O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-3.永遠のアイ:Eg警告灯対策その1(平滑コンデンサ)

■2022年10月

 アイのエンジン警告灯が時々点灯するようになって1年以上経過した。警告灯はセンサ関係の不具合なのだが、何のセンサか特定のためにはOBDⅡ通信による故障診断機能を使えるようにならないといけない。"OBD Info-scan"というアプリを購入してチャレンジしたこともあったが、通信はできるが故障診断情報は読めなかった。OBDⅡのダイアグノシスピンを短絡したりすれば読めるのではないかと思ったが、いろいろ試してもうまくいかないまま放置していた。

 ここ最近、警告灯の点灯がかなり頻発してきた。チョイノリで2回出ることもあった。エンジンを切って電源をOFFにして再始動すると直るのでWindowsの再起動みたいなもの)だましだまし使ってきたが、夏場はちょっと問題がある。エンジンを切ってもしばらくエンジンクーリングファンが回っているのだ(2分くらい)。これが停まってからの再始動でないとECUのリセットができないので、安全な所で車を停める必要がある。夏場ということで症状が出やすいのかもしれないが、この前は高速道路で出た阪神高速ね)。幸いすぐにSAだったのでそこに止めて再始動したのだが、何十kmもSAがない高速だとかなり悲惨なことになる。

 もうあきらめてディーラーで故障診断情報だけでも見てもらおうかと思っていたのだが、その前に一つ試したいことがある。この車にはブースト計の所に水温油温などを表示するLEDをつけているのだが、そのコントローラーが走行中たまにリセットされるのだ。おそらく電圧低下でPICがリセットされるのだと思う。ということは電圧が不安定ということだ。センサ系の異常に起因(すると思われる)警告灯の点灯は、瞬間的な電圧低下でセンサが異常に低い(もしくは高い)計測値を出すことにより一時的にECUが”センサ異常”と判断しているのではないかと考えた。エンジンECU内部の電圧安定化のための電解コンデンサは10年ほどが寿命と言われている。そこに起因する不具合であるならECU内の電解コンデンサ交換すれば治るのではないか。そうでなくてもとにかく電解コンデンサの交換は遠からず必要だろう。

 でもECUコンデンサ交換は丁寧に時間をかけて処置したいので、その前に軽く電圧安定化がエンジン警告灯点灯に関係があるのか評価したい。電圧ラインにコンデンサを並列接続するのならばすぐにできる(つまり平滑コンデンサの実装)

 ということでジャンク箱から部品を探す。電源やアンプなどを捨てる時に電源まわりの基盤などを取っておいたやつだ。容量の大きそうなコンデンサの載った基盤を漁る。

 

 そしてコンデンサーを外す。200V耐圧とか不必要にスペックの高いものが多いが、まあテストだからなんでもいい。フィルムコンデンサなどは容量は少ないが、一応色々な周波数に対応したほうがいいかなと使ってみる。残りの基盤は使いそうな部品はなさそうなのですぐにゴミ箱へ。

 

 端材でケースを作り、使えそうなコンデンサを収納する。合計静電容量は10,120μFほど。安全のため15Aヒューズも接続している。一応放熱も考えケースには穴をあけている。

 

 この即席コンデンサユニットが車に悪影響を与えては元も子もないので、一応基本仕様だけ計測しておく。まずは漏れ電流。12Vを印加して電流がどれくらい流れるかを確認。自動車でいう暗電流に相当する。計測結果は8.5μA。自動車の暗電流は~30mAほどらしいので、それの1/1000以下なので問題ないだろう。

 

 自然放電速度も測っておく。コンデンサに12Vを印加した状態から自然放電での電圧低下の時間を測るのである。まず12V状態でストップウォッチ開始。

 

 30分経過して10Vほどに低下。まあこんなもんか。

 

 ヒューズ部は太くなりすぎて収縮チューブが使えなかったので絶縁テープでグルグルまき。まあテスト品だから細かい出来は気にしない。

 

 早速自動車に取付。せっかくテスターとか持っていったのでついでにアイの暗電流も測ろう。バッテリーのマイナス端子とケーブル側にテスターの各端子をあてて・・・

 

 バッテリーとケーブルを外す。これでテスター経由で暗電流が流れる。我が家のアイの暗電流は7.1mAだね。まあCDオーディオしか電装品ないのでこれくらいかな。この時うかつに閉ループを外すとオーディオの設定やら時計がリセットされるので注意ね。

 

 バッテリーを端に寄せて固定すると横に結構な空間ができるので、ここにコンデンサーユニットを設置する。

 

 この空間に置くだけで特に固定はしない。まあテストだから。

 

 結構安定しているので問題はなさそう。

 

 あとはケーブルを適当な長さでカットし、先端を輪っかにしてはんだ処理し、バッテリー端子に固定して完成。ただし注意点として、コンデンサーが放電している状態で接続すると突入電流でヒューズが切れるので、抵抗でゆっくりチャージして電圧をバッテリと同じにしてから接続する。

 

 これで作業終了。エンジンをかけて近所を走ってみたがとくに問題はなさそうなのでこれでしばらく様子を見る。これでエンジン警告灯が点灯しなくなれば電圧不安定が不具合原因と特定できる。

 世の中にはコンデンサーチューンということ言葉があるが私はこういう話は基本信じない。まあ電装系が弱っていてスパーク電流が十分供給されない車だとかなら効果はあると思うが、コンデンサを搭載したからといって走りが良くなるとかはないだろう(オーディオにはありね)。他にもマグネットチューンとかアルミホイールチューンとかね。でも愛車をいじる気持ちは大切で、痘痕も靨みたいなものだからちょっとした気分転換とかいう理由ではありだと思う。というか車をいじっているということ自体を楽しんでいるわけであり、万人に評価される結果を得ることが目的というわけでもないのだからね。でね、今回コンデンサーを付けたらなんか低速でのレスポンスが上がったというか滑らかになった気がした。もうそれはプラシーボ効果で間違いないんだけど、なんかそうあってほしい願望がまじっている感じだと思う。

 ※アルミホイールチューンはトヨタもやってたね。静電気を大気に放電して走りがスムーズになるとかなんとか。まあ理解できなくはないけど、街中を走る車で静電気による違いなどは体感できるとは思えない。

 

 もしコンデンサユニット搭載が有効ということになれば、どういう設計で搭載すべきだろうか。制御系電圧の安定化ということであればバッテリー位置での並列接続よりも、制御装置に近い側で接続したほうが効果があると思う。しかしそうするとキーOFFでコンデンサの電圧もOFFになる。制御電圧の安定化や暗電流を減らすという点、またコンデンサの寿命という点ではメリットであるのだが、そうするとキーON時に突入電流で制御系のヒューズが切れちゃう。それを回避するにはチャージ回路などを組み込む必要がある。また未来にチャージ回路に不具合が起きるとヒューズが切れて動かなくなるし、第三者が修理するシチュエーションになるといろいろめんどいことが起こる。そういうことを考えるとバッテリー直付けがいろいろ不安が少ないのだと結論づけた。暗電流の点では今回のユニットでは無視できるレベル(1/1000以下)だし、寿命という点では10,000μFが5個で1000円ほどで売っているので定期的(5年毎くらい?)に交換すればいいしあまり問題にはならないと思う。制御電圧の安定化という点では、各ECUコンデンサ交換が本命だと思うしね。