4-3.EOS Kiss Digitalのモーターレス改造(その3)
■2017年12月
Kiss Digitalで、最小限の構成で動作するための改造も大詰めとなる。天体撮影に特化したカメラとして以下の仕様で考える。
1.シャッターレス化
⇒長時間露出が基本なのでシャッターは不要。音が静か(自宅撮影では必須)
2.ミラー不要
⇒暗い天体対象であれば基本不要。ショックレス
3.シャッター巻上げモーターも不要
4.露出計不要
5.測距機能不要
6.モニタも操作パネルも不要
7.撮影モードはマニュアル固定
これまでの検討より、最低限のシステム構成のためには①メイン基板、②サブ基板、③シャッター周辺動作を模擬するPIC だけあればよい。不要なナイロン基板など取り外せれば非常にスッキリする。
メイン基板の改造は下写真のように2箇所のコネクタを取り外し、13箇所ハンダ付けする。かなりこまかい作業なので、集中力が必要。10倍くらいのルーペで見ながら手がぷるぷる震えてハンダ付けしました(笑。
シャッター動作模擬PICとの接続は下写真の通り。
シャッター模擬PICのプログラムは下図の設計で動作を確認している。
実際に動作させ、主要信号を計測したデータを下図に示す。ちょっとごちゃごちゃした図だけれどね。一番悩んだのが閉シャッター指令信号の扱い(一番下の紫の太線)。ON/OFF判定の敷居電圧が中途半端な電圧なためかうまく入力できない。試行錯誤で信号を抵抗で分圧して(1kΩと5kΩ)、元電圧を5/6に下げ入力するとうまくいった。ON信号は2.9V、OFF信号が1.2Vなので、それぞれ5/6に分圧して、2.4Vと1V。PICのRA5入力はシュミットトリガ入力なのだが敷居電圧が違うような・・・?※。 TTL入力にしたほうがよかったよね・・・。
※シュミットトリガの敷居電圧はVddが4.8Vの場合L⇒Hは2.7V H⇒Lは1.9Vのはずだけど・・・
動作確認は下写真のような格好で実施。
ちなみにデーターロガーは高級なものは持っていない。以前に充電池の容量計測のための作ったロガー(下写真)で計測している。高速ログはびろ~んと出ているSWがトリガ。といっても貧弱なPICなので(PIC16F88)、データーは貧弱。3点計測、4bit分解能で160フレーム、8bit分解能で80フレームしか計測できない。
こちらが取り外したコネクタ。次回同じ処理をする時、もっと慎重にしなければ。しかしどうしたらいいのか現状無策である。