5-5.チャックアダプタと刃物研ぎ機の製作
■2020年2月
バルブフェース研磨の動画を見直していると、4つ爪チャック自体の芯ずれが気になりだした。チャックベースはΦ80mmの3つ爪チャック用に製作していたので、チャックの位置決めフランジはΦ55mm。でもΦ100mmの4つ爪チャックの位置決めフランジはΦ72mmなので全然位置が決まらないのだ。どうせ独立爪なのでチャック自体の芯は出てなくても問題ないよねぇ~~~! と思ってたんだけど、バルブフェース研磨では微妙に問題が出てきた。というのも、チャックで掴める最小の径がΦ6mmで、位置の調整時にはチャックの爪同士があたるので調整シロはごくわずかなのだ。チャック自体の芯が少しずれているとバルブの芯出しの調整シロがぎりぎりになる。いつかは4つ爪チャック用のフランジアダプタを作ろうと思っていたのだけど、明確な動機もできたことだし、残りのバルブを研磨する前にフランジアダプタを製作することにした。
材料は100均のまな板。硬質の塩ビ。これを加工していく。
チャックで掴んで外径Φ71.9mm、厚さ4mm、最後に内径Φ55.1mmで内グリ。
さっさかさーと完成。
チャックにぴったりはまる。
チャックベースにもぴったり。すばらしい。
これで4つ爪チャックの芯ずれはほぼ解消。よーし、残りの10本のバルブフェース研磨がんばるぞ~!!!
おまけ。内グリで最後に残った部材。
ついでに、すこし前に製作した刃物研ぎ機も掲載する。
昔友人からもらった古い掃除機。しばらくはベランダの木工作業後の掃除に使っていたのだが、ジェットサイクロンEXを入手後は活躍の場がなくなった。せっかくなのでこいつのモーターを使って刃物研ぎを作ることにした。構想は1年以上前から温めていたのだが、やっと作業に着手という感じ。
ファンはプラ製の遠心式。この掃除機はあまり吸引力が強いほうではなかったのだが、単体で回すとびっくりするくらいパワフルだ。
ファンをバキバキにして取り外す。
そしてモーターの軸にダイヤモンドディスクを取り付けられるように真鍮でアダプターを製作。
こんな感じで取り付け。
もともとついていたナットで固定する。
裏側。
適当な端材で土台をつくった。
土台裏側には塹壕を掘って電線を敷設。
12mmコンパネでふたをして完成。
イザ ! 試験運転。
なんか壊れそうに回っている。モーター回転数が速すぎで、かつ重心も少しずれているもよう。もっとも致命的なのは、既存のプラ部品だけでモーターを固定している点。この勢いでしばらく使うと、間違いなくプラのモーター固定部品が割れる。
ということでモーターの固定部分を作り直した。モーターの鉄心部を木材で直接挟み込む構造にした。
またモーター出力が大きすぎるので、セメント抵抗を挟んで出力を下げる。
30W 200Ωの抵抗を2並列で接続してみる。
回転は滑らかになったが、刃物を削るとパワーがなくてすぐにディスクが止まってしまう。
もう少しパワーを上げよう。200Ω抵抗を3並列にしてみる。
これでも刃物を強く押し付けるとディスクはすぐに止まってしまう。でも刃物を軽く当てながら研磨していけばいけそうなので、3並列に決定。
旋盤のバイト研磨に活躍してくれるだろう。