O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_07(ピストン、シリンダーのクリーニング)

6-2.アイのターボ化_07(ピストン、シリンダーのクリーニング)

■2019年8月

 この段階でおそらく分解は終了だ。厳密にいえばシリンダーヘッドのバルブ抜きなどが残っているけど、これ以降は「クリーニングと組み立てに移行」と言って間違いないだろう。まずはピストンーヘッドのカーボンを落とす。ピストンーヘッドのカーボンは柔らかいカーボンなので、カッターで軽く落とし、リューター+金属ブラシでほぼ綺麗になった。ピストンヘッドに837の謎の数字(たぶん意味はあるけど)がある。これは私的には無意味なものなので削ってしまおう。この数字が燃焼効率に寄与しているとも思えないしね。ちょっと圧縮比が下がるけど。

ピストンリングの隙間には結構なカーボンが詰まってたので、細い精密ドライバーで掻き出した。これはさすがに10万キロ走行したエンジンだなと思えた所だ。オイルリングのオイル穴(写真のピストンを側面で貫通している穴)は詰まるほどではなかった。

ピストンを眺めて、一番気になるのがこのサイド面の擦れた跡。シリンダー面と擦れたんだろう。ピストン表面がコーティングされているなら、この部分のコーティングは完全に剥がれていることになる。

オイルリングのクリーニングはストレスのたまる作業。下手に力を入れると簡単に曲がってしまいそうなので、丁寧に丁寧にカーボンを落とした。

ピストンヘッドの数字を削り落とす。ピストンヘッドをぴかぴかに磨きたいけど、圧縮比が下がるだろうしどうしようか悩んでいる。ぴかぴかにしてもそれで燃焼効率が上がるとは思えないし、逆に悪くなるという気もするしね。

この段階でピストンリングの合口の隙間を計測しておく。正確な計測位置はわからないけど、シリンダトップから20mmの位置で計測する。ピストンリングをシリンダに入れて、ピストンで20mmの位置まで押し込んで計測。まだ整備解説書が来ていないので、許容範囲など不明だが、一般的にはシリンダ径の1/200とのことなので、まあ大丈夫だろう。

ピストンリングの上下の向きは大事なので、ルーペで観察して簡略図を作成した。TOPリングは上下微妙な形状だが、内側の上面にテーパーがある。

 ※後日追記:後日整備解説書の中を色々見ているとピストンリングの形状を示す図があったので掲載しておく。NAとターボでNo.1リングの形状違うんだぁ・・・。

 

 

 次にシリンダのクリーニング。表面の汚れを落とし、リューター+サンドペーパーで表面をきれいにしていく。オイルクーラーをつけたいので、取り付け場所を用意しておく。シリンダの下側にはM8のタップを切ってくれと言わんばかりの穴が2つ並んでいる。この穴は何かは不明。ネットでいろいろ調査したけど、NA車、ターボ車ともこの穴を使っている情報は見たことがない。ここにM8のタップを切り、反対の端あたりにはΦ6の穴をあけておく。ここに小型のオイルクーラーをつけようという作戦だ。

※後日談:この穴2つは4WDのデフ部の固定に使われているようだ。2WD車には関係ない。

そしていよいよホーニングだ。エンジン換装を考えるかなり前にこのホーニングツールが2000円もせず購入できることを知った(下写真)。ホーニング作業をしている方々の動画もたくさん掲載されている。昔に単車のエンジンをばらしていた時は、シリンダー面は触ってはいけない所という認識だった。ぴかぴかで傷一つつけてもいけない聖なる領域というイメージ。でもクロスハッチという言葉を知ってからはその認識が間違っていたことを知る。シリンダー面はオイル保持のため、クロスハッチ状の傷をつけているのだ。私の間違った認識を体感を持って体験しなければ! という思いがすごくあったのだ。その後いろいろあってアイのエンジン購入となったので、ホーニング加工はかならずしようと思っていた。

しかし密林さんで、イザ! クリック。という段階に来て急に怖気づいた。なぜって?だって、ホーニングツールって実使用時間は3気筒で1~2分でしょ。ただ表面に傷をつけるだけ。なんかそんな一瞬のために工具を買うのもなぁ・・・  (*´з`)

・・・で、作ることにしました。木材の端材にM10ボルトを取り付け、直径62mmの円柱を削り出す(シリンダ内径は65mm)。

ちょっとゆるゆるにシリンダーに入るようにね。

これで側面三か所に両面テープで#240の耐水ペーパーを貼ってホーニングツール完成。市販のツールは#280というのが多かったので、それに近いように#240を選んだ。

これをボール盤で加えて上下にリズミカルに動かせばホーニングできるよね。と思っていたが、ボール盤ではサイズ的にシリンダーを置けないということでやむを得ず電動ドリルを使用。

でも上の写真の状態だとヤスリ接触面の抵抗が大すぎて電動ドリルが回らない。耐水ペーパーを小さくして再トライ。

記念に動画を撮影。まあまあうまくいっているような・・・。1シリンダに付き3往復、3気筒で計9往復して終了。

シリンダ内面。結構いい感じだと思うけど。後日ピストンリングで合口隙間計測して、シリンダ内径に変化なければもう少しだけやってみよう。※追記:オイル塗らずにやったので抵抗が大きかったのだろう。次やる時はちゃんとオイルを塗布すべし。

次はシリンダーを塗装する。エンジンなんて外からは見えないので塗装なんて不要だとも思うんだけど、今アイに搭載されているNAエンジンはエンジン表面が緑色の腐食があり、なんか汚いのだ。せっかく愛情を注いで組み上げたエンジンが同じように汚くなるのは嫌なので塗装する。まずは塗装しない所をマスキングして、

リアブレーキドラムを塗った耐熱塗料を筆でぺたぺた塗っていく。

細かいところがあるので、細い筆を使う。

乾燥したらマスキングを剥がす。なんかかっこよくなった。

オイルジェットも記念撮影。塗装前にパーツクリーナーでクリーニングしている時にちょっと気になった箇所。パーツクリーナーを吹いてもオイルジェットから出てこないので、詰まっているのかなと思ってよく見たら金属球を使った逆止弁が入っていた。オイルジェットからの噴出で必要以上に油圧が下がらないための処置だと思う。爪楊枝で逆止弁を押してパーツクリーナーを吹くと、ジェットノズル側から噴き出した。はじめは多少オイル混じりの色だったが、すぐに綺麗な色になったのでノズルクリーニングはOKだろう。

耐熱塗料の焼き付け処理。これはどう考えてもオーブンには入らないので、ガスコンロで直接熱する。温度計をシリンダー側面の穴に刺していたが160℃くらいまで上がった。たぶん本体はもう少し上がっていると思う。

シリンダーまわりの作業はこれで終了。