O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

7-11.友人バイク ”XJ750E2” のイグナイタ修理

■2021年12月

 アイに一生乗る決心をしてから車の故障について情報をいろいろ集めていた。個人的に特に気にしているのがコンピューター系の故障。機械系のものであればがんばればなんとかなりそうだし、十分な修理ができなくてもオイルが漏れたり動きが滑らかでなかったりはしても動かなくなることはそうそうはない。でもコンピューター系の故障は10円の部品がダメになっただけでも ”ぱたり” と動かなくなる。そしてエンジンECUなどが壊れた場合、どんなに眺め倒しても分解しても原因特定は困難である。しかし一か所チャレンジしてみる部品がある。電解コンデンサーである。一般的な電子素子(IC、抵抗、トランジスタ)などは寿命はかなり長いのだが、唯一電解コンデンサーは10~20年が寿命と言われており、経年劣化で確実にダメになる部品である。我が家でも電解コンデンサー交換でインターホンの修理をしたこともあるし、古いパソコンの不調も7~8割が電解コンデンサーが原因と推測する。最近の自動車はほぼコンピューター制御されており、エンジンECUやT/M ECUで動かしている。これらのECUが壊れた場合、とりあえずやってみる価値があるのが、電解コンデンサーの交換となる。

 ちょうどそんな情報を学習中に遠方の友人から連絡があった。彼は数年前にXJ750E2を某オクで入手した。XJは彼が若い時に乗っていたバイクで仲間で北海道や信州をツーリングした思い出のバイクである。そのXJが最近調子悪くなったらしい。信頼できるバイク屋を見つけ、本格的に修理してもらっているのだが、バイク屋おやじ曰く「イグナイター以外の不調部分はすべて解決した。残っている不調はイグナイタに起因するものしか考えられない」とのこと。しかしXJ750E2は40年ほど前の製品で、新品部品などは基本手に入らない。そんな話を彼から聞いたのだ。まさに最近学習した故障要因ではないか。そこで私は「次に打つ手がないのなら、ダメ元で俺に預けて見ない?」と打診。これがイグナイターの電解コンデンサー交換の始まりである。ついでに「ブログに載せたいから、XJの写真もくれ!」と連絡すると、えらく芸術的な写真が送られてきた   ('ω')ノ~~~。

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 送られてきたイグナイターはこんな感じ。

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 端子は9ピンタイプね。ふむふむ。

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 ネジを4本外して蓋をあけると基盤の裏側が出てくる。この面だけ見る限り熱損とかは見当たらない。

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 基盤とコネクタ端子の接続部のはんだをはんだ吸い取り器とはんだ吸い取り線できれいに取り除くと・・・、

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 ケースから基盤が外れました。基盤の表面を見ても熱損などは見当たらない。電解コンデンサ(6個)だけ交換すれば復活する可能性は十分にありそうだ。

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 基盤裏側

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 まずはコンデンサーを取り外す。周辺の部品を傷つけないように注意して、コンデンサーの足をニッパでちょんと切る。

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 基盤に残ったコンデンサーの足をきれいに除去する。はんだ吸い取り器ではんだを吸い取る時は、はんだごてで吸い取り器先端を溶かしてしまわないように注意する。はんだごてで除去するはんだを融かすのだが、その時は吸い取り器は離しておく。はんだが十分融けたらはんだごてを離し、さっと吸い取り器先端をあて先端が動かないよう固定し、シュッポッっと吸い取る。この一連の動きはロボットマニピュレーターのような正確ですばやくこなす事が大事である。基盤は固定台でしっかり固定するのがいい。今回吸い取り器の使い方のコツがわかった気がする。まあ今までは結構適当なものしか扱っていなかったが、今回は友人の大事なバイクの部品ということで、意識高めに作業したのでコツが掴めたのだろう。

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 一か所パターンがサビて剥げている所があった。まあ大丈夫だろうけどはんだ付けする時に注意する。

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 コンデンサはオーディオ用の無極性タイプを使用。通常のタイプが無いものがあったのですべてオーディオ用で揃えた。無極性を使って問題がないのかよくわからない。また無極性とかいいながら足は長さが異なり、極性がコンデンサと同じ形。一応足が長いほうをプラス側にしたが、無極性なのだからどっちでもいいんだよね? オーディオ用の方が高価だし(10円のが15円になる)、周波数特性的に性能がいいので問題はないはず。

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 はんだ付けが完了。ルーペで目視確認し、テスターでも通の確認や隣との接触がないかを検査する。

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 最後に振動防止用にシリコンで固定。

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 ケースに戻して端子部をはんだ付け。

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 これで作業完了である。これを友人に送って動作確認をしてもらったところエンジンはきれにまわるようになったとのこと。もう少し長い目で確認が必要だろうが、感無量である。遠方のためエンジン始動の場面には立ち合えなかったのが唯一の心残り。

 これとは別にイグナイタの予備品として(型番違いの)イグナイタを某オクで入手していたのだ。しかしそれに付け替えてもエンジン始動しなかったらしい。今回のイグナイタ復活をうけて、このイグナイタもコンデンサ交換しようということになり送ってもらった。中の基盤を見るとかなり状態が悪い感じ。とりあえず急がないので、時間のあるときにゆっくり作業する予定。

 

※追記

 後日友人から連絡があり、またエンジン不調が発生したとのこと。もう少しがんばってみよう。