■2021年12月
それは妻の一言から始まった。「なんかエンジンうるさいんですけど」
その一言を聞いて俺は思った。「何を言っている。このエンジンは俺様が１年以上かけて完璧にオーバーホールしたエンジンだ。載せ替えて１年ちょっとしか経っていないのに異音なんかするはずないだろうが！」 （※思っただけで言ってはいない。）
妻の一言は２ヵ月ほど前。しかしそれから１ヶ月ほどして俺の耳にも明らかな異音が聞こえてきた。エンジン回転が2500rpmあたりから「ゴーーーー」って音がする。運転席から後ろ向きに動画を撮ってみた。
振り返って思い返すと俺もその前兆は掴んでいた（ほぼ負け惜しみ）。エンジン音がうるさくなったとは思っていなかったが、エンジン回転数が高くなったなと言う気がしていた。今までと同じように走っているのにエンジン回転数が高いような気がするのだ。なんとなく違和感は感じていたが、タコメーターを見ると従来と同じ回転数。気のせいだよな～～～、と気にしないよう努めていた。今思うと、エンジン音がうるさくなったので、回転数が上がったのだと勘違いしていたのだ。
いや、それでもエンジン本体から異音がするとは絶対に信じなかった（あんなに頑張ってOHしたからね）。補機だ、補機！ 絶対そう。アイの補機は下図のように、オルタネーター、ウォーターポンプ、コンプレッサー、そしてテンショナーとなっている。このどれかが異音を出しているんだと思う。聴診器であちこちの音を聴いてみたがどこも「ゴーーー」ってすごい音がしていて絞り込めないので補機ベルトを外してエンジン
かけてみよう。
右リアをジャッキアップ。フロアジャッキを駐車場まで持っていくのが大変なので、車載ジャッキでどこまでできるか試した。片側のジャッキスタンドに乗せるのはぎりぎりできたがかなり無理がある。
横から見てもいかにも頼りなさそうだけど、慎重に作業すればなんとか可能。
右リアだけジャッキスタンドに乗せる。これで補機ベルトカバーを外せる。
ジャッキスタンドは安定感はあるのだが、作業中に宙に浮いた車軸の下にうっかり足を入れた時に急に不安になった。
やっぱりちゃんとタイヤを置いておこう。タイヤを置くと、タイヤ自体が机代わりになったり工具置きになるので意外と便利。
短時間エンジンを動かすだけならオルタネーターやウォーターポンプは動かなくても大丈夫。音の発生源をエンジンか補機かを特定するため、補機ベルトを外してエンジンをかける。うん静か。明らかに静か。はい、補機が原因決定！
補機の各回転軸を回してみて確認していく。ウォーターポンプのプーリーを回しても特に違和感はない（じつは犯人がこいつだったが、軽く回しただけではわからなかった）。
コンプレッサーもスムーズに回る（エアコンOFFだとプーリーだけ空回りする）。
オルタネーターやテンショナーのプーリーを回してみたが、特段違和感は感じなかった。それでもこれらいずれかが原因であることは間違いない。次回はNAエンジン用のオルタネーターとテンショナーを交換してみて異音の様子が変化するか見てみる。
