・・・)
・測距装置
・ファインダー内表示1(機能としては不要だが、このコネクタを繋がないとerr99が出る)
・ファインダー内表示2
・シャッター&ジョグダイヤル(操作と設定はPC上で行うため。欲を言えばあったほうがいい)
・背面カバー(メインSWもこのコネクタに含まれるため必要)
・撮影モードダイヤル(マニュアル固定のための結線が必要)
 
以下、必要コネクタ部の詳細について記述する。
シャッター&ジョグダイヤルコネクタはバッテリカバーとCF格納蓋のインターロック接点があるので、このインターロックを解除する必要がある。ただ、これらの断線状態でインターロックが解除されるため、コネクタ部をカットすれば良い。またバッテリ挿入確認センサはバッテリ挿入状態とするため接点を短絡する必要がある。しかし後でわかったのだがバッテリーが入ってなくても動作はする。なんでかな~?と思ったが、バッテリーグリップ使用か否かの判断に使われているもよう。ということはこのコネクタ自体なくてもいいことになる。

次に撮影モードダイヤルのコネクタ。途中にフラッシュ接続部があるが、これは不要なのでバッサリカット。モードダイヤルをマニュアルモードに固定すればいい。 

このコネクタは途中で中間コネクタで接続されているため、ここでマニュアルモードにするための短絡を行えばいい。調査の結果、モードダイヤル部の①と⑤を短絡すればよいので、中間コネクタ部で①と⑤を短絡する。

短絡できれば中間コネクタ部を残してカットする。

さて、①と⑤の短絡加工だ。しかしこれがまた細かい。ぷるぷる震える手で必死ではんだ付け。

こういう時は自家製眼鏡型ルーペが活躍する。以前は100均のルーペを使っていたが両手を使いたかったので、奮発して30×21mmルーペ(送料込みで280円。アマゾン安すぎ)と100均老眼鏡を合体させた。このルーペなかなかいいのだが、こういう作業の時は焦点距離が短すぎる。2㎝くらいかな。これを見ながらはんだ付けする時ははんだごての2cmまで顔を近づけることになるので、はんだごての熱をほほで受けながらの作業となりちょっと怖い。同じくらいの倍率でもう少し焦点距離の長いルーペがあれば二号機を作りたい。

なんとかはんだ付けした部分をエポキシで固めて補強。

一応これでもうまく動いたが、もう一台の部品で再チャレンジ。とにかく左手で導線を固定する方法が問題だ。手がぷるぷる震えて安定しない。導線をきちんと定位置に固定できれば、あとははんだごてを押し当てるだけでうまくできそう。
  ということでセカンドチャレンジでは導線をマスキングテープで固定し、その上からカッターナイフの刃を置いて、その刃もマスキングテープで固定する。その状態でカッターの刃を押さえつけながらはんだづけするとうまくいくようになった。

うん!完璧だ。細かい部分のはんだ付けにだいぶ自信がついた。

次は背面カバー部。操作ジョグダイヤルとメインSW、またMENU等のSWがある。最低限必要な機能はメインSWと操作ジョグダイヤルのセンターボタン。センターボタンは通常は不要だが、時計用ボタン電池を入れ替えた時だけ時刻合わせのため必要になる。

背面カバーのナイロン基板だけにする。

ファインダー内表示1も必要ないように思うのだが、外すとErr99が出る。KissDigitalの時も同じだった。

必要最小限の構成にして絶縁テープでぐるぐるにする。

一番の問題は主ナイロン基板。ここにシャッター模擬回路を取り付ける。

配線はKissDigitalと同じ内容。位置は微妙に違うが、仕組みがわかっていれば各端子は見つけられる。

今回の作業でもっとも苦労したのがモータードライバICからの指令出力のはんだ付け。KissDigitalの時は中継露出部があったのでそれほど苦労しなかったが、20Dではそういうのがなく、ICの足に直接はんだ付け。下写真がはんだづけ箇所。はんだ付け後に周辺をエポキシで固定している。やっぱりぷるぷる震えながらのはんだ付けでした。

KissDigitalの時に製作したシャッター模擬回路を取り付け完成。

動作確認時の様子。接続されているコネクタがマニュアルモードが動作する最小限の構成である。

シャッターレス機の動作計測結果。
今回は実機と動作をより一致させるようにソフトウェアの処理を一部変更し、パラメータを調整した。

シャッターあり機の動作がこちら。うむ、完全に一致だな。

これで基本動作確認は完了。
これからはもう少し集積化を進める予定。